<イー薬草ドットコムより、転載>
【薬効】
滋養強壮
強精
腹痛
インポテンツ
リューマチ
冷え症
小児の発育不良
分布生育場所
科名:ウコギ科/属名:ウコギ属
和名:五加/姫五加/生薬名:五加皮(ごかひ)/学名:Acanthopanax sieboldianus
中国原産。日本全国の山野の雑木林や生垣で植栽。
日本全土の山野に自生するヤマウコギ、北海道に自生するエゾウコギ
本州の関東地方南部〜福島県以西、東海地方、紀伊半島、四国、九州の山地 の林内に自生する日本固有種のオカウコギ
見分け方・特徴
幹から刺をもつ細い枝をたくさん出し、枝の端から気根(空中に出る根)が出る特性があります。
葉は互生しますが、短枝には、7〜10枚を束生し、長い葉柄があり掌状複葉で小葉は5枚となっています。
小葉の縁は鋸歯状です。雌雄異株で5月頃に葉の脇より、長さ5〜10センチの花柄を出し、その先端に黄緑色の小花を半球形にたくさん付けます。果実は球形で、熟すと黒くなります。
採集と調整
新芽が出る前の、3月頃に根を掘り採り、水洗いして皮をはがして天日で乾燥します。乾燥するにつれて皮は管状に丸くなります。これが生薬の五加皮(ごかひ)です。
使用に際しては、刻んでおきます。根皮のほかに春の若葉を乾燥させたものや、花や茎を乾燥させて用いることがあります。
薬効・用い方
下半身に作用する鎮痛および強壮薬で、関節リューマチ、足腰の疲労、インポテンツ、遺尿、小児の発育不良、疝気(せんき)、腹痛などに用います。
五加皮を1日量10〜15グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、食間か食前に服用します。腰痛や下腹痛には、1日量乾燥した葉15グラムか、葉、茎、根皮を混ぜたもの20グラムを同様に煎じて3回に分けて服用します。
乾燥した葉15グラムか、葉、茎、根皮を混ぜたものを20グラムを1日量として同様に煎じ腰痛や下腹痛に用います。
ウコギ酒:
ウコギ酒は、五加皮(ごかひ)のほかに川(せん)きゅう、当帰(とうき)などを加えた醸造酒です。ウコギ酒は五加皮(ごかひ)100グラム、砂糖100グラムを加え、それに1.8リットルのホワイトリカーを加えて密封して、冷暗所に貯蔵します。
約1ヶ月で飴色となりますが、熟成には3ヶ月が必要で、材料を引上げ布でこします。
これは、果実酒とのカクテルで飲むと、強壮及び鎮痛の作用があり足腰の冷え、疼痛(とうつう)、インポテンツなどに効き目があります。
五加皮(ごかひ)のほかには、今年伸びた茎以外の幹、茎、果実も同様にホワイトリカーに数ヶ月漬けてから飲むことができます。いずれの場合も特有の臭いがあり、琥珀色に仕上がります。
ウコギ茶:
ウコギ茶は、ウコギ、クコ葉、番茶の葉を同量ずつ混ぜたものをお茶代わりに飲むもので、強精、疲労回復に効果があるとされています。
古くから強壮食としても利用されたもので新芽、新葉をとり、てんぷら、おひたし、からしあえにしたり、若芽、若葉を摘み取り蒸して乾燥させて、よくもんで細かくして、焼塩を混ぜてごはんにふりかけて食べます。
主成分:
エレウトロシド、フェニルプロパノイド、リグナン、クマリン、庶糖、ポリサッカライド、トリテルペノイド・サポニン、グルカン
その他
五加皮(ごかひ)酒は、不老長寿の薬酒としてもよく知られています。これは、ウコギの根皮をはいで乾燥したものが五加皮(ごかひ)です。これを、煎じて、その煎じ汁に麹(こうじ)を加えて醸造したものです。
中国の古書「神農本草経(しんのうほんそうきょう)」の上品に収載されています。
ウコギは、ヒメウコギとも呼ばれ、中国原産で日本には古く渡来したものです。
日本産でよく似たものに、葉の下面に絨毛(じゅうもう)があって花が頭状に密集するケヤマウコギと、葉がウコギより厚く膜質で、小葉は広く先端がやや鈍く、子房が2室のヤマウコギがありますが、生薬の原料としてはウコギに劣ります。
2009年NHK大河ドラマの「天地人/直江兼続」は関が原敗戦後、徳川家康の命により、上杉家の米沢移封に伴い執政として米沢藩30万石を作り上げた。
そのとき、食用にもなるウコギ(うこぎ)を生垣にと栽培を奨励した。
山形県米沢市には現在もウコギを使った料理が受け継がれている。米沢で現在も栽培されているのは、「ヒメウコギ」のようです。
<転載、以上>