【花の形での区分】
<参考図書:「ものと人間の文化史 桜Ⅰ」>
1)桜の花の花弁や雄しべ、雌しべの数で見る形態区分
基本的な桜の花は、
花弁の数は、ヤマザクラなどの野生種で見ると、
花弁5個、雄しべ30~40個、雌しべ1個となり、この形態を「一重咲き」
といいます。これに対して、なんらかの原因で雄しべや雌しべ、または萼が花弁になる品種が誕生して、八重咲きなどとなることがあります。このことで品種を区分していく場合が、形での区分です。詳細は、以下の通りです。
一重咲き:花弁が5個
●代表的な品種:桜の品種の過半数を占めます
山桜、大島桜、染井吉野、衣通姫(そとおりひめ)、狩衣(花弁が5個)
嵐山(花弁が5~7個)など
半八重咲き:花弁が7~10個
●代表的な品種:ほとんど稀な品種
薄重大島、有明、思川桜(花弁が7~10個)、浅黄(花弁が7~20個)、大提灯(花弁が5~12個)
八重咲き:花弁が11~60個
●代表的な品種:品種全体の1/3程度
簪(かんざし)桜(花弁が17~20個)、熊谷(花弁が22~25個)、泰山府君(花弁が35~40個)、関山(花弁が40~50個)、一葉(花弁が20~28個)、渦桜(花弁が30個前後)
菊咲き:花弁が100~380個もあり菊の花のような姿
●代表的な品種:全品種の5%程度
兼六園菊桜(花弁が300~350個)、名島桜(花弁が100~150個)、福桜(花弁が90~150個)
<以上>