イギリスでは、産業革命が起きる前に必然的に「農業革命」が進んだ。農業生産性の向上は、人口増による経済発展には欠かせなかったようです。
イギリスでは、産業革命前に「ノーフォーク農法」という農法が開発されました。このノーフォーク農法には、クローバーは欠かせない植物だったのです。
<ノーフォーク農法とは>
ノーフォーク農法(ノーフォークのうほう)は、18世紀にイングランド東部ノーフォーク州で始まった新農法で、大麦→クローバー→小麦→かぶの順に4年周期で行う四輪作法です。休耕地がなくなり、牧草栽培による家畜の飼育が可能になり、エンクロージャーの拡大とあいまって穀物生産を増大させ、農業革命と称されました。
ヨーロッパではそれまで三圃式(さんぽしき)という、農地を三つに分けて、一つは夏穀、もう一つは冬穀、そしてもう一つは休耕地にするという農法が基本でした。というのは、ヨーロッパの農地のほとんどが農作物を作ると土壌のミネラルが作物に吸収され尽くして、すぐに作物が育たなくなる状態という傾向があったためです。
これは、マメ科植物は、根っこのコブに住んでいる根粒菌(こんりゅうきん)が、空気中の窒素を取り込んで栄養を作ってくれるからです。普通の植物は空気中の窒素を肥料にすることができないのですが、クローバーやアルファルファにはそれができ、多少の荒れ地でも育ち、土地を肥やす役割りを果たしてくれたというわけです。
アルファルファなどは別名「ウマゴヤシ=馬を肥えさせる草」と呼ばれたこともこうした性質からきています。