花の色を構成する色素を知るための実験です。
<石鹸百科のサイトより転載>
実験:アサガオ色水の色を変える
アサガオの花とアルカリ・酸を使った実験です。夏休みの自由研究にもどうぞ。
【実験の材料と方法】
◆用意するもの◆
青やピンク色のアサガオの花(咲き殻でもよい)
酸(クエン酸、酢酸など) ※レモンの絞り汁やお酢なども可
アルカリ(重曹、セスキ炭酸ソーダ、炭酸ソーダなど)
水
容器 ※ガラスなど透明な容器を使うと色の変化を確かめやすい
【実験方法】
容器に水を入れ、アサガオの花をその中で揉んで色水を作る
色水に酸を少し入れると、水溶液の色がピンクっぽく変わる
酸の量を増やすにつれてピンク色が次第に鮮やかになる
ピンク色になった水溶液に、今度はアルカリを少し入れる
炭酸飲料のように水溶液が発泡し、水溶液は青みがかった色になる
さらにアルカリを足すと、発泡が続いて青みも次第に濃くなってゆく
アルカリを足し続けるとある時点で発泡しなくなり、水溶液の色も変化しなくなる
上記の水溶液に酸を入れると発泡が復活し、色はふたたびピンク寄りになる
色水の色が変わるのはなぜ?
アサガオの花色はポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素が元になっています。アントシアニンは黒米や紫キャベツ、ブルーベリーや赤ジソなど多くの植物に含まれます。水の中でアサガオの花を揉むと、花の細胞が壊れてアントシアニンが出てきて水に色が付くのです。
アントシアニンは、まわりのpHが低い(酸性に傾く)と赤色に、pHが高い(アルカリ性に傾く)と青色に発色します。アサガオの色水に酸を入れるとピンクがかった色になり、アルカリを加えると青みがかった色になるのはこのためです。
開花したときには真っ青だったアサガオの花色が時間の経過とともに青みが薄れ、咲き終わりにはピンクがかった色になっているのもpHの変化が原因です。
アサガオの花色の元になるアントシアニンは花の細胞内に存在しています。青いアサガオでは、花びらの細胞内の液性が早朝にだけ弱アルカリ性に傾き、アントシアニンが青色に発色して青い花が咲きます。ですが時間が経つと花びらの細胞内の液性は弱酸性にもどり、花色も青からピンクへと変化するのです。
◆発泡するのはなぜ?◆
酸を入れた色水にアルカリを入れると炭酸飲料のように発泡するのは、酸とアルカリが反応して炭酸ガス(二酸化炭素)が発生するためです。
発泡はある時点で終わり、それ以後はいくらアルカリを足しても泡立ちません。これはアルカリを加え続けたことで水溶液の中の酸がすべて反応してしまい、それ以上アルカリと反応できる酸が残っていないのが原因です。
発泡しなくなった水溶液に酸を足すとふたたび泡立ちます。これは新たに加えた酸が水溶液の中で余っているアルカリと反応するためです。
(2012年8月初出)
<転載、以上>