<Wikipediaより、転載>
ヘレボルス(学名: Helleborus和名:寒芍薬)は、キンポウゲ科クリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「クリスマスローズ」という呼称は、クリスマスのころに開花するヘレボルス・ニゲル (Helleborus niger) だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス (Helleborus orientalis、ハルザキクリスマスローズ) なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。
【形態・生態】
花に見える部分は、植物学上では「花」ではなく「萼片」という部分である。そのため、鑑賞期間が比較的長い。ただし、本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。多くの品種は、クリスマスのころではなく、春に開花する。
夏は休眠状態となり、根は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。
【分布】
チベタヌス (Helleborus thibetanus) が中国の四川省から雲南省にかけて自生しているのを除けば、15の原種[要出典]の全てが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコ、シリアに自生している。
【人間との関わり】
20世紀後半の品種改良は、主にイギリスでヘレン・バラードやエリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も、「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。
種により成分は異なるが、ジギタリスに似て強心配糖体ヘレブリンなどの毒を葉・根茎に含む。むかしは民間で強心剤・下剤・堕胎薬などとして使われた。摂取すると、嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、呼吸麻痺、めまい、精神錯乱、心拍数の低下、心停止などをひき起こす。また、目や口・のどなどの粘膜がただれたり腫れあがったりする。
【下位分類】
<原種>
Helleborus argutifolius
A Lenten hellebore
有茎種
Helleborus argutifolius(ヘレボルス・アルグティフォリウス) - 鋭い鋸葉をもつの意(Helleborus corsicus)。自生地はフランスコルシカ島、イタリアサルデーニャ島。花色は黄緑。
コダチクリスマスローズ(キダチフユボタン)Helleborus foetidus - 悪臭のあるの意。自生地はイギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなど。花色は黄〜緑、赤のリップが乗ることも。
Helleborus lividus - 青みがかった灰色の意。自生地はスペインマジョルカ島。花色は緑〜小豆色。
<中間種>
クリスマスローズ(フユボタン)Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
H. n. subsp. niger - 黒の意。自生地はイタリア、スロベニア、オー
ストリア、スイス、クロアチア、ドイツ。花色は白〜赤。
H. n. subsp. macranthus - 大きいの意。自生地は上記と混同される。花色は白。
Helleborus vesicarius - 膀胱に似たの意。自生地はトルコ、シリア。花色は緑に海老茶の縞。
<無茎種>
Helleborus abruzzicus - イタリアのアブルッツォ州に由来。自生地はイタリア。花色は緑。
Helleborus atrorubens - 濃赤色の意。自生地はスロベニア、クロアチア。花色は赤紫〜紫〜緑、小豆色、臙脂。
Helleborus bocconei - イタリア人修道士のパオロ・ボッコネに由来。自生地はイタリア、シチリア島。花色は緑〜黄緑。
Helleborus croaticus - クロアチアに由来。自生地はクロアチア。花色は紫〜緑。
Helleborus cyclophyllus - 丸い葉の意。自生地はギリシャ、マケドニアなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus dumetorum - 藪が多い場所の意。自生地はスロヴェニア、ハンガリー、オーストリア、ルーマニア、クロアチアなど。花色は緑、ホワイトエッジ。
Helleborus ligurucus - イタリアのリグーリア地方に由来。自生地はイタリア。花色は緑〜緑白。
Helleborus malyi (Helleborus torquatus Montenegro) - 自生地はモンテネグロ。花色は緑〜紫。
Helleborus multifidus
H. m. subsp. mulutifidus - 多数に分かれたの意。自生地はイタリア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアなど。花色は緑〜黄緑。
H. m. subsp. hercegovinus - ヘルツェゴビナに由来。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナなど。花色は緑〜黄緑。
