トップ  >  小中学校への郷土教育としての植木・園芸文化教育  >  「郷土学習」へのアプローチ:その1ー2 小学校低学年の「生活」科目>身近な植物への視線
第一弾は、
身近な植物への視線
です。

まず、低学年の生徒に重要な「観察する対象物を身近なものから、徐々に遠くへと変化させていく手法」を入口とします。

1)身の回りにある「草花や樹木」への「なぜ?」という問いを発する

学校や家庭、登校の道すがらにある身近な「草花」や「樹木」に素朴な疑問「なぜ?」を発することから始めます。


疑問符:その1「なんという名前の花や草、木なの?」

当然、先ず、どんな花、草、木なのかを観察することから、始まります。
花が咲いていたり、変わった葉っぱをしていたり、香りがあったり、大きかったり、小さかったり、その対象に関心が向くのには色々な要素がある筈です。そうした感想を引き出し、その上で絵で描いたり、皆で見た感想を述べ合ったりします。
そして、素朴な「どんな名前の草や花、木なのだろうか?」という疑問へと導いていきます。

どんな草や木、花にも名前は、ある筈ということに気づき、次に「誰に聞いたらいいの?」という問いにたどりつきます。


「この草花や木のことは、誰に聞いたらいいのか?」

その対象について知りたい場合は、一体だれに聞いたらいいのか?誰にでも聞けばよいのでなく、「その対象を良く知っている人」「その対象をそこに持ってきた人」「その対象の世話をしている人」に聞くことを気づかせ、さらにその対象について、聞く相手を見つけることを気づかせていきます。

実際の授業では、第一弾を「校庭にある草花や木」とします。


Step1:
「その対象について、一番詳しい人(校庭にある草木を知る人)を発見して、聞く」



まず、校庭の草花や木では、あらかじめ対象となる「草、花、木」を選び、その対象について、聞く相手も用意をしておきます。
この段階で、学校ごとに「その学校の植栽、花壇づくりの現状を考慮して」対象と聞く相手を準備することが重要です。

◇なぜ、草花や木はそこにあったのか?
◇誰とかかわって、そこにあるのか?
◇毎日過ごしている校庭の草木は、誰のおかげでそこにあり、楽しめるのか?
という身近な植物と人との関係を感じることが大切な要素となります。

●花壇を作っているのが、先生なら、その先生。学校の周囲の生垣や植栽なら、植木業者の人などをあらかじめ、準備しておきます。
●そうして、どんな人に聞けば良いのかを見つけさせる過程を経て、聞く相手を見つけ、名前を教えてもらうというステップを体験することになります。
●そして、名前にたどり着きます。さらには、その「物語(なぜ、そこにあったのか?誰かもらったのか?)」を聞くのです。
しかし、ほんとうになぜ、そこにあったのかを真剣に答える必要があるのです。なんの草木なのかを「物語として」教員や職員たちは、調べなければなりません。



Step2:
「名札を付けて、皆でおぼえて、観察を開始します」


幾つかの草花や木の名前を知ります。次にそれぞれの名前を「覚える」「忘れない」「他の人にも知らせる」ために「名札」をつくります。この段階で、どんな草花や木に関心が向くのかを知り、それぞれが選んだ子どもたちでグループをつくり、名札をつくると同時に毎日、観察し、記録するというプログラム、さらには、その「物語」を紡ぐこと、ほんとうに教員たちも知っているのかをを物語しなくてはならないのです。

気になる植物を発見する⇒好きな植物の名前を知るための方法の発見⇒実際に名前を聞く⇒名札をつけて、観察を始め、観察日記を付ける⇒どのようにして、そこにやってきたのかを物語る
という流れです。


第2弾は、「家での草花や木」、第3弾は、「登下校途中で見る草花や木(できれば管理された公園)」です。それぞれ、プログラムを設計し、「聞く相手」を設定する段階で、地域コミュニティや父兄との連携を展開します。

*事前準備、対象の選定が支援コミュニティづくりや子どもたちとコミュニティとの交流という要素として重要です。こうして、学校で教えている「植物」「自然環境としての植物と人」という内容を広く、支援してもらう地域、風土環境づくりへと発展させます。
具体プログラムは、学校ごとにその周囲の環境、郷土史への理解を進める必要があります。家庭(父兄会など)、支援業者(植木業者や花屋、花卉市場、公園管理団体や施設)などにより理解し、その草木を設計していきます。
観察は、1年という期間で変化する植物を体験することになります。

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