前項目の報告書記述を参考に実際の植生図(マップ、第5回調査のもので幾分、凡例表示も異なりますが、基本は同じです。)

2)小金井の植生図マップから、実際の観察前のエリアを事前概観しておく

本来の植生観察は、実際に訪ねて観察することが大事ですが、その前にこうした既存データで事前学習をしておくことが地図との位置関係を把握する上でも重要になります。

今回は、小金井の北部と南部を分けて、読み方を確認しておきます。活用する植生マップデータは、こちらからダウンロードできるようにしてあるものの中から「吉祥寺」のものを利用しました。小金井全域を網羅するには、貫井地域は、「立川」に含まれているため、今回では対象としませんでした。それぞれの調べたいエリアに合わせて、ダウンロードして活用してみてください。

【小金井の中央線南部の植生図を読む】

以下は植生図「吉祥寺」の部分サンプルです。中央線の南側を切り取ったものです。

<南側植生図>



<解説>
マップのエリア表示(凡例コード表示)で、数字のもののみが、典型的な植生群集を意味しています。英文小文字の凡例は、群集とみとめられない人為的に変化した市街地、工場地帯や畑や雑草群落などです。この上の図では、典型植生群落としては、

(35)コナラークヌギ群集と(32)シラカシ屋敷林(66)竹林のみが存在していることが解ります。
(35)は、野川公園の南端の国際キリスト教大学の敷地内と多磨霊園の南側のみです。
(32)は、連雀通りの南側の斜面(ハケの道までの間)に点在しているのみです。
(66)は、中央線の東小金井からの間の南側の1か所、また野川公園と接したハケの道の近くなどに点在するのみです。

もちろん、1988年当時ですから、現在見ることができるかどうかは、甚だ疑問ですが、実際の観察調査で確認することも重要でしょう。


また、その他の群集以外の人為的な植栽関連の地域も知っておくことが重要です。

植栽としては、
(a)畑雑草群落、(b)水田雑草群落、(e)果樹園、(e1)茶畑、(f)路傍・空地雑草群落、(h)ゴルフ場・芝地、(i)緑の多い住宅地、(k)市街地、(L)工場地帯、(p)残存・植栽樹木群をもった公園、墓地などが見られます。

範囲の広く、特徴的なものは、農工大学工学部や国際キリスト教大学の敷地のほとんどが、(i)の緑の多い住宅地とされ、野川公園や多磨霊園のエリアが(p)の残存・植生樹群をもった公園、墓地とされていることです。これらのエリアの植栽は人為的になされたものであるという意味では、実際のその由来や設置から、その後の植栽管理までを知らないと地域の植生としては、良く解らないものになっているということでしょう。


<南側植生図>



<解説>

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