H. m. subsp. istriacus - イストリア地方に由来。自生地はイストリアなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus occidentails - 西方の意。自生地はフランス、ドイツ、スペインなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus odorus - 香りのよいの意。自生地はハンガリー、スロヴェニア、ルーマニアなど。花色は緑〜黄。
ハルザキクリスマスローズ(ヒメフユボタン、レンテンローズ)Helleborus orientalis(ヘレボルス・オリエンタリス)
H. o. subsp. orientalis - 東洋、東方の意。自生地はトルコ、グルジア、ウクライナ。花色は白〜アイボリー、ピンク。
H. o. subsp. guttatus - 斑点のあるの意。自生地はウクライナ。花色は白〜アイボリー、スポット。
H. o. subsp. abchasicus - アブハジアに由来。自生地はグルジア(アブハジア)。花色はピンク〜紫。
Helleborus purpurascens - 紫色の意。自生地はハンガリー、ルーマニア、ポーランドなど。花色は灰紫。
Helleborus serbicus or Helleborus serbicam (Helleborus torquatus Serbia) - セルビアに由来。自生地はセルビア。花色は紫〜緑。
Helleborus thibetanus - チベットに由来。自生地は中国。花色は白〜ピンク。
Helleborus torquatus - 襟飾りの意。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアなど。花色は緑〜紫、ベイン。
アサギフユボタン Helleborus viridis - 緑色の意。自生地はスイス、フランス、イタリアなど。花色は緑。
【交雑種】
ニゲルXアーグティフォリウスの交配種 バレンタイングリーン
<無茎種の交雑>
ヘレボラス・ヒブリダス Helleborus × hybridus
<自然交雑種>
Helleborus odorus laxus(Helleborus odorus × Helleborus multifidus subsp. istriacus)
<有茎種の交雑>
Helleborus × balladiae(Helleborus niger × Helleborus lividus)
Helleborus × ericsmithii(Helleborus niger × Helleborus × sternii)
Helleborus × nigercors(Helleborus niger × Helleborus argutifolius)
Helleborus × sternii(Helleborus argutifolius × Helleborus lividus)
Helleborus × belcheri('Pink Ice' Helleborus niger × Helleborus thibetanus) - Ashwood Nursery 作出。
Helleborus × ashwoodensis('Briar Rose' Helleborus niger × Helleborus vesicarius) - Ashwood Nursery 作出。
Helleborus × sahinii(Helleborus niger × Helleborus foetidus)
Helleborus × hybridus × Helleborus niger('Snow White')
Helleborus × hybridus × Helleborus thibetanus(Helleborus 'Yoshino')
Helleborus foetidus × argutifolius
【八重咲きの基となった品種】
Helleborus torquatus 'Dido(ディド、ダイドー)' 'Aeneas'(イーニアス)
Helleborus × hybridus 'Mrs. Betty Ranicar'(ミセス ベティー ラニカー)
Helleborus × hybridus 'Insomnia'(インソムニア)
<転載、以上>
【薬用効果】
クリスマスローズは少量なら瀉下(しゃげ)、強心作用がありますが、毒性が強く使用されていません。ヨーロッパで古くには、クリスマスローズが精神病の治療に使用されたといわれています。中世においては、この絞り汁を矢の先に塗り、鹿や狐などの動物を狩る時に使ったり、戦いの時に粉にしたりして敵陣に撒き散らして勝利に導こうとしました。
中毒症状は痙攣、胃粘膜に炎症を起こして嘔吐、心臓に働き呼吸麻痺などが現れます。
【和名と茶花としてのクリスマスローズ】
クリスマスローズは下向きに咲く花の風情から、和名を寒芍薬と呼ばれ、茶席に似合う茶花として12月〜(翌年の)3月の長きにわたり飾られます。
花茎は上部で分枝、先端に数個の花をつけ、花色は淡黄緑、白、赤紫色など多くの園芸種があります。花弁は中心部の小さい部分、美しく見えるのはガク片で、咲き終わっても長い間枯れずに鑑賞することができます。貴重な原種に微かな香りや、黄色の八重咲きの花もあります。
