塩性植物群落とは

海水または汽水が侵入してくる潮間帯の砂泥地は、塩沼地と呼ばれます。塩沼地には細胞の浸透圧が高く、海水中に沈むか、あるいは海水に1日に数時間浸かっても生育可能な特殊な性質をもった植物が生育します。
これらの植物は海水の濃度、基盤の砂泥の粒度、海水に浸る時間の長短、水の流速など種々の環境条件に応じて、その植生域が異なり、住み分けがなされています。

以下の多摩川河口の塩沼地植物群落配分模式(「神奈川県史より転載」)をご紹介します。その上で各群落の特徴を分析していきます。

<塩沼地植物群落配分模式図(多摩川河口付近)>

a.シオクグ群集 b.ヨシ群落 d.ウシオツメクサ群落ー1.シオクグ 2.ヨシ 3.ウラギク 4.ウシオツメクサ



各群落解説

a.シオクグ群集

砂泥地には、シオクグが純群落をつくりますが、時にはウラギクやヨシを伴うこともあります。
シオクグは多年生の常緑草本植物で、根茎や地下にのび、群落が群落が生育しているところの土壌を固定化します。この群集が生育している場所では、満潮時に水面下に植生全体が水没します。

<シオクグとは>

詳細は、花研究のこちらの品種カテゴリーをご覧ください。



b.ヨシ群落

ヨシは北半球の水湿地に広く生育し、日本では亜高山帯の湿原から海岸の入江や干潟まで広く分布するイネ科の植物。また水湿地の植物としては、どのような立地でも先駆的に生育することが可能であり、しばしば河口部に限らず、停帯水や河辺、あるいは沼や湖まで広く生育する。
多摩川河口に生育するヨシ群落は、ヘドロの堆積物の粘土を主とした他の植物の生育に不適当な立地に根茎をのばして、生育している。

ヨシについての品種詳細研究は、花研究のこちらのカテゴリーをご覧ください。

<多摩川河口のヨシ原>



c.アイアシ群集
d.ホソバノハマアカザーウラギク群落
e.ウシオツメクサ群落
f.ホソバノハマアカザーハママツナ群集、アマモ群集、コアマモ群集
g.ナガミノオニシバ群集
h.コウボウシバ群落

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