【正門の桜並木調査<施設部資料より>】

【桜の現状把握】

<桜樹種と概要図>(樹木調査報告書より、転載)


<樹勢表>(同上記報告書より、転載)


同報告書による、並木の変遷を以下に転載します。

<転載、部分>

オオヤマザクラを除く当初に植えられた桜並木は聞くところによれば、昭和17 年施工とのことであり、71 年の経過となる。ソメイヨシノは一般的に寿命が60〜70 年程度(土壌、環境条件で異なるが)といわれているが、今回の対象樹は主にヤマザクラ、カスミザクラであり年数は経ていても土壌、環境条件が良好であればソメイヨシノほどの老化現象が起きなくても良い種である。

聞くところによれば、植栽当初は並木両サイドの歩道はなく東西側の境界まで植栽域であったとのことである。また中央分離帯もなく、砂利道で並木の中央部を通学路等として使用していた。約20 年前頃に東西の歩道と中央分離帯が新設され、砂利道からアスファルト舗装になった。その際に縁石により立ち上がりができて、もとの地盤より高く盛土され、そこに現在の潅木が植えられた。


<転載以上>

以上の情報から、昭和17年の本学創立前の陸軍技術研究所時代の植栽は除くとして、

1)創立当初の植栽計画
さらには、
2)アスファルト舗装になった時期(約20年ほど前との記述)と施工の概要
3)オオヤマザクラを植えた時期などの特定とその経緯調査
4)小金井桜(里帰りの記念樹)を移植した平成21年の事情と経緯の調査
5)その他、各低木などの植物の植栽時期の特定と経緯調査


が重要に思われます。

大学史の資料や施設部の樹木関連資料を別途参照してみたいと思います。


1)東京学芸大学植栽調査報告2(1985-1987年実施)

この調査では、正門エリアは除外されており、植栽概要は不明。報告1が資料としては有るらしいが、現状では入手できていません。

2)学芸の森環境機構プロジェクト
2008年以降に開始した真山教授「私の植物」
<上記の「植栽報告2」を基礎データとして、真山研究室で段階的にエリアを区分して調査を実施>


その正門エリア(Aエリア)の調査結果から:



<植物番号表>
1/アジサイ、2/アセビ、3/イヌツゲ、4/ウツギモクセイ、5/オオシマザクラ
6/オオムラサキツツジ、7/オオヤマツツジ、8/キョウチクトウ、9/クチナシ
10/サツキ、11/シロリュウキュウツツジ、12/ソヨゴ、13/タチバナモドキ
14/ドウダンツツジ、15/ナンテン、16/ハマヒサカキ、17/ヒイラギモクセイ
18/ヒュウガミズキ、19/ボケ、20/ミヤマシキミ、21/ムクゲ、22/ヤマツツジ
23/ビヨウヤナギ、24/ロウバイ

<以上>

樹木品種特定には、25と26の樹種が不明な点と正門近くの25近くに小さい文字で「ヤマザクラ」と表示された意味合いの確認が必要です。基本的には、桜以外の樹種の品種概要が判明しますが、かなり、各品種の株の生育度や衰退度で、分布が変わってきているようです。新たに植えられた品種もあるようです。
調査から、7年以上が経過しているので、再調査が必要でしょう。


<この項、了>
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