ナデシコ属の学名(Dianthus)は、
ギリシア語の
ディオス(dios、神)
アントス(anthos、花)
からきています。

地中海沿岸に多く原生することからもヨーロッパでのその花としての歴史はかなり古く、ヨーロッパ各国での呼び名も。
この章では、各国での命名についてご紹介します。

まずは、ヨーロッパ言語の基礎となっているラテン語です。

ラテン語では、
dianthus(ディアントゥス、またはディアントゥース)です。
正式な学名は、
Dianthus superbus L. var. longicalycinus (ディアンツス・スペルブス・ロンギカリキヌス、またはディアントゥス・スペルブス・ロンギカリュキヌス)です。
このラテン語からの変化で近いのは、現代ギリシア語です。

現代ギリシャ語:διανθος
dianthos(ディアンソス)または、
γαριφαλιά(ガリファリア)と呼ばれています。

以下、欧米各国の呼び名をご紹介します。

●英語
pink(ピンク):撫子の淡紅色をそのまま、呼び名にしています。

ヨーロッパでのナデシコは、もっともポピュラーなカーネーションという表現と同じです。ナデシコ属の代表選手がカーネーションなのでこうした呼び名になります。以下の呼び名は「カーネーション」の各国語と思ってください。

●ドイツ語
Nelke、Nelken(ネルケ、ネルケン)

●オランダ語
anjer(アンヤー)

●フランス語
œillet(ウイエ)

●イタリア語
garofanino(ガロファニーノ)、またはgarofano(ガローファノ)
garofano selvatico(ガローファノ・セルヴァーティコ)


スペイン語とポルトガル語は似通っています。

●スペイン語
clavellina(クラベジーナ、またはクラベリーナ)
clavelina(クラベリナ)

●ポルトガル語
cravo(クラーヴォ)

ちなみにロシヤ、中近東では、以下の通りです。

●ロシア語:гвоздика
(グヴァズヂーカ、またはグヴォズジーカ)

●アラビア語:قرنفل(コロンフル)
やزهر(ザハル)と呼ばれます。


さて、こうした命名やその植物民俗学的な背景は、各国ごとに以下の章で調べていきます。

<この章、了>
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:42 平均点:4.05
カテゴリートップ
風土区分:ヨーロッパ
次
Wikipediaから:西洋におけるナデシコ