<Wikipediaより、転載>

エノキ
(榎、Celtis sinensis)は、ニレ科(APG植物分類体系ではアサ科)エノキ属の落葉高木。


【形態・生態】

雌雄同株で、高さは20m以上、幹の直径は1m以上になる。枝が多く、枝ぶりは曲がりくねっている。根元で数本に別れていることもある。樹皮は灰黒褐色。
葉は互生し、長さ4-9cmの卵形又は長楕円形で、先は尾状にのびている。葉の質は厚く、縁は鋸歯状だが、先端まで葉脈が発達しておらず、丸みを帯びている。
花には雄花と雌花がある。葉と同時期(4月頃)に、葉の根元に小さな花を咲かせる。花の後ろに、直径5-6mmの球形の果実をつける(10月頃)。熟すと橙褐色になり、食べられる。味は甘い。


果実は、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、テングチョウ、ヒオドシチョウ、エノキハムシ、タマムシ、ホシアシブトハバチ、エノキトガリタマバエ、エノキワタアブラムシなど多くの昆虫の餌、食樹である。

【分布・生育地】
東アジアに分布する。国内では本州、四国、九州。

【人間との関わり】

日本語「エノキ」の名の由来について、鍬などの農機具の柄に使われたからという説があるが、奈良時代〜平安時代初期には、「エノキ」の「エ」はア行のエ(/e/)、「柄(え)」やそれと同源の語とされる「枝(え)」の「エ」はヤ行のエ(/ye/)で表記されており、両者はもともと発音が異なっていたことが明らかなので、同源説は成り立たない。
建築用材、家具材、道具材、薪炭などに使われる。木材の質はやや堅いが、強度はそれほど強くない。また、狂いが生じやすい。辺材と心材の境が明瞭でない。風合いが似ていることから、ケヤキの代用とされる。
江戸時代には街道の一里塚として植えられた。野生の木も各地にたくさん見られ、地名や苗字(榎本など)となっている例も多い。
東京競馬場の第3コーナー内側に、俗に「大欅」と呼ばれる大木がある。数々の逸話があり、「欅ステークス」という名の特別競走まで開催されているが、実際は榎(エノキ)であって欅(ケヤキ)ではない。

【エノキ属】

ウィキスピーシーズにエノキ属に関する情報があります。
ウィキメディア・コモンズには、エノキ属に関連するカテゴリがあります。

エノキ属(エノキぞく、学名: Celtis)は、ニレ科(APG植物分類体系ではアサ科)の属の一つ。エノキ属は熱帯から温帯にかけて100種ほどが知られている。

●コバノチョウセンエノキ Celtis biondii
  チュウゴクエノキ Celtis biondii var. holophylla
●クワノハエノキ Celtis boninensis
●トウエノキ Celtis bungeana
●エゾエノキ Celtis jessoensis
  ナガバエゾエノキ Celtis jessoensis f. angustifolia
  カンサイエノキCeltis jessoensis f. hashimotoi
●Celtis julianae
●チョウセンエノキ Celtis koraiensis
●コバノエノキ Celtis nervosa
●アメリカエノキ Celtis occidentalis
●コウトウエノキ Celtis philippensis
●エノキ Celtis sinensis
  シダレエノキ Celtis sinensis f. pendula
●タイワンエノキ Celtis tetrandra

<転載、以上>


【樹皮例】
<東京都・小金井市・栗山公園/2013/8/5>




<同、葉>










<上部に鋸葉縁(きょしえん)>













<付け根の脈は三主脈>












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エノキ(榎、Celtis Sinensis)研究