【県の取り組みを比較する】

特定の都道府県の例を見るだけだとその取組みの程度、レベルを判断することは、難しく、この章では、東京都と鹿児島県を比較してみることで、それぞれの取り組みの特徴を見出すことにしました。

1)それぞれの都道府県の郷土教育の拠点、メイン組織を知る

■鹿児島県の場合は、その教育に関する情報は鹿児島県総合教育センターに見られます。その主な取組は、以下の資料から伺うことができます。

●郷土教育関連資料

◆学校や地域社会の特色を生かした保育,学習指導の充実>基本方針などは、こちらから見ることができます。さらにこのコーナーには、郷土素材を活用した保育、学習指導の実際として、教科別の郷土教育素材の実例を以下のように紹介しています。こちらから

<実例紹介部分を転載>

保育
「地域行事に参加しよう」
「実態把握の進め方」
「島唄に親しんで歌おう」
「郷土の話や食に触れよう」

音楽科
「音楽の特徴を感じて(小学校第5学年)」
「郷土の音楽に親しもう(中学校第1学年)」

図画工作、美術科
「鹿児島再発見!僕らのおもしろ美術館(小学校第5学年)」
「私の町の美術館(中学校第2学年)」

家庭,技術・家庭科
「秋(春)の味噌汁をつくろう(小学校第6学年)」
「魚,肉,野菜を使って調理しよう(技術・家庭[家庭分野])
「郷土料理を取り入れて,おいしい料理を作ろう(技術・家庭[家庭分野])

体育、保健体育科
「鹿児島に伝わる遊びを活用した体づくり運動(小学校第5学年)」
「みんなで踊ろう,地域に伝わる棒踊り(中学校第1学年)」


<転載、以上>

以下は、そうした郷土教育研究についての解説です。
◆共に育ち,共に学ぶふるさとの教育の充実>こちらから。
(鹿児島県総合教育センター 教育研究 第120号 平成12年2月より一部抜粋)
◆創造的な学習活動の在り方>こちらから。
(鹿児島県総合教育センター 教育研究 第123号 平成13年10月より一部抜粋)


●実践例・学習指導案
こちらから。

以下にその目次をご紹介します。

<国 語>
道案内をしよう:小学校3年

<社 会>
郷土の発展に尽くした人々(前田利右衛門):小学校4年
南薩の恩人 仲覚兵衛:小学校4年
幕末・維新期の郷土の先人(村橋久成):中学校2年
産業・交通・文化の広がり:中学校2年

<理 科>
「流れる水の働き」天降川、思川の活用:小学校4年
鹿児島市の自然環境:小学校6年
地学の学習における地域素材の活用(種子島):中学校2分野
大島紬のシャリンバイ泥染め:高等学校「化学」
「環境学習」の本格化に向けて(大淀川):高等学校「化学・生物」
校庭の植物群落調査:高等学校「生物」
万之瀬川の下流域の地質とその教材化:高等学校「地学」

<生活科>
むかしのあそびめいじん:小学校1年
ワーイ!夏がやってきた:小学校2年
地域に愛着をもつ子どもを育てる生活科学習:小学校  

<音 楽>
音楽の特ちょうを感じて:小学校4年
様子を思いうかべて「奄美民謡」:小学校4年
音楽の特ちょうを感じて(子守歌):小学校5年
日本の音楽に親しもう:小学校5年
音楽の特徴を感じて:小学校5年・6年
五ツ太鼓に親しもう(出水地区):中学校1年
我が国の伝統的な音楽や郷土の音楽に親しもう:中学校1年
鹿児島おはら節:中学校2年

<家 庭>
郷土素材の価値分析:中学校1〜3年
郷土の食材を活用した調理実習:中学校1〜3年
郷土料理を取り入れた調理実習:中学校1〜3年
郷土に伝わる菓子の実習:中学校1〜3年
郷土の食材を使った料理:中学校1〜3年
郷土の料理(1時間で実践できる教材):中学校1〜3年

<技 術>
郷土素材を用いた物づくりの実践:中学校1〜3年
情報とコンピュータにおける郷土素材の利用と実践:中学校1〜3年
郷土題材を生かした栽培学習:中学校1〜3年

<道 徳>信念はつらぬいて(1−(2)希望、勇気、不撓不屈):小学校6年

<総合的な学習の時間>
地域に学ぼう:小学校3年
「湯田川アドベンチャー」検証授業を通して:小学校3年・4年 
見つけよう岸良 棒踊り:小学校3年・4年
生き生き湯田っ子:小学校3年・4年
人・海・自然を愛する児童の育成:小学校3〜6年
海にとびだせ:小学校3〜6年
守ろう吉川の自然:小学校5年・6年
知ろうよ!わたしたちの城上:小学校6年
郡山リサーチ探検団:小学校6年
お茶摘み:中学校1〜3年
郷土で学び、生き方について考えよう:中学校1〜3年
日本復帰50周年を迎えて(発表会をしよう):中学校2〜3年



●郷土教育の指導資料(指導資料バックナンバー)
こちらから。


【外部資料Websiteの参照ガイド】

●鹿児島の旬の魚>こちらから。

●日本の地形図(ウォッチ図)>こちらから。

次は■東京都場合です。

東京都の教育委員会の公式サイトには、明確な郷土教育という項目はありません。そのためにまず、平成27年に作られ、平成29年度までの三年間の東京都の教育施策をまとめたという東京都教育施策大綱を見てみることにしました。>

