桜草数寄(Sakuraso House)
園芸と風土文化教育
<指定植物の選定理由>(略号) 指定植物の指定要件は、鑑賞用、園芸用、薬草用等として採取され易く、規制を行わなければ絶滅する恐れのある植物であることとした。 指定植物は、この要件を満たしていることを前提として、さらに指定植物一覧表及び解説文に記載されている指定理由(略号で記載している。)の要件を満たしている。略号の理由は以下のとおり。 1.分布の特殊性を有する種 (a)固有種(分布の範囲が数地点に限定されている植物)隔離種 (b)準固有種(分布の範囲が地域的に限定されている植物) (c)分布限界種(当該国立公園、国定公園が日本における分布の東西南北の限界(もしくはそれに近い地域)となっている植物) 2.希少種(地域的に特に個体数が少ない植物) 3.当該公園をタイプロカリティー(原標本の生育地)とする種 4.他の生物と共存関係にある種 a.貴重な動物(高山蝶等)の生息域にあって、当該動物と密接な種間関係(食草等)にある植物 b.食虫植物 c.腐生植物(林床に堆積した未分解の粗腐食上に限って生育する。) d.着生(樹上)植物(亜熱帯ラン、常緑シダ等姿態が美しい。) 5.極端な生育立地条件地に生育する種 a.火山(崩壊斜面、溶岩地等に立地し、移動砂礫、勾配、噴出ガスなどの複合された自然環境に耐えて生育する。) b.岩壁、岩隙地(岩隙に堆積したわずかな土壌と上方から流下する雨水にふくまれる養分等によりかろうじて生育する。) c.特殊岩石地(石灰岩、超塩基性岩地(蛇紋岩地)に生育する植物で、土壌層の発達が悪く、母岩の含有成分による特殊条件により、他の植物の侵入がはばまれ遺存種が多い。) d.崩壊性砂礫地(高山帯の雪崩斜面、海岸の風衝地等の風化した不安定な岩屑地に生育する。) e.多雪地、雪崩斜面(雪崩圧による抵抗力のある高茎の草本は美しい花をつけるものが多く、7、8月のわずかな期間にいっせいに開花し、単調な亜高山帯に色どりを添える。) f.海岸段丘、砂丘(海からの強い風衝作用、紫外線を受けるため、発達した根群とクチクラ層で覆われた肥厚した茎葉を備えた耐塩、耐乾構造を持つ特殊な植物のみが生育する。) g.風衝地(風衝地は植物の蒸散作用に著しい影響を与え、矮性低木(潅木)群落が発達し、極端な風衝作用地は風衝草原となる。) h.風穴(通年洞内からの冷気が流出し、高山性の植物が生育する。) i.雪田周辺(多量の雪が夏季遅くまで残る雪田地帯では、矮性低木(潅木)群落から雪田底のコケ植物群落までのいくつかの植物群落が帯状に配列する。) j.高層湿原、中間湿原(常に水によって飽和され、酸素の供給が少ないため、樹木は侵入できず、ごく限られた草本群落による湿原群落が形成される。立地は排水不良で周辺部からの無機栄養分の少ない、強酸性の特性を持つ。) k.地塘、流水縁(地塘は亜高山の多雪地に発達し、高層及び中間湿原から浸出した水質は、有機質を多く含むが、酸性で低温なため貧養である。ここには貧養立地性の浮葉植物が生育する。一方、湿原の中を流れる川の水辺では、酸素含量の多い水と無機栄養に恵まれ、周辺の植生とは全く異なる植生が発達する。) l.塩沼地(泥湿地において、定期的な海水の干満を受ける場所に生育する植物は、海水の浸漬に耐えられる少数の塩生植物に限られる。) 6.景観構成に主要な種(特に、きれいな花が群落として一斉に開花し、春、夏、秋の季観を構成する植物) 7.鑑賞用種及び園芸業者、薬種業者、マニア採取種(専門化による採取の対象となる商品的価値の極めて高い植物)
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