小学校の第1、2学年では、「社会」がなく、その変わりに「生活」という教科があります。ここが郷土(学校周辺の地域)学習への入口になります。少し長くなりますが、実際の指導要領の内容を以下にご紹介します。
全体は、大きく、「目標」「内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の三項目にわかれています。先ず、「目標」を見てみましょう。
<文部科学省・新指導要領・小学校各教科第5節「生活」より、転載>
目標
(1)
自分と身近な人々及び地域の様々な場所,公共物などとのかかわりに関心をもち,地域のよさに気付き,愛着をもつことができるようにするとともに,集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え,安全で適切な行動ができるようにする。
(2)
自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち,自然のすばらしさに気付き,自然を大切にしたり,自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。
(3)
身近な人々,社会及び自然とのかかわりを深めることを通して,自分のよさや可能性に気付き,意欲と自信をもって生活することができるようにする。
(4)
身近な人々,社会及び自然に関する活動の楽しさを味わうとともに,それらを通して気付いたことや楽しかったことなどについて,言葉,絵,動作,劇化などの方法により表現し,考えることができるようにする。
<転載、以上>
このように「身近な自然」「身近な人や社会」との関わりを増やし、その身近な存在に愛着をもち、その楽しさを味わい、表現することを目標としています。正に「風土、その地域とそこに関わる人たちとの交流」が重要な目標となっており、以下にご紹介する、その「内容」と「指導計画の作成と内容の取扱い」でも、
「校外学習」「他の教科との連携」「身近な自然や社会観察」
といった点に力点が置かれています。
<同、指導要領より、転載>
内容
(1)
学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり,楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに,通学路の様子やその安全を守っている人々などに関心をもち,安全な登下校ができるようにする。
(2)
家庭生活を支えている家族のことや自分でできることなどについて考え,自分の役割を積極的に果たすとともに,規則正しく健康に気を付けて生活することができるようにする。
(3)
自分たちの生活は地域で生活したり働いたりしている人々や様々な場所とかかわっていることが分かり,それらに親しみや愛着をもち,人々と適切に接することや安全に生活することができるようにする。
(4)
公共物や公共施設を利用し,身の回りにはみんなで使うものがあることやそれを支えている人々がいることなどが分かり,それらを大切にし,安全に気を付けて正しく利用することができるようにする。
(5)
身近な自然を観察したり,季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりなどして,四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。
(6)
身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりなどして,遊びや遊びに使う物を工夫してつくり,その面白さや自然の不思議さに気付き,みんなで遊びを楽しむことができるようにする。
(7)
動物を飼ったり植物を育てたりして,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもち,また,それらは生命をもっていることや成長していることに気付き,生き物への親しみをもち,大切にすることができるようにする。
(8)
自分たちの生活や地域の出来事を身近な人々と伝え合う活動を行い,身近な人々とかかわることの楽しさが分かり,進んで交流することができるようにする。
(9)
自分自身の成長を振り返り,多くの人々の支えにより自分が大きくなったこと,自分でできるようになったこと,役割が増えたことなどが分かり,これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもつとともに,これからの成長への願いをもって,意欲的に生活することができるようにする。
指導計画の作成と内容の取扱い
1.指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)
自分と地域の人々,社会及び自然とのかかわりが具体的に把握できるような学習活動を行うこととし,校外での活動を積極的に取り入れること。
(2)
第2の内容の(7)については,2学年にわたって取り扱うものとし,動物や植物へのかかわり方が深まるよう継続的な飼育,栽培を行うようにすること。
(3)
国語科,音楽科,図画工作科など他教科等との関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に,第1学年入学当初においては,生活科を中心とした合科的な指導を行うなどの工夫をすること。
(4)
第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,生活科の特質に応じて適切な指導をすること。
2. 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1)
地域の人々,社会及び自然を生かすとともに,それらを一体的に扱うよう学習活動を工夫すること。
(2)
具体的な活動や体験を通して気付いたことを基に考えさせるため,見付ける,比べる,たとえるなどの多様な学習活動を工夫すること。
(3)
具体的な活動や体験を行うに当たっては,身近な幼児や高齢者,障害のある児童生徒などの多様な人々と触れ合うことができるようにすること。
(4)
生活上必要な習慣や技能の指導については,人,社会,自然及び自分自身にかかわる学習活動の展開に即して行うようにすること。
<転載、以上>
このような「生活」科目の学習指導要領に沿ったモチーフとして、「植物・園芸」を捉えてもらえるように素材や学習支援を設計することで、特に低学年での導入が実現していくと考えられます。
