アメリカ(United Stats of America)は、歴史的な移民の国であるがゆえにその園芸文化の変遷を捉え、研究していく必要があります。
1)場所としては、北米大陸にあることで先史時代からのカナダやアメリカの北米先住民族文化に影響を受けていると考えられます。中南米の新石器時代のインカ、アステカの園芸文化は、途絶え、北米には伝わらなかったと考えられますが、インディアンなどの生活文化における花、園芸の可能性を調べてみたいと思います。
2)また、西ヨーロッパ文化圏からの移住者の国である民俗文化としてのアメリカ園芸文化は、イギリスやフランスの園芸文化の影響下にあります。その意味では、西欧の第二次園芸センターともなるエリアといえます。西ヨーロッパとの文化交流がこのエリアにとって大きな研究すべき題材となります。
3)さらに独立後の時代は、上記の先史時代やイギリスなどの西欧の影響下から、アフリカや中米からの移住者による移民の民族文化の影響をうけるようになります。さらに現代にいたっては、日本や中国などからの移民たちの園芸文化の影響も受けました。こうした様々な移民が持ち込んだ園芸文化の影響下でさらに、変化や重層化をしてきたと考えられます。
アメリカ園芸文化研究は、その時代ごとに細かく区分して、進めていく必要があります。もちろん、現代を扱う場合は、世界の園芸文化とのネットワークをも視野にその園芸文化を研究していくつもりです。