順路1 大学を歩き、構内の各エリアのもつアイデンティティを発見する>その1:歴史の入り口を除く【桜並木の声を聞く】

大学誕生前から、存在し、70年以上を経て、いまだに見事に咲き誇る桜並木。その今と歴史を知ることで大学のアイデンティティの一端を発見する



正門へと向かう道にの両脇に春には咲き誇る桜。その誕生は、昭和17年。本学の創立(小金井キャンパスの創設)が昭和24年5月ですから、その前から既に桜はあったことが桜の樹木調査でわかりました。

実は、第二次大戦前、昭和17年に、この地に多摩陸軍技術研究所(第三、第七、第八研究所)が設立され、その当時に植えられたのが、この桜並木だったのです。

多摩陸軍技術研究所は、本学の南側に位置する東京サレジオ学園(昭和22年にこの地に移転)や情報通信研究機構や文化女子大、つつじ公園・市西部浄水所も含む広大なエリアでした。(以下の地図を参照)

当時は、小金井の周辺の三鷹市、武蔵野市、調布市、小平市、国分寺市などにも多くの軍の施設が点在していました。小金井の桜で有名な小金井公園も実は、一時、陸軍の練兵場として使われていたのです。その意味では、この時期の植栽として、桜は、学内はもちろん、周辺多くの場所に植えられ、今もその花を咲かせている可能性があります。

<当時の陸軍技術研究所のエリア(「知られざる軍都多摩・武蔵野(洋泉社MOOK」より、以下に転載)>


<サレジオ学園の桜(同学園公式サイトより、転載)>


【学芸の森:桜の声を聞き、共生するプロジェクト“桜守プロジェクト”】

●学芸の森環境機構では、この正門の桜を核として、学内全域に植栽されている桜の現状を調べ、いかに共生していくかを考えるプロジェクト“桜守プロジェクト”を立ち上げ、その文化の保護と植栽の継承、発展計画を実施しています。

その第一弾ともいえる2014年の正門桜並木の桜の現状調査の詳細は、「東京学芸大学 環境報告書2014」をご覧ください。

<正門桜並木の現状(一部):同環境報告書よりの転載>
●桜:樹種マップ

●樹木の評価表


<学芸の森環境機構からの桜守レポート>

●開始された学内桜調査は、「桜守プロジェクト」の一環として、現在も進行中です。
学芸の森環境機構では、その進捗を随時、情報提供しています。この正門並木エリアでは、環境機構の「学芸の森推進部門」が活動を展開しています。詳細は、こちら(2015年度の講習会概要)をご覧ください。

次の「順路2」では、正門守衛所を右にみて、正面になる、本部棟、新装した附属図書館のある中央エリアです。大学の中枢施設や大学の知を代表するエリアです。
もちろん、最も新しい「憩いの広場空間“ケヤキ広場”」学外、学内者が憩い、交流するための新・エリアや“図書館1階の地域住民との交流の場でもある「note-Cafe」”などもご紹介していきます。

右下の⇒をクリックして、次の章へ進んでください。


<この項、了>
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