【番付を読み解くー行司と勧進元ー】

先ずは、この史料・文献の視点、その書き手、作者を知り、その意図を読み解く必要があります。その手がかりとなるのが、「行司と勧進元」です。

この大江戸繁昌町尽の場合は、最高位の行司役は、
猿楽町三町(芝居の町)
新吉原五町(遊郭の町)

です。

さらには、第二段目以降に記載された以下のような十個以上の普通の町を上げています。但し書きとしては、「長イ町名」としています。

高輪十八町
麹町
白金台町他


次には三段目の行司役があります。これは町ではないようです。これは千葉氏によると
火除地や
街路上に、床店や葦簀張の水茶屋、見世物小屋などの櫛比(しっぴ)する盛り場

です。

勧進元も同様か、より規模の大きい盛り場
「浅草寺境内」「両国広小路」「芝切通」
なのです。このような盛り場は、大きく言えば、町名主の支配は及んでいるが、実質的にはその場所に関わるさまざまな役目を請け負った者たちの「仕切る空間」で既存の町々とは違う、それぞれ独自の秩序を掲載していた場所だったと読み解いています。


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