ヘレボルス(学名: Helleborus和名:寒芍薬)は、キンポウゲ科クリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「クリスマスローズ」という呼称は、クリスマスのころに開花するヘレボルス・ニゲル (Helleborus niger) だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では、「レンテンローズ」と呼ばれるヘレボルス・オリエンタリス (Helleborus orientalis、ハルザキクリスマスローズ) なども「クリスマスローズ」の名前で出回る。
【形態・生態】
花に見える部分は、植物学上では「花」ではなく「萼片」という部分である。そのため、鑑賞期間が比較的長い。ただし、本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。多くの品種は、クリスマスのころではなく、春に開花する。
夏は休眠状態となり、根は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。
【分布】
チベタヌス (Helleborus thibetanus) が中国の四川省から雲南省にかけて自生しているのを除けば、15の原種[要出典]の全てが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコ、シリアに自生している。
【人間との関わり】
20世紀後半の品種改良は、主にイギリスでヘレン・バラードやエリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も、「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。
種により成分は異なるが、ジギタリスに似て強心配糖体ヘレブリンなどの毒を葉・根茎に含む。むかしは民間で強心剤・下剤・堕胎薬などとして使われた。摂取すると、嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、呼吸麻痺、めまい、精神錯乱、心拍数の低下、心停止などをひき起こす。また、目や口・のどなどの粘膜がただれたり腫れあがったりする。
【下位分類】
<原種>
Helleborus argutifolius
A Lenten hellebore
有茎種
Helleborus argutifolius(ヘレボルス・アルグティフォリウス) - 鋭い鋸葉をもつの意(Helleborus corsicus)。自生地はフランスコルシカ島、イタリアサルデーニャ島。花色は黄緑。
コダチクリスマスローズ(キダチフユボタン)Helleborus foetidus - 悪臭のあるの意。自生地はイギリス、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなど。花色は黄〜緑、赤のリップが乗ることも。
Helleborus lividus - 青みがかった灰色の意。自生地はスペインマジョルカ島。花色は緑〜小豆色。
<中間種>
クリスマスローズ(フユボタン)Helleborus niger(ヘレボルス・ニゲル)
H. n. subsp. niger - 黒の意。自生地はイタリア、スロベニア、オー
ストリア、スイス、クロアチア、ドイツ。花色は白〜赤。
H. n. subsp. macranthus - 大きいの意。自生地は上記と混同される。花色は白。
Helleborus vesicarius - 膀胱に似たの意。自生地はトルコ、シリア。花色は緑に海老茶の縞。
<無茎種>
Helleborus abruzzicus - イタリアのアブルッツォ州に由来。自生地はイタリア。花色は緑。
Helleborus atrorubens - 濃赤色の意。自生地はスロベニア、クロアチア。花色は赤紫〜紫〜緑、小豆色、臙脂。
Helleborus bocconei - イタリア人修道士のパオロ・ボッコネに由来。自生地はイタリア、シチリア島。花色は緑〜黄緑。
Helleborus croaticus - クロアチアに由来。自生地はクロアチア。花色は紫〜緑。
Helleborus cyclophyllus - 丸い葉の意。自生地はギリシャ、マケドニアなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus dumetorum - 藪が多い場所の意。自生地はスロヴェニア、ハンガリー、オーストリア、ルーマニア、クロアチアなど。花色は緑、ホワイトエッジ。
Helleborus ligurucus - イタリアのリグーリア地方に由来。自生地はイタリア。花色は緑〜緑白。
Helleborus malyi (Helleborus torquatus Montenegro) - 自生地はモンテネグロ。花色は緑〜紫。
Helleborus multifidus
H. m. subsp. mulutifidus - 多数に分かれたの意。自生地はイタリア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアなど。花色は緑〜黄緑。
H. m. subsp. hercegovinus - ヘルツェゴビナに由来。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナなど。花色は緑〜黄緑。
