アリストテレスの植物学を受け継ぎ、まとめた「テオフラストス(テオプラストス)」とはどんな人物だったのでしょう?

<Wikipediaの「テオプラストス」から、転載>

テオプラストス
(希: Θεόφραστος, ラテン文字転記:Theophrastos, 英: Theophrastus、紀元前371年 – 紀元前287年)は古代ギリシアのレスボス島生まれの哲学者、博物学者、植物学者である。彼は植物学の祖とも呼ばれており、アリストテレスの同僚で、友人で、逍遙学派の主要人物の一人であった。

来歴

テオプラストスはレスボスのエレソスで生まれ、若くしてアテナイに学びに来た。初めはプラトンの創設した学校アカデメイアで学んだ。プラトンの死後、テオプラストスはアリストテレスに接近し、共に研鑽を重ねた。アリストテレスはテオプラストスに自らの著作を遺贈し、リュケイオンの次期学頭に指名した。テオプラストスはリュケイオン・逍遙学派を35年間運営し、成長・繁栄させた。テオプラストスが死ぬと、アテナイ人は彼を国葬してその栄誉をたたえた。彼の次の学頭の地位はランプサコスのストラトンが継承した。

業績

テオプラストスは兄弟弟子のロドスのエウデモスと共にアリストテレスの学説を敷衍・校正し、アリストテレスの論理学を改良した。彼らは様相概念を研究し、可能を偶然と区別するなど可能の概念を明確化した。

著作

厖大な著作を著したが、大半は失われた。現存するのはわずかであり、例えば次のような書である。

『植物誌』および『植物原因論』
(植物を体系的に論じた書。欠落もなく、ほぼ完全に伝わっている)
『人さまざま』
(人間の性質、生き様を軽妙に、ユーモアを込めて描いた作品。後世、これを模倣した作品も多い)
『自然学者たちの教説』
(テオフラストス以前の哲学の歴史を体系的に記述した書で、かつては影響が大きかったという。が、現在では断片が伝わるのみ)

邦訳著作

小川洋子訳、『植物誌〈1〉』
京都大学学術出版会、2008年(全三冊の出版予定で一分冊目は1から3巻までを収録)

森進一訳、『人さまざま』
岩波書店、2003年/吉田正通訳、『人さまざま』、一穂社、2008年

<転載、以上>

テオプラストスの植物学は、主に「植物誌」を研究する必要がありそうです。
小川氏の訳書から、この「植物誌」には、
テオプラストスの生涯、伝承史、主要写本・刊本の解説、研究史の通覧、構成・概要の説明、主要論点解説(1−3巻までの)、植物の同定とその表記方法、そして詳細な文献リスト。これらの事項が100ページ以上にわたって書かれているようです。また、Wikipediaには記載されていませんが、大槻真一郎と月川和雄氏の訳本が八坂書房からも1998年に出版されています。このサイトではこの訳本を参考しました。

次の項目以降では、この訳書からの情報を元に古代ギリシャの植物に関する話題を含めて、その園芸文化を取り上げていきます。
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