こちらから、PDFをダウンロードして、ご覧いただけます。

副題が、「世界一の都市・東京」で活躍する子供たちのために」という大綱です。なんとなく、内容が想像できそうです。

以下は、その目次を転載したものです。赤字が郷土教育に関連するといえば、するといえなくもない内容と思えた施策項目です。


<転載、部分>

第1章 東京都教育施策大綱が目指す子供たちの将来像

1 これからの時代を担う「知」「徳」「体」の調和のとれた人間
2 グローバル化する東京、日本を支える人間
3 自他を尊重し社会で自立して生きていく人間

第2章 東京都教育施策大綱に掲げる重点事項

1 重点事項の意義
2 重点事項の今日的状況
(1) 個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
(2) 社会的自立を促す教育の推進
(3) 世界で活躍できる人材の育成
(4) オリンピック・パラリンピック教育の推進
(5) 不登校・中途退学対策
(6) 子供たちの健全な心を育む取組
(7) 特別支援教育の推進

第3章 重点事項に係る今後の取組
重点事項�� 個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
重点事項�� 社会的自立を促す教育の推進
重点事項�� 世界で活躍できる人材の育成
重点事項�� オリンピック・パラリンピック教育の推進
重点事項�� 不登校・中途退学対策
重点事項�� 子供たちの健全な心を育む取組
重点事項�� 特別支援教育の推進


<転載、以上>

「グローバル化する東京」という方向性で東京エリアの特徴、風土要素としての重要な要素として取り出し、そこで活躍できる人間づくりというのが強いていえば、郷土教育なのかもしれません。しかし、その後の重点項目にある世界で活躍できる人材教育は、全く別な話です。そうしたグローバル化する東京に居住し、世界の人々とも共に活躍できる人材ということが基本でしょう。「世界で活躍」という表現は、全く別な、外に出て行けとでも言っているようなもので、全く視点が横滑りをしたもののように感じられます。グローバル化は必然としても、その中で郷土理解(グローバル化が必然であったという東京エリアの風土特性も含めた郷土理解)を基礎とした世界観の醸成が重要というのが本来のように思えます。
残念ながら、そうした内容が網羅されているとは思えない大綱です。


<東京都、了>

【東京都の中の一エリアとしての「小金井の郷土教育」の取り組みを知る】

先ずは、小金井市教育委員会の教育指針を見てみます。教育指針は、こちらから、ご覧いただけます。

この中には、大きな教育の基本指針として、以下の4項目が掲げられています。

<上記、基本方針より、転載>

【基本方針1 「人権尊重の精神」と「社会貢献の精神」の育成】
すべての子供たちが、人権尊重の理念を正しく理解するとともに、思 いやりの心や社会生活の基本的ルールを身に付け、社会に貢献しようとする精神をはぐくむことが求められる。

そのために、人権教育及び心の教育を充実するとともに、権利と義務、自由と責任についての認識を深めさせ、公共心をもち自立した個人を育てる教育を推進する。

【基本方針2「個性」と「創造力」の伸長】

国際社会に生き社会の変化に対応できるよう、子供たち一人一人の豊かな人間性を育成することが求められる。
そのために、子供たちの個性と創造力を伸ばす教育を重視するとともに、国際社会に生きる日本人を育成する教育を推進する。

【基本方針3「信頼される学校づくり」と「確かな学力」の確立】

子供たちに、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得とともに、思考力・判断力・表現力等を育成することが求められる。
そのために、教員の授業力向上を図るとともに、保護者や地域に信頼される魅力ある学校づくりを目指した学校経営を支援する。

【基本方針4「生涯学習」と「文化・スポーツ」の振興】

市民一人一人が生涯にわたって学び、その成果を社会に還元できるようにするとともに、次代を担う子供たちの健やかな成長を社会全体で支えることが求められる。
そのために、学校・家庭・地域の教育力を高め、その連携が進むよう支援するとともに、市民が生涯を通じて、自ら学び、文化・スポーツに親しみ、社会参加できる機会の充実を図る。


<転載、以上>

そして、この4つの基本方針に沿って、基本計画として実施される教育活動「明日のこがねい教育プラン」が実施計画です。

その1)として、小金井らしさの醸成としてを掲げられた中の(4)という項目に
伝統・文化理解教育、その中のにようやく以下の郷土教育に関連する内容(以下、赤字の部分)が唯一述べられています。


<転載部分>

�々餾歇匆颪涼罎燃萍�し、わが国の発展に貢献できる人材を育成するために、小・中学校に外国人英語指導助手を派遣する等、コミュニケーション能力を育む教育を推進する。

�� 日本や世界の伝統・文化に触れる異文化教育や小金井市に由来する人物、風土、環境等を学ぶふるさと教育を通じて、多様な文化や郷土に対する理解を深めるとともに、国際的視野を広める教育を推進する。


<転載、以上>

なんとも「小金井市に由来する人物、風土、環境」とは奇妙な表現です。しかも、その目的は、あくまで多様な文化や郷土に対する理解を深めることと国際的視野を広める教育を推進すると結ばれます。ふるさと教育と国際的な視野を高める教育を連携させるような教育がなされているのでしょうか?

実態を知りたいところです。


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