H. m. subsp. istriacus - イストリア地方に由来。自生地はイストリアなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus occidentails - 西方の意。自生地はフランス、ドイツ、スペインなど。花色は緑〜黄緑。
Helleborus odorus - 香りのよいの意。自生地はハンガリー、スロヴェニア、ルーマニアなど。花色は緑〜黄。
ハルザキクリスマスローズ(ヒメフユボタン、レンテンローズ)Helleborus orientalis(ヘレボルス・オリエンタリス)
H. o. subsp. orientalis - 東洋、東方の意。自生地はトルコ、グルジア、ウクライナ。花色は白〜アイボリー、ピンク。
H. o. subsp. guttatus - 斑点のあるの意。自生地はウクライナ。花色は白〜アイボリー、スポット。
H. o. subsp. abchasicus - アブハジアに由来。自生地はグルジア(アブハジア)。花色はピンク〜紫。
Helleborus purpurascens - 紫色の意。自生地はハンガリー、ルーマニア、ポーランドなど。花色は灰紫。
Helleborus serbicus or Helleborus serbicam (Helleborus torquatus Serbia) - セルビアに由来。自生地はセルビア。花色は紫〜緑。
Helleborus thibetanus - チベットに由来。自生地は中国。花色は白〜ピンク。
Helleborus torquatus - 襟飾りの意。自生地はボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアなど。花色は緑〜紫、ベイン。
アサギフユボタン Helleborus viridis - 緑色の意。自生地はスイス、フランス、イタリアなど。花色は緑。
【交雑種】
ニゲルXアーグティフォリウスの交配種 バレンタイングリーン
<無茎種の交雑>
ヘレボラス・ヒブリダス Helleborus × hybridus
<自然交雑種>
Helleborus odorus laxus(Helleborus odorus × Helleborus multifidus subsp. istriacus)
<有茎種の交雑>
Helleborus × balladiae(Helleborus niger × Helleborus lividus)
Helleborus × ericsmithii(Helleborus niger × Helleborus × sternii)
Helleborus × nigercors(Helleborus niger × Helleborus argutifolius)
Helleborus × sternii(Helleborus argutifolius × Helleborus lividus)
Helleborus × belcheri('Pink Ice' Helleborus niger × Helleborus thibetanus) - Ashwood Nursery 作出。
Helleborus × ashwoodensis('Briar Rose' Helleborus niger × Helleborus vesicarius) - Ashwood Nursery 作出。
Helleborus × sahinii(Helleborus niger × Helleborus foetidus)
Helleborus × hybridus × Helleborus niger('Snow White')
Helleborus × hybridus × Helleborus thibetanus(Helleborus 'Yoshino')
Helleborus foetidus × argutifolius
【八重咲きの基となった品種】
Helleborus torquatus 'Dido(ディド、ダイドー)' 'Aeneas'(イーニアス)
Helleborus × hybridus 'Mrs. Betty Ranicar'(ミセス ベティー ラニカー)
Helleborus × hybridus 'Insomnia'(インソムニア)
<転載、以上>
【薬用効果】
クリスマスローズは少量なら瀉下(しゃげ)、強心作用がありますが、毒性が強く使用されていません。ヨーロッパで古くには、クリスマスローズが精神病の治療に使用されたといわれています。中世においては、この絞り汁を矢の先に塗り、鹿や狐などの動物を狩る時に使ったり、戦いの時に粉にしたりして敵陣に撒き散らして勝利に導こうとしました。
中毒症状は痙攣、胃粘膜に炎症を起こして嘔吐、心臓に働き呼吸麻痺などが現れます。
【和名と茶花としてのクリスマスローズ】
クリスマスローズは下向きに咲く花の風情から、和名を寒芍薬と呼ばれ、茶席に似合う茶花として12月〜(翌年の)3月の長きにわたり飾られます。
花茎は上部で分枝、先端に数個の花をつけ、花色は淡黄緑、白、赤紫色など多くの園芸種があります。花弁は中心部の小さい部分、美しく見えるのはガク片で、咲き終わっても長い間枯れずに鑑賞することができます。貴重な原種に微かな香りや、黄色の八重咲きの花もあります。
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クリスマスローズ属(Helleboru)、総称としてのヘレボルス |
クリスマスローズの育て方 |