学べるのは、自然、それとも自然保護

東京都庁の自然・環境についての考え方を発見する
まず、地方自治体としての「東京都庁」の自然や環境についての知識を得ることが必要です。
東京都のホームページにあるこちらの「緑の保全と自然環境の保護」のコーナーをご覧ください。都の施策や計画を知ることができます。
ここでは、自然(地理、植生)についての知識というよりは、自然を保護、保全するための知識という点であることがわかります。

学校での環境学習のために

【東京都庁の取り組み】
上記コーナーの中にある「環境学習」のコーナーから情報を得ることができます。

簡単にこのコーナーの内容を説明しておきましょう。
まず、東京都がこの環境学習の目的として掲げているものです。このコーナーの冒頭の一文にその目的が記述されています。以下にご紹介します。

(東京都環境局の環境学習コーナーより、転載)
環境局では、東京の温室効果ガスを2020年までに2000年比で25%削減することを目標としておりますが、家庭部門の二酸化炭素排出量は増加傾向にあります。
そこで、児童や生徒が環境について学び、考え、行動する契機となる環境学習が家庭での環境配慮の大きな鍵となることに着目し、環境学習事業を強化してくことにしました。
(転載、以上)

「家庭での環境配慮の大きな鍵」ということでした。環境局が考える、あくまで「エコ推進」という視点での環境学習が唱えられています。本サイトの風土学習、地域の発見という要素は二次的なものとなります。時勢から、いたしかたないのでしょう。
さらにこの環境学習を進めていく内容としてのいくつかの事業項目が続きます。以下にご紹介します。

(環境学習トップページより、転載)
1)キッズISO14000プログラム (入門編)普及事業

2)小学校教職員を対象とする 環境教育研修会
●研修会概要
●研修内容
●開催状況
●これから研修を受講される方へ

3)社会人向け環境学習講座

4)環境学習リーダー

関連ページの紹介
●こどもエコクラブ
●「アクション7」(エコワット・チェックシート無料配布)のご案内
●くらしと環境 学習Web
(転載、以上)

2010年までは、これらを支援する「環境パートナーシップ」という制度がありましたが、今は、上記のように「環境学習リーダー」という制度があり、各団体でこうした学習を支援する役割を担う人を案内しています。

「東京都の環境学習の方向性」

以上のように見てくると、東京都がすすめる「郷土学習」は、自然豊かな地域(都内では、桧原村などをクローズアップ)を体験し、自然の素晴らしさから、環境の大切さにつなげ、エコライフを体験していくという過程で学習を進めているのが解ります。
上記のWebからの転載でご紹介した「くらしと環境 学習Web」にある環境教育カリキュラムは、こうした試みをどのように小中学校教育に取り入れて欲しいかという自治体の考え方を明確に知るのに便利です。

こちらからご覧ください。

○環境問題への理解、住民協力による環境対策の推進
が主目的のようです。郷土学習から、どのようにすれば、環境教育へとガイドしていけるだろうかをという工夫が随所に見られます。

本来的な「地理学習」「郷土・地域学習」は、入口であっても目的ではなく、本来の目的は、「総合的な学習」での環境教育への到達であるようです。環境保護やエコアクションなどという一つの方向性へ、郷土学習を利用していく手法として、大変よくできています。
ただ、これだけでは、本来的な「地域・風土への理解促進」にはほど遠いことが明らかです。

手間ひまをかけてできあがった教育プログラムなので、その一部を利用させていただきながら、本サイトでは、
「本来的な郷土・地域学習」
へとガイドしていくために部分的に利用させて頂く予定です。

そうした意味合いで参考にしてみてください。
なんとなく、自治体の考える「郷土教育=環境教育という構造」が理解できたでしょうか。

国では、できない「それぞれの地域・風土」理解ではなく、正に国が求めている「CO²」削減などの環境教育と連動した模範的な、お手本のような地域の教育プログラムの姿を東京都の「環境教育」に見ることができます。

<この項目、了>
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