<やさしいエンゲイより、転載>

■栽培カレンダー


【季節・日常の手入れ】

徒長枝の剪定

ロウバイはその年にのびた枝に花芽を付けます。しかし、勢いよく伸びた枝や、間延びした長い枝にはほとんど花芽を付けずに、枝や幹の基部に付く短い枝に花芽を付ける性質があります。ですから長くのびた枝は落葉後すぐか、花後につけ根から20cmほど残して、短く切りつめます。

ふところ枝の剪定

ロウバイは短い枝を内側に向けて密生して生やします。短い枝であっても木の内側に向かってのびている枝は光をさえぎり株元まで充分日光が当たらない原因にもなりますので切りつめます。

その他の剪定

花が付いた枝はその後、5〜6年くらいで短く切りつめます。

ひこばえ

根元から「ひこばえ」と呼ばれる長くて勢いのある枝がたくさん出てきます。2〜3本を残してあまり大きくならないうちにかき取ってしまいましょう。 ひこばえは樹形を乱すだけでなく、株の栄養を消耗させる枝です。たくさん発生すると今までの充実した枝や幹の勢いを弱める恐れがあります。

剪定メモ

●本年出た長く伸びた枝、間延びした枝→花芽がほとんど付かない→根元から20cmほど残して切る
●内側に向かって伸びる短い枝→樹形を乱したり日光をさえぎる原因→切りつめる
●ひこばえ→樹形を乱す、株の勢いを衰えさせる→2〜3本残して早めにかき取る
●花後に長くのびた枝→5〜6年後に枝の更新をはかるために切りつめる


【日当たり・置き場所】

特に場所を選ばずによく育ちます。半日陰の場所でも育ちますが、花付きはよくありません。できるだけ日当たりのよい場所で育てた方が花もたくさん見られます。
日本の気候によく合った樹木で、冬の寒さや夏の暑さにとりたてて気を使う必要はありません。

【水やり・肥料】

植え付けて根付くまでは乾燥させないように気を付けましょう。
肥料は油粕と骨粉を同量混ぜ合わせたものを株元に1〜2握り施します。肥料を行う時期は2月下旬〜3月上旬、8月下旬の年2回です。チッソ分の多い肥料を与えると枝が間延びしたり葉が必要以上に茂る原因ともなるので気を付けましょう。

【用土】

土がやや過湿になるような環境の場所ではあまりよく育たず、葉がしおれるような障害を起こすことがあります。かといって乾燥しすぎる場所もよくありません。水はけのよいことが大切なので、植える場所には腐葉土をたっぷり混ぜ込んでおきましょう。

【植え替え・植え付け】

植え付けは落葉時期に行いますが、厳寒期は枝枯れする可能性があるので、避けた方がよいでしょう。植える場所にはあらかじめ堆肥や腐葉土を充分に混ぜ込んでおきます。植える穴は苗に対してやや大きめに掘り、株元がまわりの地表よりやや高くなるように山高に植え付けます。株元に水がたまらないよう、水はけをよくするためにそのように植え付けます。植え付け後は極端な乾燥を避けるためにワラや不織布などで株元を覆ってやるとよいでしょう。
庭などに植え付けてしまうと、移植するのは難しい樹木です。どうしても必要に駆られて移植しなければいけない場合は、一年くらい前から根回しを行う必要があります。

根回し

樹木の根を切る(植わっている状態でスコップなどを土にさして断ち切る)ことにより、そこから新しい根を発生させて、植え替え後も根付きやすくさせるための作業です。そのまま植え替えても根付きにくい植物に対して有効です。

【ふやし方】

タネまきと接ぎ木でふやすことができます。ソシンロウバイは接ぎ木でふやしても特に生育に問題はありませんが、普通のロウバイは接ぎ木でふやすと花付きがまばらになることがあります。

接ぎ木は基本的に「呼びつぎ」で行い、台木にはタネから育てた3〜4年生の株を使用します。作業の適期は3月頃です。

よびつぎ


タネまきは夏〜秋頃に果実ができるので、その中のタネを取りだしてすぐまきます。秋にまくと、年内には発芽します。苗は寒さに弱いので、霜や風の当たらない場所で育てます。生長は早く2年くらいで30〜60cmの大きさになります。

【かかりやすい病害虫】

特にありません。

まとめ
 
一度植え付けたら移植は困難
植え付けは落葉時期に行う
長く伸びた枝には花芽はほとんど付かない


<転載、以上>
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ロウバイ属ロウバイ(Chimonanthus praecox)