<イー薬草ドットコムより、転載>
薬効
肝炎
腎炎
膀胱炎
尿道炎
小便不利
口内炎
分布生育場所
科名:シソ科/属名:ウツボグサ属
和名:空穂草/靱草/別名:夏枯草(かごそう)/学名:Prunella vulgaris subsp.asiatica
日本全土の日当たりのよい山野の草地、路傍に多く自生。
多年草で普通は群生します。東アジアかの寒帯から温帯にかけて広く分布しています。
栃木県金精峠のミヤマウツボグサ、本州中部以北の亜高山、高山のタテヤマウツボグサ、新潟県柏崎市米山山頂のミヤマウツボグサ
見分け方・特徴
ウツボグサの、茎は四角で高さ30センチ位になり、基部からは走出枝が出てふえます。
葉は対生し、全株に白く粗い毛が密生しています
ウツボグサの花は、6月〜7月頃に茎頂に紫色の唇形花を穂状につけ、真夏に花穂のみが枯れたように、褐色に変わります。
これは結実するためですが、そのため夏枯草(カゴソウ)の名前が付けられています。
花後、地面に接した部分が四方に枝を分岐して、その枝が地をはって広がり、先端が翌年の苗となるので、すぐに大きな群落となります。
ウツボグサの栽培は容易で、やや湿った排水のよい肥沃な場所によく生育します。また、群生して花茎が叢生(そうせい)するので花壇にも向きますが、花は咲いたあとにすぐ枯れてしまいます。
採集と調整
ウツボグサは、8月初旬、花穂が褐色になり始めたころ、花穂のみを採取して日干しにして、よく乾燥させます。
これが生薬で夏枯草(かごそう)といいます。
薬効・用い方
有効成分:トリテルペンのウルソール酸、その配糖体プルネリン、多量の無機物質・塩化カリウム、タンニンなどを含有
夏枯草(かごそう)は、消炎性の利尿剤として腎臓炎、膀胱炎、るいれきなどに効果があるとされます。
夏枯草(カゴソウ)1日量10グラムに、0.5リットルの水を入れて、煎じながら約半量まで、煮詰めたものをこして、3回に分けて食間に服用します。
夏枯草(かごそう)は、タンニンが多く、夏枯草(かごそう)だけを長期間連用すると胃を刺激するために、胃弱の人は服用に際しては注意が必要になります。
夏枯草(かごそう)に大棗(たいそう)を加えたものは急性黄疸性肝炎に用いると効き目があるとされます。
暑気払いに、夏枯草(カゴソウ)を刻み、茶剤として用います。適当量の水を加えて、沸騰したら火をおとして、お茶代わりに飲用します。
外用には口内炎、へんとう炎に、夏枯草(カゴソウ)3〜5グラムを、0.3リットルの水で煎じ、煎汁でうがいをします。
結膜炎の洗眼液として、上記の煎汁を脱脂綿でこして用います。この場合には常に新しく、調整したものを用いるようにします。
ウツボグサの生の葉を潰して打撲傷などの患部に塗る。または葉を煎じて塗る。
その他
ウツボグサの名前の由来は、ウツボグサの花穂(かすい)の形が「うつぼ」という矢を背負って入れる靱(うつぼ)という道具に似ていることからつけられました。
また、夏枯草(カゴソウ)は8月ころの真夏に花穂(かすい)だけが急に変色して褐色になり、まさに枯れたようになるために夏枯草(かごそう)の名前があります。
漢名の夏枯草(かごそう)は、そのまま中国でも名がついたものです。
ウツボグサによく似たものに高山に生育するタテヤマウツボグサ、北海道や本州北部に自生するミヤマウツボグサがありますが、これらも同じように薬用に用いることができます。
<転載、以上>