<Wikipediaより、転載>

夏至(げし)は、二十四節気の第10。一年で最も日照時間が長い。五月中(旧暦5月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が90度のときで6月21日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とし、日のほうは夏至日(げしび)と呼ぶ。恒気法では冬至から1/2年(約182.62日)後で6月22日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の小暑前日までである。
西洋占星術では、夏至を巨蟹宮(かに座)の始まりとする。

季節

日本の大部分では梅雨のさなか。北半球では一年中で一番昼が長く夜が短い日である。
『暦便覧』には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記されている。

日付
年 日時 (UT) 日本 中国
1984年 6月21日05:02 6月21日 6月21日
1985年 6月21日10:44 6月21日 6月21日
1986年 6月21日16:30 6月22日 6月22日
1987年 6月21日22:11 6月22日 6月22日
1988年 6月21日03:57 6月21日 6月21日
1989年 6月21日09:53 6月21日 6月21日
1990年 6月21日15:33 6月22日 6月21日
1991年 6月21日21:19 6月22日 6月22日
1992年 6月21日03:14 6月21日 6月21日
1993年 6月21日09:00 6月21日 6月21日
1994年 6月21日14:48 6月21日 6月21日
1995年 6月21日20:34 6月22日 6月22日
1996年 6月21日02:24 6月21日 6月21日
1997年 6月21日08:20 6月21日 6月21日
1998年 6月21日14:03 6月21日 6月21日
1999年 6月21日19:49 6月22日 6月22日
2000年 6月21日01:48 6月21日 6月21日
2001年 6月21日07:38 6月21日 6月21日
2002年 6月21日13:24 6月21日 6月21日
2003年 6月21日19:10 6月22日 6月22日
2004年 6月21日00:57 6月21日 6月21日
2005年 6月21日06:46 6月21日 6月21日
2006年 6月21日12:26 6月21日 6月21日
2007年 6月21日18:06 6月22日 6月22日
2008年 6月20日23:59 6月21日 6月21日
2009年 6月21日05:46 6月21日 6月21日
2010年 6月21日11:28 6月21日 6月21日
2011年 6月21日17:16 6月22日 6月22日
2012年 6月20日23:09 6月21日 6月21日
2013年 6月21日05:04 6月21日 6月21日
2014年 6月21日10:51 6月21日 6月21日
2015年 6月21日16:38 6月22日 6月22日
2016年 6月20日22:34 6月21日 6月21日

定気法による夏至の瞬間(世界時)と、日本・中国での夏至日の日付は表のとおり。日本における時刻はこの表の9時間後となる。
年 年を4で割った余り

0 1 2 3
1800年 - 1815年 22日 22日 22日 22日
1816年 - 1843年 21日 22日 22日 22日
1844年 - 1875年 21日 21日 22日 22日
1876年 - 1899年 21日 21日 21日 22日
1900年 - 1903年 22日 22日 22日 23日
1904年 - 1935年 22日 22日 22日 22日
1936年 - 1963年 21日 22日 22日 22日
1964年 - 1991年 21日 21日 22日 22日
1992年 - 2019年 21日 21日 21日 22日
2020年 - 2055年 21日 21日 21日 21日
2056年 - 2083年 20日 21日 21日 21日
2084年 - 2099年 20日 20日 21日 21日
2100年 - 2111年 21日 21日 22日 22日
2112年 - 2139年 21日 21日 21日 22日
2140年 - 2175年 21日 21日 21日 21日
2176年 - 2199年 20日 21日 21日 21日

グレゴリオ暦による19世紀から22世紀までの日本の夏至は表のとおり 。 2015年の夏至は6月22日。
365日からの超過分が毎年蓄積し、 4年に一度閏年でリセットされる様子が分かる(夏至は閏日の挿入される2月末日より後のため、 4で割り切れる年が先頭)。
1904年 - 2055年には6月21日か6月22日だが、1903年(過去に1度のみ)は6月23日で、2056年からは6月20日もある。


天文

春分から秋分までの間、北半球では太陽は真東からやや北寄りの方角から上り、真西からやや北寄りの方角に沈む。夏至の日にはこの日の出(日出)・日の入り(日没)の方角が最も北寄りになる。また、北回帰線上の観測者から見ると、夏至の日の太陽は正午に天頂を通過する。夏至の日には北緯66.6度以北の北極圏全域で白夜となり、南緯66.6度以南の南極圏全域で極夜となる。
なお、1年で日の出の時刻が最も早い日および日の入りの時刻が最も遅い日それぞれと、夏至の日は一致しない。日本では、日の出が最も早い日は夏至の1週間前ごろであり、日の入りが最も遅い日は夏至の1週間後ごろである。
また、南半球では昼と夜の長さの関係が北半球と逆転するため、天文学的な夏至とは別に、慣習的に「一年中で一番昼が長く夜が短い日」のことを夏至と呼ぶことがある。すなわち、南半球が慣習的な意味での夏至を迎える日は北半球での冬至の日に当たる。

風習

北半球では、性欲をかきたてる日とされており、スウェーデンの民俗学者によると、夏至を祝うミッドサマーの祝日から9ヶ月後に生まれる子どもが多いという。ギリシャ北部では、未婚女性がイチジクの木の下に自分の持ち物を置くと、夏至の魔法により将来の夫の夢を見るという伝承がある。ポーランドではスラブ民族の祝日、「イワン・クパラの日」の夜には、人々が恋に落ちるという言い伝えがある。イギリスのストーンヘンジでの夏至祭りは、ドルイド教に由来し、男性神、女性神の出会いを祝う意味があると言われている。
尾張地方の一部で夏至の日に無花果田楽を食べる風習がある。
大阪の一部では夏至から半夏生(夏至から11日目)までの間にタコを食す習慣がある。稲の根がタコの八本足のように深く広く張ることを祈願するもの。
関東地方では新小麦で焼餅をつくり神に供える風習がある。

七十二候

夏至の期間の七十二候は以下のとおり。

初候
乃東枯(ないとう かるる)
夏枯草が枯れる(日本)
鹿角解(しかの つの おつ)
鹿が角を落とす(中国)

次候
菖蒲華(しょうぶ はなさく)
あやめの花が咲く(日本)
蜩始鳴(せみ はじめて なく)
蝉が鳴き始める(中国)

末候
半夏生(はんげ しょうず)
烏柄杓が生える(日本・中国)

<転載、以上>

◆乃東枯について◆

「乃東枯」と書いて、なつかれくさかるると読みます。

乃東とは漢方薬に用いられる夏枯草の古名で、ウツボグサ(靫草)のことをいいます。
紫色のきれいな花で、田んぼの畦や草地でよく見掛ける草です。この草は、冬至の頃に芽を出して夏至の頃に、花穂が黒色化して枯れたように見えます。草木が生命活動を謳歌し、繁茂する時季に、この草だけが枯れたように見えることから「乃東枯」と呼ばれるようになりました。

●ウツボグサに関する本サイトの研究カテゴリーは、こちらから。

<この項、続く>