以下の情報は、主に「神奈川県史」を参考にしています。

一般的に帰化植物の出入は、主として国際的なにんげんかつどうの活発化と自然への干渉の強化によって生ずるとされています。
神奈川県の場合は、特に早くから海外に向けて、横浜、横須賀という海外貿易の盛んな港湾が立地しており、帰化植物の侵入の可能性も歴史的に高いといえます。
港湾の場合、人間と貨物巣の出入が激しく、港湾設備の周辺には建設中の空閑地などもあって、諸外国から無意識にもたらされた植物の種子や苗条が侵入し、定着に好都合な環境となってきたと考えられます。さらにそれらが、鉄道や道路などを経由して各地に分散されます。
鉄道草などと呼ばれる種群(ヒネジョオン、ヒメムカシヨモギなど)はその典型例です。
帰化植物の侵入は、輸入穀物、羊毛、牧草や緑化用植物種子などに混入され、またときには観賞用として導入され、直接国内の各地に分散されます。
諸外国から研究用に移入され、それが逸出する例としては、植物園や畜産関係の研究場があります。また、街中の豆腐屋付近に輸入ダイズに混入されていた植物(オオブタクサやアレチウリなど)がそこを発生源として河川に沿って分布域を広げてしまう例も知られています。

また帰化植物がやってくる原産地は、全世界におよびますが、主に北欧や北アメリカの温帯地方を主とする北方系種と、熱帯アジア、アフリカを主とする亜熱帯から熱帯にかけての南方系の種に大別されます。

以下の章では、それぞれ、南方系、北方系の帰化植物の品種概要や近年、特徴的に増えてきている品種なども紹介していきます。