<Wikipediaより、転載>

ヤマザクラ(山桜、学名:Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba, 1992)(Synonym : Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz., 1911)はバラ科サクラ属の落葉高木。日本の野生の桜の代表的な種で、和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では寿命が長く大木になる。ヤマザクラを原種として品種改良された種も多い。多くの場合葉芽と花が同時に展開する(開く)ので、これがソメイヨシノと区別する大きな特徴となる。日本、台湾、韓国、北朝鮮に分布。開花時期は3-4月頃。

【分類】

サクラの属名は日本では長いことPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サクラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが多かったが、近年は後者が増えてきているしかしCerasusとすることで決着した訳ではない。海外では、現在もPrunusに分類するのが主流である。

【概説】

ヤマザクラは同一地域の個体群内でも個体変異が多く、開花時期、花つき、葉と花の開く時期、花の色の濃淡と新芽の色、樹の形など様々な変異がある。
同じ場所に育つ個体でも一週間程度の開花時期のずれがあるため、同じサクラでもソメイヨシノと異なり、短期間の開花時期に集中して花見をする必要はなく、じっくりと観察できる。ソメイヨシノの植栽の普及する前の花見文化はむしろ、このように長期間にわたって散発的に行われるものであった。
新芽から展開しかけの若い葉の色は特に変異が大きく、赤紫色、褐色、黄緑色、緑色などがあり、裏面が白色を帯びる。 花弁は5枚で、色は一般的に白色、淡紅色だが、淡紅紫色や先端の色が濃いものなど変化も見られる。樹皮は暗褐色または暗灰色。
家具の材料としても人気が高い。樹皮は樺細工などに利用される。

「吉野の桜」とは、本来この山桜を指すものであり、日本の象徴とされた桜でもある。長寿な種であり、尾所には樹齢500年を越えるものが見られる。

【地方自治体の木】

福島県郡山市
埼玉県寄居町
千葉県富里市
神奈川県横浜市金沢区
神奈川県鎌倉市
神奈川県大和市
長野県長和町
滋賀県大津市
兵庫県淡路市

【ヤマザクラ群】

ヤマザクラに類する品種の桜をヤマザクラ群と呼ぶ。オオシマザクラやオオヤマザクラ、カスミザクラなどが有名である。

【野生種】

アサギリザクラ(朝霧桜・毛山桜)
ウスガサネオオシマ(薄重大島)
オオシマザクラ(大島桜) - カスミザクラの島嶼種もしくはヤマザクラの海岸型。
オオヤマザクラ(大山桜・蝦夷山桜・紅山桜)
カスミザクラ(霞桜)
カタオカザクラ(片丘桜) - カスミザクラの幼形開花型。ヤマザクラに戻ってしまうことが多い。
キビザクラ(吉備桜)
ケエゾヤマザクラ(毛蝦夷山桜)
シオカゼザクラ(潮風桜) - オオシマザクラの一型。
ツクシザクラ(筑紫桜・筑紫山桜)
ハツユキザクラ(初雪桜)
ヤマザクラ (山桜)

【園芸品種】

アオバ(青葉)
アカツキザクラ(暁桜・霞蝦夷山桜)
アカミオオシマ(赤実大島)
イズザクラ(伊豆桜)
イチハラトラノオ(市原虎の尾)
イボザクラ(伊保桜・井保桜)
イヨウスズミ(伊予薄墨)
ウンリュウオオシマ(雲竜大島)
オウシュウサトザクラ(奥州里桜)
カンザキオオシマ(寒咲大島)
キクシダレ(菊枝垂)
ギジョウジギジョザクラ(祇王寺祇女桜)
キヌガサ(衣笠)
キリフリザクラ
クチナシザクラ(梔子桜)
ケタノシロキクザクラ(気多の白菊桜)
ケンロクエンクマガイ(兼六園熊谷・兼六熊谷)
コウホクニオイ(江北匂)
ゴザノマニオイ(御座の間匂)
コトヒラ(琴平)
コノハナザクラ(木の花桜)
コンゴウザクラ(金剛桜・源氏車・小督) - 国の天然記念物。
サノザクラ(佐野桜)
シダレオオヤマザクラ(枝垂大山桜)
ジョウニオイ(上匂)
シンスミゾメ(新墨染)
スルガダイニオイ(駿河台匂)
ゼンショウジキクザクラ(善正寺菊桜)
センダイヤ(仙台屋)
ソウドウザクラ(宗堂桜) 2種がある。
タイザンフクン(泰山府君)
ダイリノサクラ(内裏の桜)
タカネオオヤマザクラ(高嶺大山桜)
タキニオイ(滝匂)
ナラノヤエザクラ(奈良の八重桜・奈良八重桜)
ニドザクラ(二度桜)
ノナカノサクラ(野中の桜)
ハチスカザクラ(蜂須賀桜)- 沖縄系カンヒザクラとヤマザクラの一代交雑種カンザクラ
ヒウチダニキクザクラ(火打谷菊桜)
ヒロシマエバヤマザクラ (広島江波山桜)
ヒヨシザクラ(日吉桜)
ベニタマニシキ(紅玉錦・松前紅玉錦)
ベニナンデン(紅南殿)
ホソカワニオイ(細川匂)
マツマエウスベニココノエ(松前薄紅九重)
ミナカミ(水上)
ミョウジョウ(明星・松前明星)
ヤエノオオシマザクラ(八重の大島桜)
ヤエノカスミザクラ(八重の霞桜)
ヤエベニオオシマ(八重紅大島)
ヤツブサザクラ(八房桜)
ヤマゴシムラサキ(山越紫)
ヨウロウザクラ(養老桜)
ライコウジキクザクラ(来迎寺菊桜)
ワカキノサクラ(稚木の桜) - ヤマザクラの幼形開花型。ヤマザクラに戻ってしまうことが多い。

◆画像◆

<花>



<花と若葉>
ソメイヨシノのように満開を過ぎたころに葉が出るのではなく、開花と同時に赤茶けた若葉が出る


<転載、以上>
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ヤマザクラ(Cerasus jamasakura (Siebold ex Koidz.) H.Ohba, 1992)