このコンテンツは、主に「新多摩川誌」の情報を参考にしています。
東京という地勢に、多摩川流域というエリアは大きな位置を占めています。その意味で植生を外観しておくことも重要だと考えました。
「新・多摩川誌」では、その情報源として幾つかの植生調査や報告を基礎としていることを以下のように述べています。
情報源とした調査、報告、文献について
<「新多摩川誌」第5章:植物より、転載>
植生の類型化には、群落の概観や優占種による区分などいろいろな視点があるが、種組成の違いで単位性の把握を行う植物社会学的な方法がもっとも基本的である。
植物群落は同じ立地条件が続く限りほぼ同じ組成を持つものと規定されている。同時に群落相互の種組成の共通性により、群落の体系化が可能となる。(中略)
多摩川流域に分布する植物群落に関しては、いくつかの報告がある。
まず、多摩川流域を含む関東地方をまとめた地域植生誌
(「日本植生誌・関東(宮脇昭編著、1985)641pp」)によれば、関東全域で32のクラスと261の群落単位が記録されている。
また、奥富ほかによってまとめられたまとめられた東京都域における植生調査(「東京都の植生・東京都植生調査報告書(奥富清、奥田重敏、辻誠治、星野義延、1987)pp.22-249」)では、81の群落単位を記録している。
これらの調査に先駆けて、奥田は協力者とともに多摩川流域を踏査し、河川敷で41、上流域のその他の群落単位として、25の群落についてまとめている。(「多摩川流域の植生と植生図・多摩川流域自然環境調査報告書、第一次調査、とうきょう環境浄化財団(奥田重敏、1975)」pp.230-300)
さらに奥田は、これらの資料を元に多摩川流域の植生と植物相
について概観(「多摩川流域の植物相、日本の生物、2-2(奥田重敏、1988)」pp.28-34)している。
<転載、以上>
この情報源から得られた植物群落については、同書の「別巻・統計資料・資料6-3」に収録していることを述べています。
次の章では、
同書がこれらの情報源の解説に続いて、その内容をまとめて、上流域、中流域、下流域と3つのエリアの植生を概説している内容をご紹介します。