<参考資料:「公園・神社の樹木ー樹木の個性と日本の歴史(渡辺一夫著)」>

上記の文献では、井の頭公園の樹木を多く取り上げています。別な章での記述にも多く参照させていただきました。

この本の「神田上水の水源だった湧水の池」という章から、江戸後期のこの池の姿を見てみます。

<同書より、転載>

江戸時代の後期には、近郊の名所を訪ねることが、江戸の庶民の間で盛んになっていた。花見の名所である小金井などが非常に有名であったが、井の頭池も江戸近郊の名所として知られており、『江戸名所図会』などの当時の観光案内書で紹介されている。
ただし、当時の井の頭池は、葦(アシ)が生い茂り、枯れ木が池に倒れているような、かなり野性味あふれる場所であったようだ。

<転載、以上>

同書で紹介した『江戸名所図会』は、天保五年(1834年)に発行されています。その画像を下に掲載しておきます。葦だけでなく、周囲や近くの山々には松の林が描かれています。葦、ヨシについては、本サイトの花研究にある、こちらの品種詳細をご覧ください。

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