【園芸華道部って、何?】
まず、この倶楽部に入部しようと思う学生には、
この倶楽部は一体何を目的として、誕生したのか、
入部するとどんな「こと」や「楽しさ」「面白さ」が得られるのか、
さらには、入部することによって、どんな学生生活が過ごせ、その後の自分の将来にどのようなメリットがあるのか
を明確に提示することが重要です。
園芸は、「草花、樹木などを育て、様々に楽しむ営み」、であり、華道は、「花を活けて、楽しむ営み」
であるとするなら、この倶楽部が「育てた草花や木を活ける活動をする倶楽部」であるということは、誰にでもわかります。今までの倶楽部活動は、そうしたものでした。では、それだけで「楽しみ」や「やりがい」は生まれるのでしょうか?
結果、そうした活動によって、得られる具体的な楽しさや面白さとは何で、将来の可能性にどうつながるのか、という疑問が生まれてきます。
次は
こうした疑問に答えるための「倶楽部コンセプトづくり」を考えていきます。
【その1>基本の倶楽部コンセプトとは】
自ら、育て、その時、大学構内に実際に生育している「自然の美しさ」を活用して「飾る=その場所を訪れる人をもてなす」楽しさを味わい、その面白さ、素晴らしさを追及し、そのことで自分の未来・将来を切り拓くことのできるような倶楽部活動
がこの新・倶楽部のコンセプトとします。
このコンセプトを実現・実践するためには、大学での園芸・華道活動とはどのようなものかということを考えることから、始まります。
まず、「園芸」と「華道」との関連を考えていきます。
【その2:園芸と華道が連携する意味とは】
1)華道で生ける花や草、木を大学構内の花や木とすることで、飾ったものを楽しむだけでなく、その時期に大学構内に同じように存在する植栽としても観る(楽しむ)ことができるということがあります。
さらには、
2)華道(生け花)で、飾ることによって、「その場所=飾った場所」を訪れる「人=誰か」を「その季節に実際に大学に生育している自然の一部」で「もてなす」ということになります。
この関係性を追求し、楽しむこと、それが、「園芸華道」の意味合いです。
そして、次にこの「園芸華道」を習得することでどんな自分の未来が創造できるかを求めていくことになります。
学芸大学(=小金井という地域の中の自然環境と意図された植栽によって構成される植栽空間とその場所に学ぶ学生と教師、職員が大学生活を営む場所)で、その季節、植物などの息吹のちからを借りて、自らの感性で構成した「生け花」という行為によって、その場所を訪れる人(学芸大学を訪れる全ての人)をもてなすという倶楽部活動なのです。
このことを忘れて、楽しさは得られません。
より、楽しくするためには、その楽しみをさらに拡大し、より高度なもの、文化へと昇華していく活動こそが、この倶楽部「文化創造」の醍醐味なのです。
次には、倶楽部活動で「習得していくべき技術」を考えてみます。
その技術とは、
より自らの「もてなす」感性とその自然、季節のみずみずしさを表現できるような草花を「育てる技術」と
もてなす相手に合わせて、場所と飾り方、生ける形による表現を高めていくような「飾る技術」
です。
さらには、それぞれの技術が独立しているのではなく、相互に有機的に機能し合って、より素晴らしい生け花を創造できるようにする
「お互いの技術を高め合うような関係を築く方法」
を習得し、実際に実現していくことがこの倶楽部の醍醐味であり、コンセプトなのです。
「もてなす」ことで「誰か」を感動させたり、嬉しくさせるという「営み」なのです。
そのためには、どうしたらよいかを考え、実践していく倶楽部なのです。さらには、この営みを推進する技術がその後の自分の人生にどのようなメリットをもたらすかを明確に理解させてくれることが「やりがい」へとつながっていきます。
<この項、了>