住所:
国分寺市南町二丁目16番
<「川の地図辞典(多摩東部編)」を参考にしました>同国分寺地図はこちらのサイト内地図コーナーとダウンロードコーナーにあるPDF地図をご覧いただけます。
武蔵野段丘の湧水で、東京の名湧水57選のひとつ。
段丘の崖(国分寺崖線)にできた谷を利用した回遊式林泉庭園として知られています。
大正2〜4(1913〜15)年に後の満鉄副総裁で当時は、三菱合資会社・本社営業部長(最後は、総理事にまでのぼりつめました)だった江口定條の別荘として作られました。赤坂の庭師「仙石荘太郎」(港区白金台の八芳園や赤坂の高橋是清翁記念公園の意匠、作庭を手掛けました)が造園した庭園です。
江口はこの庭園を「よろしきに従う=随宜」(朱子全書や白楽天の漢詩に出典をみることができる)という意味の「ずいぎえん」と命名し、別邸としました。
昭和4(1929)年に三菱財閥の岩崎家別荘となりました。三菱財閥三代目の岩崎久彌と江口と同郷の土佐出身で、生年も同じでした。
江口から、昭和4年(1929)にこの別荘を買い取ったのは、当時三菱合資会社の副社長に就任した岩崎彦彌太で、「国分寺の家」と呼び、親しんだといいます。
購入後しばらくは江口家の別邸と庭をそのまま使用していたと伝えられていますが、昭和九年(1934)に現在の殿ヶ谷戸庭園にも残る津田鑿(つだ さく)設計による庭園建築の紅葉亭を新築し、園内を整備し、回遊式庭園を完成させました。
戦後の高度成長期に商業地として再開発される危機にさらされましたが、市民運動が契機となり昭和49(1974)年、都が買収整備し、近隣の旧地名「殿ヶ谷戸」をとって、同54(1979)年に都立庭園として開園しました。
崖下にある池の水源は、「次郎弁天の清水」と呼ばれた名水です。以前は灌漑用水として利用され、湧水は、野川に流入しています。
国分寺駅前という立地もあり、水と緑を中心とした四季折々の景を愛でる人々の訪れが絶えない花名所でもあります。
<転載、以上>
【庭園概要<利用案内>】
■開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
■休園日:年末・年始(12月29日〜翌年1月1日)
■入園料:一般150円、65歳以上70円
※小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付添の方は無料
■TEL:042-324-7991(殿ヶ谷戸庭園サービスセンター)
■駐車場:なし
■設備:紅葉亭、池、湧水、馬頭観音、トイレ、ベンチ
【植生を観る参考に】
庭園は、当初の仙石よる作庭後、岩崎家別荘として、樹木も整備され、樹木に関しては、本来の土地の植生はほとんど見られないといってもいいでしょう。ただ、それぞれの低木や草花を丁寧に調べてみると武蔵野特有の植生が見られるようです。
また、人為的な植栽としては、大きな樹木や回遊を意識した配置の庭園樹木は、りっぱな造園計画で植えられたものと分かるでしょうが、(以下の地図にある)湧水と次郎弁天池周辺には、本来の植生が見られる場合もあります。可能なら、雑草も含めて、丹念に見て行くと良いでしょう。
できれば、江口副総裁が本来希望した造園計画や施工した会社や職人などやその後の岩崎家による整理した経緯などその詳細も調べられれば、この当時に多くの庭園が作られたこの周辺の同様の庭園と比較もでき、当時の園芸文化を知るきっかけにもなると思います。
<庭園内案内図>
【殿ヶ谷戸庭園の植生情報】
個人サイトで、この殿ヶ谷戸庭園の草花を紹介しているサイトもあります。こちらからご覧いただけます。
◆同サイトの2005年3月の開花記録では、
草花の品種としては、
アンズ(バラ科サクラ属 杏:別名カラモモ)
ハナモモ(バラ科サクラ属 花桃)
ボケ(バラ科ボケ属 木瓜)
アセビ(ツツジ科アセビ属 馬酔木)
モッコク(ツバキ科モッコク属 木斛)
カタクリ(ユリ科カタクリ属 片栗)
ショウジョウバカマ(ユリ科ショウジョウバカマ属 猩々袴)
樹木の品種としては、
マンサク(マンサク科マンサク属 満作)
コブシ(モクレン科モクレン属 辛夷)
ヒュウガミズキ(マンサク科トサミズキ属 日向水木)
◆2005年4月の開花情報では、
草花の品種としては、
ミミガタテンナンショウ(サトイモ科テンナンショウ属 細葉天南星)
シャガ(アヤメ科アヤメ属 射干、著莪)
ヒマラヤユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)
エンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属 延齢草)
イカリソウ(メギ科イカリソウ属 錨草)
ハナニラ(ユリ科イフェイオン属 花韮、トリテリア)
ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属 山吹)
ヤマシャクヤク(キンポウゲ科ボタン属)
ウラシマソウ(サトイモ科テンナンショウ属 浦島草)
ヤブレガサ(キク科ヤブレガサ属 破れ傘)
レンギョウ(モクセイ科レンギョウ属 連翹)
カナメモチ(バラ科カナメモチ属 要黐 別名:アカメモチ)
ヒトリシズカ(センリョウ科センリョウ属 一人静)
クマガイソウ(ラン科アツモリソウ属 熊谷草)
樹木の品種としては、
イロハモミジ(カエデ科カエデ属)
ツバキ(ツバキ科ツバキ属 椿)
◆2005年5月の開花情報では、
草花の品種としては、
アヤメ(アヤメ科アヤメ属 文目)
フタリシズカ(センリョウ科センリョウ属 二人静)
ホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属 宝鐸草)
キバナホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属 黄花宝鐸草)
ミヤコワスレ(キク科ムカシヨモギ属 別名:アズマギク)
サンザシ(バラ科サンザシ属 山査子)
スズラン(ユリ科スズラン属 鈴蘭)
シライトソウ(ユリ科シライトソウ属 白糸草)
シラン(ラン科シラン属 紫蘭)
テッセン(キンポウゲ科センニンソウ属 鉄線)
ツリガネズイセン(ユリ科ツルボ属 釣鐘水仙)
ユキモチソウ(サトイモ科テンナンショウ属 雪餅草)
ムサシアブミ(サトイモ科テンナンショウ属 武蔵鐙)
キエビネ(ラン科エビネ属 黄海老根)
などが記録されています。画像は、同サイトをご覧ください。
【公式サイトからの情報】
殿ヶ谷戸庭園は、東京都公園協会が管理する公園でもあり、東京都公園協会の「公園へ行こう!」にも公式な同庭園の情報が公開されています。
「公園なう」や「公園について」にある年間花カレンダーなどから、タイムリーな花の開花情報が得られます。公的なものなのですべての植生情報ではなく、おすすめの開花情報といったものです。
こちらから、ご覧ください。
国分寺市南町二丁目16番
<「川の地図辞典(多摩東部編)」を参考にしました>同国分寺地図はこちらのサイト内地図コーナーとダウンロードコーナーにあるPDF地図をご覧いただけます。
武蔵野段丘の湧水で、東京の名湧水57選のひとつ。
段丘の崖(国分寺崖線)にできた谷を利用した回遊式林泉庭園として知られています。
大正2〜4(1913〜15)年に後の満鉄副総裁で当時は、三菱合資会社・本社営業部長(最後は、総理事にまでのぼりつめました)だった江口定條の別荘として作られました。赤坂の庭師「仙石荘太郎」(港区白金台の八芳園や赤坂の高橋是清翁記念公園の意匠、作庭を手掛けました)が造園した庭園です。
江口はこの庭園を「よろしきに従う=随宜」(朱子全書や白楽天の漢詩に出典をみることができる)という意味の「ずいぎえん」と命名し、別邸としました。
昭和4(1929)年に三菱財閥の岩崎家別荘となりました。三菱財閥三代目の岩崎久彌と江口と同郷の土佐出身で、生年も同じでした。
江口から、昭和4年(1929)にこの別荘を買い取ったのは、当時三菱合資会社の副社長に就任した岩崎彦彌太で、「国分寺の家」と呼び、親しんだといいます。
購入後しばらくは江口家の別邸と庭をそのまま使用していたと伝えられていますが、昭和九年(1934)に現在の殿ヶ谷戸庭園にも残る津田鑿(つだ さく)設計による庭園建築の紅葉亭を新築し、園内を整備し、回遊式庭園を完成させました。
戦後の高度成長期に商業地として再開発される危機にさらされましたが、市民運動が契機となり昭和49(1974)年、都が買収整備し、近隣の旧地名「殿ヶ谷戸」をとって、同54(1979)年に都立庭園として開園しました。
崖下にある池の水源は、「次郎弁天の清水」と呼ばれた名水です。以前は灌漑用水として利用され、湧水は、野川に流入しています。
国分寺駅前という立地もあり、水と緑を中心とした四季折々の景を愛でる人々の訪れが絶えない花名所でもあります。
<転載、以上>
【庭園概要<利用案内>】
■開園時間:9:00〜17:00(入園は16:30まで)
