<Wikipediaより転載>
ドクダミ(蕺草、学名:Houttuynia cordata)はドクダミ科ドクダミ属の多年草。
別名、ドクダメ(毒溜め)、ギョセイソウ(魚腥草)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)。
<植物分類>
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
コショウ目 Piperales
ドクダミ科 Saururaceae
ドクダミ属 Houttuynia
ドクダミ H.cordata
<学名>
Houttuynia cordata
和名:ドクダミ
<その他名称について>古くは、之布岐(シブキ)と呼ばれていた。ドクダミの名称は「毒矯み」(毒を抑える)から来ている。中国語と同様の魚腥草(腥の意味は「生臭い」)、ベトナム語のザウザプカーまたはザウジエプカー(越:rau giấp cá/ rau diếp cá、意味は「魚の野菜の葉」)、英語のfish mint, fish herb, fishwortなど、魚の匂いに纏わる名称も多い。英語にはそのほか、lizard tail(トカゲの尻尾), chameleon plant(カメレオンの植物), heartleaf(心臓の葉)や、bishop's weed(司祭の草)という表現もある。
【形態・生態】住宅周辺や道ばたなどに自生し、特に半日陰地を好む。全草に強い臭気がある。開花期は5〜7月頃。茎頂に、4枚の白色の総苞(花弁に見える部分)のある棒状の花序に淡黄色の小花を密生させる(総苞は実質イミテーション)。本来の花には花弁も萼(がく)もなく、雌蕊と雄蕊のみからなる。
生物進化から見ると、原始的な形をしている植物で「風媒花」と「虫媒花」の中間的な花といえるようです。【利用】<食用>
加熱することで臭気が和らぐことから、日本では山菜として天ぷらなどにして賞味されることがある。日本において料理用のハーブとして用いられる事は無いが、葉を乾燥させてどくだみ茶を製造する事がある。これは一種のハーブティとして、麦茶のように飲まれる事が多い。どくだみ茶は商品化もされている。
他の香草と共に食されるドクダミ(ベトナム)
また、ベトナム料理では、とりわけ魚料理には欠かせない香草として生食される。ただし、ベトナムのものは日本に自生している個体群ほど臭気はきつくないとも言われている。
中国西南部では「折耳根(ジョーアルゲン 拼音: zhéěrgēn)」と称し、四川省や雲南省では主に葉や茎を、貴州省では主に根を野菜として用いる。根は少し水で晒して、トウガラシなどで辛い味付けの和え物にする。
<薬用>
生薬として、開花期の地上部を乾燥させたものは生薬名十薬(じゅうやく、重薬とも書く)とされ、日本薬局方にも収録されている。十薬の煎液には利尿作用、動脈硬化の予防作用などがある。なお臭気はほとんど無い。 また、湿疹、かぶれなどには、生葉をすり潰したものを貼り付けるとよい。
漢方では解毒剤として用いられ、魚腥草桔梗湯(ぎょせいそうききょうとう)、五物解毒散(ごもつげどくさん)などに処方される。しかし、ドクダミ(魚腥草、十薬)は単独で用いることが多く、漢方方剤として他の生薬とともに用いることはあまりない。
【薬理成分】
デカノイルアセトアルデヒド - 生のドクダミに特有の臭気成分。抗菌作用があるが乾燥させると酸化されて抗菌効果は失われる。
ラウリルアルデヒド - デカノイルアセトアルデヒドと同様にドクダミ特有の臭気成分で、抗菌作用がある。
クエルシトリン - 利尿作用、動脈硬化の予防作用
カリウム塩 - 利尿作用
<転載、以上>
各国での呼び名:
中国名:蕺菜、蕺草、臭腥草、魚腥草、折耳根
英語名:Chinese Lizard tail、Fishwort、Heartleaf
フランス語名:Plante cameleon
ドイツ語名:Chinesescher Eidechsenschwanz、Chamaleonflanze、Buntblatt
西欧では、ほとんど中国からの植物として、中国のトカゲのしっぽやカメレオン草などという呼び名がほとんどのようです。
【学名検索】<BGPlantsより検索>
学名: Houttuynia cordata Thunb.
和名: ドクダミ
学名ステイタス: 標準
掲載図鑑とページ番号: (平凡社・日本の野生植物)草本2: 98;(保育社・原色日本植物図鑑)草本2: 348, f. 159;(講談社・Flora of Japan)2a: 361;(至文堂・日本植物誌)524;
文献情報(原記載文献など):
Kongl. Svensk. Vet.-Akad. Handl. Stockh. 4: 149 & 151, t. 5 (1783), Houtuynia, Fl. Jap.: 234, t. 26 (1784); Siebold & Zucc. in Abh. Akad. Muench. 4(3): 231 (1846); A.Gray in Narr. Exped. Perry 2: 318 (1857); Benth., Fl. Hongk.: 334 (1861); Miq., Prol. Fl. Jap.: 303 (1867); Franch. & Sav., EPJ 1: 442 (1875); Matsum., Index Pl. Jap. 2(2): 1 (1912); Makino & Nemoto, Fl. Jap. ed. 2: 155 (1931); Miyabe & Kudo, F. Hokk. & Saghal. 4: 389 (1934); Steenis in Blumea Suppl. 1: 137 (1937), Fl. Males. ser. 1m 4(2): 47, f. 1 (1949); Makino, Ill. Fl. Nippon: 678, f. 2033 (1940); Merr. & Chun in Sunyatsenia 5: 35 (1940); Ohwi, Fl. Jap.: 393 (1953), ed. Engl.: 359 (1965); Hatus., Fl. Ryukyus: 216 (1971); E.Walker, Fl. Okinawa: 380 (1976); Y.C.Tseng, FRPS 20: 8, t. 3, f. 1-3 (1982); T.S.Liu & H.C.Wang, Fl. Taiwan ed. 2, 2: 620, t. 299 (1996); W.T.Lee, Lineam. Fl. Kor. 1: 361 (1996); N.H.Xia & Brach, Fl. China 4: 109 (1999).
【花と葉の姿】<2014年6月・東京都>