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<Wikipediaより、転載>

シナノキ属(シナノキぞく、学名:Tilia、和名漢字表記:科の木属、級の木属)はシナノキ科の属の一つ。
新しいAPG植物分類体系ではアオイ科に含める。

【特徴】

落葉高木。葉は互生し、葉先は細くとがり、基部はゆがみ、縁に鋭い鋸歯がある。しばしば葉や茎には星状毛がある。托葉は膜質になり、早く落ちる。葉と葉身の境が明確な葉柄がある。葉柄の基部の側方から集散花序を伸ばし、花をつける。狭長楕円形の総苞葉が目立ち、総苞葉の中部以下が花序の軸と合着し、果期に果序が落下する際には、合着した総苞葉とともに枝から離れるため、総苞葉がプロペラとなって種子散布に役立つ。

花は両性。萼片は5個。花弁は5個。雄蕊は多数あり離生する。花弁の内側に、ふつう5個の仮雄蕊がある。子房は5室あり、各々に2個の胚珠がある。花柱は細く伸び、柱頭は浅く5裂する。果実は球状または楕円形の堅果になり、裂開しないで中に1-2個の種子が入る。

【分布】

北半球の温帯に分布し、約30種知られ、日本には数種分布する。

【種】

【日本に分布する種】

ブンゴボダイジュ Tilia chinensis Maxim. var. intonsa (E.H.Wilson) Y.C.Hsu et R.Zhuge - 日本では、大分県の山地にまれに生育する。

シナノキ Tilia japonica (Miq.) Simonk. - 日本固有種。北海道、本州、九州に分布し、山地に生育する。

シコクシナノキ(ケナシシナノキ) Tilia japonica (Miq.) Simonk. var. leiocarpa Nakai - 四国の山地に生育する。

ヘラノキ Tilia kiusiana Makino et Shiras. - 本州の紀伊半島・中国地方、四国、九州に分布し、山地に生育する。

マンシュウボダイジュ Tilia mandshurica Rupr. et Maxim. var. mandshurica - 環境省の絶滅危惧IA類(CR) に選定されている。日本では、岡山県、広島県、山口県に分布し、高地の谷間などの冷涼地にまれに生育する。日本以外では、朝鮮半島、中国大陸(北部、東北部)に分布する。

ツクシボダイジュ Tilia mandshurica Rupr. et Maxim. var. rufovillosa (Hatus.) Kitam. - 環境省の絶滅危惧IB類(EN) に選定されている。日本では、大分県の九重山周辺にまれに生育する。日本以外では朝鮮半島にも生育する。

エチゴボダイジュ Tilia mandshurica Rupr. et Maxim. var. toriiana T.Yamaz.

オオバボダイジュ Tilia maximowicziana Shiras. - 北海道、本州の東北地方、北陸地方、関東地方北部に分布し、山地に生育する。

モイワボダイジュ Tilia maximowicziana Shiras. var. yesoana (Nakai) Tatew. - 北海道、本州の東北地方に分布し、山地に生育する。ときに本州中部地方北部にも見られる。

ボダイジュ Tilia miqueliana Maxim. - 中国原産で、日本ではよく社寺に植栽されている。

ノジリボダイジュ Tilia × noziricola Hisauti - シナノキとオオバボダイジュの交雑種と考えられ、長野県と新潟県に見られる[3]。

【上記以外の主な種】

アメリカシナノキ Tilia americana L.
アムールシナノキ Tilia amurensis Rupr. var. amurensis
フユボダイジュ Tilia cordata Mill.
タケシマシナノキ Tilia insularis Nakai
モウコシナノキ Tilia mongolica Maxim.
ナツボダイジュ(ヨウシュボダイジュ、セイヨウボダイジュ) Tilia platyphyllos Scop.
セイヨウシナノキ Tilia × europaea L.(シノニム:Tilia × vulgaris Hayne)

【学名の由来】

属名の Tilia は、ボダイジュに対するラテン語古名。語源は ptilon「翼」で、翼状の総苞葉が花序の軸と合着しているようすから。

<転載、以上>
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シナノキ属(Tilia)