<Wikipediaより、転載>
シキミ属 Illicium はマツブサ科に属する被子植物の属の一つ。本属のみでシキミ科とすることもある。東アジアと北アメリカに隔離分布している。学名はラテン語のillicere("魅了する")に由来する。
【形態】
常緑の低木で、葉は互生し、葉柄を持つ。葉には腺を持ち、独特の香りがある。花は単生する。2-3列に並ぶ花被片を持ち、内側のものは花弁状、外側のものは小さく包葉状になる。少数から多数の雄蘂を持ち、中心に雌蘂がある。果実は集合果で、袋果が星型に並ぶ。種子は袋果の裂開で放出される。種子は厚く油性の胚乳を持つ[5]。
【生態】
湿潤な低木層に生育する。陰性植物で、幾つかの種では強い日光によって葉の白化や壊死が引き起こされることがある。
【利用】
花・葉・香りを楽しむための観賞用樹木とされる種もある。栽培品種も作出されている。
幾つかの種の精油は、香料や駆風薬として用いられるが、シキミの精油には毒性がある。トウシキミは香辛料やワインの香り付けに用いられ、果実はpa-chio-hui-hsiang (八角茴香)の名で漢方薬として、腹痛や嘔吐に対して用いられる。
【分類】
北米に5種程度、東アジアに30種程度存在し、それぞれ単系統群を構成する。以下、代表種のみを示す。
<北米産>
Illicium mexicanum
Illicium floridanum アメリカシキミ - フロリダ州 ジョージア州・アラバマ州・ミシシッピ州・ルイジアナ州
Illicium cubense
Illicium ekmanii
Illicium parviflorum – yellow anise - フロリダ州・ジョージア州・サウスカロライナ州
<東アジア産>
Illicium micranthum
Illicium difengpi
Illicium henryi
Illicium majus
Illicium lanceolatum
Illicium anisatum シキミ
Illicium fargesii
Illicium angustisepalum
Illicium verum トウシキミ
Illicium arborescens アカバナシキミ
Illicium ternstroemioides
Illicium leiophyllum
Illicium dunnianum
【シキミ科】
かつては、本属のみでシキミ科 IlliciaceaeA.C.Sm. (1947) を構成していた。新エングラー体系ではモクレン目に入れられ、クロンキスト体系ではシキミ目のタイプ科であった。
APG植物分類体系ではアウストロバイレヤ目に入れる。APG II (2003)ではマツブサ科に含めてもシキミ科として独立させても良いオプションの科であった。APG IIIではマツブサ科に含められた。
<転載、以上>