【ごみ処理に限定しての環境省の基礎データを読む】1)日本の一般廃棄物処理の現状(データ)を知る行政で提供するごみ処理の現状や歴史のデータには、色々なものがあり、その量は膨大です。しかし、学生たちからの質問や疑問に答えていくためには、一応、全容に目を通しておくことが重要です。●日本のごみ処理状況のデータ
事前に提携サイト「公界」で風土知研究テーマで作成した「ごみ処理(一般廃棄物処理)」のカテゴリーがありますので、そちらをご覧ください。このカテゴリーは、一応、現状では、日本全体(一部の統計は都道府県別や市町村別のデータも含まれています。)
こちらから、ご覧ください。●東京のごみ処理状況のデータ
上記の全国にある東京のデータも東京全体の数字としては、把握可能ですが、各市部、区部ごとの集計、年度ごとの変遷は、別途、
こちらのカテゴリーをご覧ください。東京都全体では、平成10年度、区部別の集計は、平成20年度から24年度までのものを閲覧することができます。
2)小学校の当該エリア(江戸川区、東京都)の現状データを読む
上記データにも含まれていますが、実際に江戸川区が公式に提供しているデータも含めて、以下に概略をご紹介します。<江戸川区の公式サイト内の調査データ>●江戸川区で公開している最新のごみ収集の実態調査データは、平成21年度のものです。こちらから、ご覧いただけます。<主要部分を以下に転載>
アンケートの回収率は、約40%のようです。
◆家庭ごみの量と割合◆(平成20年度と平成21年度の比較)
こちらから、回収しているごみの総量は、少しずつは減っているようです。やはりごみの内容としては、「燃やすごみ」が全体の92%を占めるようです。◆ごみの将来の収集量予測◆(江戸川区に居住する人と勤務する従業員の人口の予測から、推察しています)
来年度、平成27年(今から五年前の平成21年度の予測ですが)までは、人口増加により、ごみの回収量は増え続けますが、その後は、増えないで一定量と予測されているようです。実際、今日現在、平成26年度の数字はどうなのでしょう。住んでいる人が減っても、このエリアに勤めたり、働く人が増えれば、事業ごみは増えるので、大きくは減らないのですね。<転載、以上>
3)上記の現状や時間的な変遷データをどこまで読むか?次に大事なのは、どの学年のどの単元で利用するかによって、ごみ処理データなどをどこまでの内容を知らせるかです。
●上記のように「江戸川区」のアンケートによる公開データは、より身近なデータですが、ほんの一部エリアと期間、現状の数字です。
ただ、そのデータの全体は、非常に重要なものです。
どこまでを見せるかは別として、教える側、または保護者の方々には、今の回収実態を知るという意味では、是非、理解しておいてほしい情報でしょう。◆21年度の調査についての詳細データ(PDFファイル)は、
こちらの頁から、ご覧いただけます。
各調査データへは、1)排出原単位・組成調査報告書は、
こちらをご覧ください。
2)家庭ごみアンケート調査報告書は、
こちらです。3)事業所ごみアンケート調査は、
こちら。学校も事業所であるという意味では、重要なアンケートです。
4)不用物物流推計・ごみ量将来推計報告書は、
こちらです。●廃棄物処理の今までを把握し、将来を見通すために重要なデータは、その前の環境省による国全体と地域の調査データであることが解ります。是非、Excelファイルをダウンロードして、詳細に検討してみてください。
●統計表やグラフ、図や絵などで工夫するのはもちろんですが、より大事なのは、内容、その説明すべきポイントと範囲でしょう。より、深く検討したいものです。●授業(単元)への実際的な展開案●:(本サイトで仮に設計してみたものです)
1)ごみ処理の総量変化を知ることで、どうやってこの町や東京では、皆で工夫を重ねてきたかを知り、ごみの減量にどうやって自分たちが参加するかを考える<清掃事務所の担当者の招致>
●江戸川区環境部清掃課:公式情報は、こちらから。
2)ごみ処理全体に占めるリサイクルのデータとその変遷から、リサイクルの重要性、実態を学び、家庭、学校でできるリサイクルを考える<リサイクル業者、企業の関係者の授業招致、システム見学など>
3)ごみ処理の変遷と最終処分場<中央防波堤埋立処分場>の課題を見せ、ごみ減量への皆の努力へとつなぐ<最終処分場見学や関係者招致>
●東京都環境局・中央防波堤埋立処分場のサイトは、こちらから。
4)廃棄物の中で、次世代の課題ともいえる「災害廃棄物の課題」をデータから発見し、家庭の一般廃棄物以外の側面を知り、自分たちが未来にできることを摸索する<災害の災害廃棄物についての話を環境省の担当者から聞く>
●環境省の災害廃棄物処理の情報サイトは、こちらから。
注意:上記災害廃棄物処理に情報はあくまで、東日本大震災のものです。日本における災害廃棄物処理の全体を網羅したもではないことを注意しておいてください。もちろん、同時に現在も続いている原子炉の放射能汚染の廃棄物処理なども全く含まれてはいません。
<以下は、環境省のデータでなく、昭和47年以前の歴史的な資料を見つけることが必要です>
5)日本文化と歴史的なごみ処理の歴史を発見し、日本人とごみ処理、または歴史的なし尿利用や焚火、家庭でのごみ焼却、地域での再利用の工夫を学ぶ<江戸から昭和まであった歴史的な地域特産の品と絡めて、栽培農業でのし尿利用の話を聞く、学校でのコンポスト体験へと総合学習に広げる>
●江戸川葛西地区の葛西舟、都市近郊農業の下肥利用の歴史:こちらから。
●地域特産栽培品である小松菜(江戸野菜)について:こちらから。
具体的な教材設計には、より、それぞれの小学校の地域特性に応じた、ヒアリングや関係者招致、資料調べが鍵となるでしょう。<この項、了>