■休園日:年末・年始(12月29日〜翌年1月1日)
■入園料:一般150円、65歳以上70円
※小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付添の方は無料
■TEL:042-324-7991(殿ヶ谷戸庭園サービスセンター)
■駐車場:なし
■設備:紅葉亭、池、湧水、馬頭観音、トイレ、ベンチ
【植生を観る参考に】
庭園は、当初の仙石よる作庭後、岩崎家別荘として、樹木も整備され、樹木に関しては、本来の土地の植生はほとんど見られないといってもいいでしょう。ただ、それぞれの低木や草花を丁寧に調べてみると武蔵野特有の植生が見られるようです。
また、人為的な植栽としては、大きな樹木や回遊を意識した配置の庭園樹木は、りっぱな造園計画で植えられたものと分かるでしょうが、(以下の地図にある)湧水と次郎弁天池周辺には、本来の植生が見られる場合もあります。可能なら、雑草も含めて、丹念に見て行くと良いでしょう。
できれば、江口副総裁が本来希望した造園計画や施工した会社や職人などやその後の岩崎家による整理した経緯などその詳細も調べられれば、この当時に多くの庭園が作られたこの周辺の同様の庭園と比較もでき、当時の園芸文化を知るきっかけにもなると思います。
<庭園内案内図>
【殿ヶ谷戸庭園の植生情報】
個人サイトで、この殿ヶ谷戸庭園の草花を紹介しているサイトもあります。こちらからご覧いただけます。
◆同サイトの2005年3月の開花記録では、
草花の品種としては、
アンズ(バラ科サクラ属 杏:別名カラモモ)
ハナモモ(バラ科サクラ属 花桃)
ボケ(バラ科ボケ属 木瓜)
アセビ(ツツジ科アセビ属 馬酔木)
モッコク(ツバキ科モッコク属 木斛)
カタクリ(ユリ科カタクリ属 片栗)
ショウジョウバカマ(ユリ科ショウジョウバカマ属 猩々袴)
樹木の品種としては、
マンサク(マンサク科マンサク属 満作)
コブシ(モクレン科モクレン属 辛夷)
ヒュウガミズキ(マンサク科トサミズキ属 日向水木)
◆2005年4月の開花情報では、
草花の品種としては、
ミミガタテンナンショウ(サトイモ科テンナンショウ属 細葉天南星)
シャガ(アヤメ科アヤメ属 射干、著莪)
ヒマラヤユキノシタ(ユキノシタ科ユキノシタ属)
エンレイソウ(ユリ科エンレイソウ属 延齢草)
イカリソウ(メギ科イカリソウ属 錨草)
ハナニラ(ユリ科イフェイオン属 花韮、トリテリア)
ヤマブキ(バラ科ヤマブキ属 山吹)
ヤマシャクヤク(キンポウゲ科ボタン属)
ウラシマソウ(サトイモ科テンナンショウ属 浦島草)
ヤブレガサ(キク科ヤブレガサ属 破れ傘)
レンギョウ(モクセイ科レンギョウ属 連翹)
カナメモチ(バラ科カナメモチ属 要黐 別名:アカメモチ)
ヒトリシズカ(センリョウ科センリョウ属 一人静)
クマガイソウ(ラン科アツモリソウ属 熊谷草)
樹木の品種としては、
イロハモミジ(カエデ科カエデ属)
ツバキ(ツバキ科ツバキ属 椿)
◆2005年5月の開花情報では、
草花の品種としては、
アヤメ(アヤメ科アヤメ属 文目)
フタリシズカ(センリョウ科センリョウ属 二人静)
ホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属 宝鐸草)
キバナホウチャクソウ(ユリ科チゴユリ属 黄花宝鐸草)
ミヤコワスレ(キク科ムカシヨモギ属 別名:アズマギク)
サンザシ(バラ科サンザシ属 山査子)
スズラン(ユリ科スズラン属 鈴蘭)
シライトソウ(ユリ科シライトソウ属 白糸草)
シラン(ラン科シラン属 紫蘭)
テッセン(キンポウゲ科センニンソウ属 鉄線)
ツリガネズイセン(ユリ科ツルボ属 釣鐘水仙)
ユキモチソウ(サトイモ科テンナンショウ属 雪餅草)
ムサシアブミ(サトイモ科テンナンショウ属 武蔵鐙)
キエビネ(ラン科エビネ属 黄海老根)
などが記録されています。画像は、同サイトをご覧ください。
【公式サイトからの情報】
殿ヶ谷戸庭園は、東京都公園協会が管理する公園でもあり、東京都公園協会の「公園へ行こう!」にも公式な同庭園の情報が公開されています。
「公園なう」や「公園について」にある年間花カレンダーなどから、タイムリーな花の開花情報が得られます。公的なものなのですべての植生情報ではなく、おすすめの開花情報といったものです。
こちらから、ご覧ください。
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