◆剪定講習2:ヒイラギモクセイとアセビ、ビヨウヤナギ

●ヒイラギモクセイ(剪定と害虫駆除)

<校門前の西側通路のヒイラギモクセイ株で実地講習>


<新井氏談>
ヒイラギモクセイは、垣根などにも使われる常緑の樹種です。かなり強い剪定にも耐える樹種です。この並木では、丸く玉刈りに剪定されることも良くあります。この並木のヒイラギモクセイは、害虫被害が見られますが、良く「ハリグロテントウノミハムシ」という甲虫類に食い荒らされることがあります。この虫の名前は、長い名前ですが、虫の名前は、その虫の特徴を表す場合がほとんどです。この虫も「ヘリグロ」とあるように、成虫は、外側に黒い筋がついています。「テントウ」は、テントウムシの仲間という意味です。「ノミハムシ」は、成虫がノミのように飛び跳ねるハムシであるという意味なのです。


■ハムシに食い荒らされたヒイラギモクセイ■


●参考:「ハムシについて」:
以下に「ハムシ」と呼ばれる甲虫類の説明を転載しておきます。


<Wikipediaより、転載>

ハムシ(葉虫、金花虫、英語:Leaf beetle)は、甲虫目ハムシ科 Chrysomelidaeの昆虫の総称。

現在日本に約780種が知られる。6mm前後のものが多く、おおむね草食性である。なお、マメゾウムシ類はその形態からゾウムシに近いとの判断からこの名がついたが、現在ではハムシ科の一亜科として位置づけられている。なお、日常で「はむし」という場合、羽虫のことである場合も多い。これは、小さな羽のある虫全般を指し、特に分類群を定める語ではない。この項では上記の分類群を扱う。

形は多様だが、比較的簡単な形のものが多く、いわばコガネムシを小さくしたような虫である。しかしトゲハムシの仲間は背面に一面に棘状突起を持つものがあり、またジンガサハムシやカメノコハムシと呼ばれるものは体の縁が平板状に広がって陣笠状の特異な姿となる。また、ノミハムシの仲間は、後肢に跳躍器官を持ちノミのように跳躍する。
幼虫はイモムシ状かジムシ状。胸部に3対の脚をもつが腹部にはない。
多くは生きた植物を食べる。農作物を食うものも多く、ウリハムシやイチゴハムシなどはしばしば大量発生して農作物に被害をもたらすので、害虫とされている。マメゾウムシは貯蔵穀物を加害する。利用されることは少ないが、マメゾウムシ類は個体群生態学の分野でモデル生物とされるものがある。

<転載、以上>

ヘリグロテントウノミハムシについての本サイトの説明は、こちらの「ヒイラギモクセイの育て方」をご覧ください。

<新井氏談>
このハムシは、成虫も幼虫もどちらもこのヒイラギモクセイの葉を食して、被害を与えます。そのため、春から、秋にかけて、年間3回程度、それぞれの発生時期にこまめに駆除を行う必要があります。主にスミチオン乳剤を希釈した農薬を使います。詳細は、春の新芽がでる時期から、具体的に講習します。現在の冬場は、この虫は、株の根元にある落葉などの中で冬を越している状態です。
冬場の対策としては、根本の枝を取り払い、根本周辺の落葉をかき出し、冬ごもりできない状態にしておくことが良いでしょう。
この時期の葉や、枝の剪定は、頭上に落葉高木のあるこうした並木では、落ち葉が終わる現在のようなタイミングで樹上の落葉を取り去るように剪定鋏ではたきながら、密生した葉を鋤くように風通しを良くするように食い荒らされた葉を取り去るような形での剪定が良いでしょう。


◆樹木講習1:ヒイラギモクセイ

この講習では、剪定のみでなく、このヒイラギモクセイという樹種の特徴やその日本における文化と背景も学習していきます。

【品種の基本学習】


*この品種の本サイトでの解説は、ヒイラギモクセイは、こちらをご覧ください。

ヒイラギモクセイは、並木道の植栽には、かなりの数点在しています。
新井氏の指導にもあるように今回の冬の剪定では、落葉や食い荒らされた表面の葉の除去程度の剪定(2月の第二回講習時)を主に行い、春以降に農薬による害虫駆除を、主な剪定は、花後に進めていく方針です。


<この項、続く>
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:31 平均点:5.16
前
第一回講習セミナー:2015年12月17日<剪定講習1:キンメツゲとロウバイ>
カテゴリートップ
講習会開催報告
次
第一回講習セミナー:2015年12月17日<剪定講習3:桜育成、保存管理>