前の章で御紹介した。伊藤伊兵衛政武は、1719年により詳しい園芸書を発行します。それが
「広益地錦抄」です。
花壇地錦抄(1695)、増補地錦抄(1710)をさらに増補する形で刊行された地錦抄四部作第三の書。新たに薬草類も加え、約500種の園芸植物を記録。培養の秘伝をも語っています。
<詳細は、後日掲載>
この中では、全体の小さい品種(矮小性)の品種などを紹介しています。
<以下、転載部分>
ウズ(渦)ギキョウ
葉は縮れて不揃いな尖鋸歯(せんきょし)があり、花は小さくて淡紅色をしている。
モン(紋)ギキョウ
花冠がひらいて放射状に咲く品種。
錦二重 ニシキフタエ
八重咲きで白に青紫の班があるもの。
浅黄扇キキョウ
花冠が浅黄色で、14裂片になっている品種。
紫千重キキョウ
るり色の八重、九重、十重に咲く品種。
<転載、以上>
などの品種が見られます。花壇地錦抄以後にさらに品種改良が進んだことが伺えます。