Wikipedia「簪」より、転載

特殊な簪としては、京都の舞妓や東京の半玉が身につけるつまみ簪(花簪)がある。 花は絹の羽二重や水引細工で作られた色鮮やかなもので、舞妓が付ける花簪は月ごとに決まっており、四季の移り変わりを表現し、その舞妓の芸歴・趣味を反映させる。 舞妓になって一年未満は花の一つ一つが小さく、簪の下に垂れ下がる「ぶら」が付いているが、二年目以降はぶらが取れる。年長になる程花が大振りのものになっていく傾向がある。 現在舞妓用の簪は、京都八坂神社近くの「金竹堂」等、数店が手がけている。

<月ごとの柄(月代わり)>
一月:「松竹梅」或いは「羽子板」「糸車」「寒菊」など。正月(京の花街は15日まで)は「稲穂と鳩」を舞妓は髷の右、芸妓は左につける。鶴亀などを添えることも。鳩の目を意中の人に書いてもらうと恋が成就すると伝えられている。

二月:「梅」(蝶や結び文を添えることも)や他に節分のおばけに付ける「くす玉」「かざぐるま」などもある。(他に水仙を挿すこともある)
三月:「菜の花」(蝶を添えることも) 他に「水仙」「桃」「牡丹」
四月:「桜」 他に「五郎蝶」
五月:「藤」 他に「あやめ(菖蒲)
六月:「柳(撫子の花が付いている)」 他に「紫陽花」
七月:「団扇」祇園祭の期間(の内の7月10日頃〜24日)に付ける「お祭り」(祇園祭)
八月:「ススキ」 他に「朝顔」「花火」
九月:「桔梗」 他に「萩」
十月:「菊」
十一月:「紅葉」 他に「いちょう」
十二月:「まねき」(歌舞伎役者などの名前を記す木の看板)(これに「餅花」の飾りが付いていることも)
顔見世公演の際に楽屋を訪ね贔屓の役者に簪の「まねき」に名前を入れてもらうという慣わしがある。「顔見世まねき」

また、大相撲観戦時に「軍配形」の簪を差すこともある。これも「まねき」同様に立行司に名前などを書いてもらう。
(転載、以上)

赤字は、花かんざしとして、実際に月代わりで見られる柄など取材して、本サイトでWikipediaの情報に追加したものです。
こうした花かんざし以外で舞妓さんの髪を飾るものには、「びら止め」「びらかんざし」「玉かんざし」などがあります。

次の章では、こうした京都(東京の例は別な章で考察します)の月代わりに季節の象徴として取り上げられた「花」の由来を探ることで京都というエリアとその花文化を調べていきます。その上で重要なことは、この花簪が上記説明にもある「四季の移り変わりを表現し、その舞妓の芸歴・趣味を反映させる」という点です。
特に季節の移り変わりは、花の時期ですから当然として、重要な点は、その舞妓の芸歴・趣味を反映させるという点です。次の章ではこの点をより掘り下げてみたいと思います。

機会があれば、花簪屋の「金竹堂」も取材してみたいと思います。