【百木の長とは】
東京都国分寺にある祥應寺のコノテガシワは享保十一年(1726年)、武蔵国分尼寺跡北側に位置した旧祥應寺にあった二本の樹を現在の地へ移植されたとされています。天災の影響によってか一本は枯れ、残る一本が現存するもののようです。
このコノデガシワの古木のあるの祥應寺公式サイトからのコノデガシワに関する中国の文献についての情報を以下に転載します。
<転載、部分>
コノテガシワは、常緑で葉を落とさず茂る事から「百木の長」として古代中国の歴史書『史記(亀策列伝)』に登場します。
姿は常住不変で長命、長生、長福の象徴として宮殿や寺院の庭園に植栽されてきた歴史があります。
漢の武帝(紀元前110年)の頃、中国山東省に位置する泰山の霊廟で天子が即位する際の封禅の儀が行なわれ、武帝がここにコノテガシワを植えたそうです。
コノテガシワは別名「柏樹子」とも呼ばれ、禅語録『無門関』でも登場します。
<転載、以上>
松と柏(漢語で、柏は、「はく」と発音され、ヒノキ属の総称でした)は、中国では、ショウハク(松柏)と一緒にまとめて表現され、古来長寿と貞節の象徴だったようです。
例:
『荘子』徳充符篇
「命を地に受けたるは、惟(ただ)松柏のみ独り正しく、冬夏 青青(せいせい)たり」
『詩経』「小雅」「鹿鳴之什」「天保」
「松柏の茂るが如く、爾(なんじ)に承(つ)がざる無けん」
『論語』子罕編
「歳寒くして、然る後に松柏の彫(しぼ)むに後るるを知る」