さらに効果的な授業には、教師や地域支援者によるその地域ならではの学習資料を創造することです。

Step3:独自資料を設計、制作する方法を考える

社会科研究会でも各授業づくりの過程で具体的な多くの文献をそれぞれの学校では、担当する教師の努力で作成しています。
ただ、あくまで個人レベルでの資料で、その資料自体がその後、多くの教師や後輩たちの利用できる、発展的に活用できるものになっているのでしょうか?

本サイトの大きな目的の一つは、こうした問題を解決するための「学習支援用の資料設計制作から、継承と検証による再設計し、さらにそれを保存することで再利用可能な形へ」という連続的な地域独特の学習支援システムづくりなのです。

より上の学年に進んで、再度活用できるような重層構造をもった地域学習資料こそが、中学校、高等学校、社会教育と続けて利用できるようになる資料なのです。
実際の地域での生涯を通じての一貫教育という発想はまだ、存在していませんが、本サイトの求める教育支援活動、システム、資料とはこうした目的のためのものです。

このカテゴリーでは、その第一歩となる小学校3-4学年の学習支援システムとしての学習資料づくりを目指します。

1)【1-2学年での郷土教育資料を検討、再考する】

まず、大事なのは、継続的な教育という課題です。実際の3-4学年の生徒たちは、その1-2年時点で、既になんだかの郷土教育を受けています。その記憶と成果の上に累積させていくことが重要です。

実際どんな1-2年での郷土教育が行われてきたのかを資料として入手できるでしょうか?モチーフ(取り上げた場所や人、出来事など)、史料、文献、データ(地図、統計)を収集することから始めます。
また、この年次の郷土教育で積み残した生徒の疑問(問いかけや調べられなかった内容、問題点)なども重要になります。この課題を残したまま、次の年次に移行するのではく、そうした疑問や課題に答えるという方向性の中で新たなモチーフを設計することが重要です。

◆実際の授業の資料、実績継承という課題も含めて、実施してみてください。
◆本サイトでのこうした継承という課題の実験的な試みは、その経緯と報告を別カテゴリーでご報告する予定です。


2)【郷土教育資料を整理する段階で「再利用可能な置き場所」を検討する】

本サイトは、「こうした地域・郷土資料の置き場所としての機能」も兼ねています。他の学年だけでなく、同じ地域の別な学校でも共有できることを視野にWeb上という何時でも、誰でも利用が可能な置き場所を用意しました。

本サイト「桜草数奇」は、学習支援の研究と同時にこうした資料で「地域風土における地理や自然、植生、植物に関する資料」の置き場所の役割も果たします。
さらに植物を人間の生活のために活用するというテーマ「食、織物、染色、薬などへの利用」での資料は、提携サイトの「Plants Laboratory Network」にその置き場を用意しています。

もちろん、資料は自然や植物に関したものだけでなないので、「風土に関するその他の歴史、社会、政治経済から、文学芸術分野までの資料」の置き場所は、提携サイトの「公界(Kukai)」にお願いしています。

これらのWeb上のネットワークを活用して、学習支援資料づくりから、編集、保存、再利用を行っていきます。

<この項、続く>