<Wikipediaより、転載>

黒文字

和菓子を供するときに、菓子を切ったり口に運ぶため楊枝をつけることがある。この場合は一般的な丸型の爪楊枝ではなく、樹皮付きで角型の大振りな楊枝が用いられる事が多い。この楊枝は現在においても黒文字と呼ばれる。

こちらは高級感を出す意図もあるのか、一本ずつ紙製の鞘がついているものもあり、使用する際に鞘から引き抜いて使う。形状的には柔らかい和菓子を押し切る形で、大口を開けずに一口に収まるよう切り分けることにも使われることから、先端部はややへら状に薄くなっている場合もある。

<転載、以上>


雨城楊枝

千葉県君津市久留里では、古く江戸時代から、このクロモジの楊枝を特産品としていた。久留里藩の藩士が貧しさをしのぐため、内職として楊枝を作っていたらしい。昭和初期になって、藩城の異名である雨城の名を使った、「雨城(うじょう)楊枝」の名で売られ、千葉県の伝統工芸品になっている。

雨城とは、築城後3日に1回は雨が降り(「久留里記」)、戦のときにも長雨が続き、敵の攻撃を受けにくかったためについた名とされる。
初めは上総武田氏が築城するが、里見八犬伝で有名な里見氏が戦国時代を治め、その後藩主は何回か代わり、最後は黒田氏が幕末までを治めた。城は1872年の廃城令によって解体された。
途中、土屋氏の治世時に後の儒学者新井白石が、二代目藩主に仕えて青年期をこの久留里城で過ごしたという逸話がある。

<以上>