次の章では、実際に低学年での導入に向けての授業設計例を何タイプか、検討していきます。
全体は、大きく、「目標」「内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」の三項目にわかれています。先ず、「目標」を見てみましょう。
<文部科学省・新指導要領・小学校各教科第5節「生活」より、転載>
目標
(1)
自分と身近な人々及び地域の様々な場所,公共物などとのかかわりに関心をもち,地域のよさに気付き,愛着をもつことができるようにするとともに,集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え,安全で適切な行動ができるようにする。
(2)
自分と身近な動物や植物などの自然とのかかわりに関心をもち,自然のすばらしさに気付き,自然を大切にしたり,自分たちの遊びや生活を工夫したりすることができるようにする。
(3)
身近な人々,社会及び自然とのかかわりを深めることを通して,自分のよさや可能性に気付き,意欲と自信をもって生活することができるようにする。
(4)
身近な人々,社会及び自然に関する活動の楽しさを味わうとともに,それらを通して気付いたことや楽しかったことなどについて,言葉,絵,動作,劇化などの方法により表現し,考えることができるようにする。
<転載、以上>
このように「身近な自然」「身近な人や社会」との関わりを増やし、その身近な存在に愛着をもち、その楽しさを味わい、表現することを目標としています。正に「風土、その地域とそこに関わる人たちとの交流」が重要な目標となっており、以下にご紹介する、その「内容」と「指導計画の作成と内容の取扱い」でも、
「校外学習」「他の教科との連携」「身近な自然や社会観察」
といった点に力点が置かれています。
<同、指導要領より、転載>
内容
(1)
学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり,楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに,通学路の様子やその安全を守っている人々などに関心をもち,安全な登下校ができるようにする。
(2)
家庭生活を支えている家族のことや自分でできることなどについて考え,自分の役割を積極的に果たすとともに,規則正しく健康に気を付けて生活することができるようにする。
(3)
自分たちの生活は地域で生活したり働いたりしている人々や様々な場所とかかわっていることが分かり,それらに親しみや愛着をもち,人々と適切に接することや安全に生活することができるようにする。
(4)
公共物や公共施設を利用し,身の回りにはみんなで使うものがあることやそれを支えている人々がいることなどが分かり,それらを大切にし,安全に気を付けて正しく利用することができるようにする。
(5)
身近な自然を観察したり,季節や地域の行事にかかわる活動を行ったりなどして,四季の変化や季節によって生活の様子が変わることに気付き,自分たちの生活を工夫したり楽しくしたりできるようにする。
(6)
身近な自然を利用したり,身近にある物を使ったりなどして,遊びや遊びに使う物を工夫してつくり,その面白さや自然の不思議さに気付き,みんなで遊びを楽しむことができるようにする。
(7)
動物を飼ったり植物を育てたりして,それらの育つ場所,変化や成長の様子に関心をもち,また,それらは生命をもっていることや成長していることに気付き,生き物への親しみをもち,大切にすることができるようにする。
(8)
自分たちの生活や地域の出来事を身近な人々と伝え合う活動を行い,身近な人々とかかわることの楽しさが分かり,進んで交流することができるようにする。
(9)
自分自身の成長を振り返り,多くの人々の支えにより自分が大きくなったこと,自分でできるようになったこと,役割が増えたことなどが分かり,これまでの生活や成長を支えてくれた人々に感謝の気持ちをもつとともに,これからの成長への願いをもって,意欲的に生活することができるようにする。
指導計画の作成と内容の取扱い
1.指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1)
自分と地域の人々,社会及び自然とのかかわりが具体的に把握できるような学習活動を行うこととし,校外での活動を積極的に取り入れること。
(2)
第2の内容の(7)については,2学年にわたって取り扱うものとし,動物や植物へのかかわり方が深まるよう継続的な飼育,栽培を行うようにすること。
(3)
国語科,音楽科,図画工作科など他教科等との関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に,第1学年入学当初においては,生活科を中心とした合科的な指導を行うなどの工夫をすること。
(4)
第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,生活科の特質に応じて適切な指導をすること。
2. 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1)
地域の人々,社会及び自然を生かすとともに,それらを一体的に扱うよう学習活動を工夫すること。
(2)
具体的な活動や体験を通して気付いたことを基に考えさせるため,見付ける,比べる,たとえるなどの多様な学習活動を工夫すること。
(3)
具体的な活動や体験を行うに当たっては,身近な幼児や高齢者,障害のある児童生徒などの多様な人々と触れ合うことができるようにすること。
(4)
生活上必要な習慣や技能の指導については,人,社会,自然及び自分自身にかかわる学習活動の展開に即して行うようにすること。
<転載、以上>
このような「生活」科目の学習指導要領に沿ったモチーフとして、「植物・園芸」を捉えてもらえるように素材や学習支援を設計することで、特に低学年での導入が実現していくと考えられます。
次の章では、実際に低学年での導入に向けての授業設計例を何タイプか、検討していきます。
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小中学校への郷土教育としての植木・園芸文化教育 |
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