<ヤサシイエンゲイより、転載>

<クリスマスローズの栽培スケジュール>


季節・日常の手入れ

<花がら摘み>

タネを採取する目的がない場合、花を摘み取ります。無茎種は萼が色あせてきる時期を頃合いとして、花首の位置でひとつひとつ切り落とします。有茎種は新芽が伸びて葉を広げ始める4月頃、地際で茎をばっさり切り落とします。花がらを摘むのはタネをつけて余計な体力を消耗しないようにするためでもありますが、美観的なことが大きいと思います。

<古葉切り(無茎種のみ)>

新たな葉が開いて生長を始める11月〜1月頃、今まで付いていた葉(古葉)をすべて付け根から切り落とします。これは十分に株元まで日を当てるためです。そうすることで花芽が上がりやすくなります。また、古くて傷んだは病気にかかりやすいので、その点でも大切な作業です。グリーンの葉を切ってしまうのはためらいがあるかもしれませんが、古葉は冬になると茶色く枯れ込んで、結局切り落とすことになります。

<支柱立て(有茎種)>

風や雪の重さで茎が折れないように、有茎種は支柱を立てましょう。
生育サイクルを把握する
高温多湿がやや苦手で、梅雨から秋はじめは半休眠状態です。主な生育期間は秋〜春です。半休眠期と生育期があるというのを理解して、株の状態を把握しながら水やりや置き場所、肥料などの管理を行うのが大切です。

日当たり・置き場所
 
落葉樹の下のような、秋から冬によく日が当たり真夏は日陰になるような場所が適しています。鉢植えで置き場所を替えられる場合は、秋〜春の生育期はよく日の当たる場所において、半休眠期は風通しのよい日陰に置くようにすればよいでしょう。
寒さには強いですが、乾いた寒風や霜に当たると葉や芽が傷むので注意しましょう。また、霜柱に合うと根が持ち上げられてしまうことがあります。

水やり・肥料

生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。半休眠期はさほど根が水分を要求しないので、土を多湿にしないように気をつけます。しかし真夏は乾きやすいので(風通しのよい日陰ならさほどではありませんが)、極端な乾燥状態にならないようにしましょう。
肥料は冬から春にかけて、草花に与えるのと同じくらいの濃さの液体肥料を10日に1回程度定期的に与えます。半休眠時期に肥料を与えると、根や株を傷めてかえって逆効果なので与えません。

用土

水はけのよい用土が適しています。赤玉土(小粒)4:腐葉土3:軽石(小粒)3の割合で混ぜた土などを使います。
植え替え・植え付け
植え替えの適期は10月〜3月頃です。生育旺盛で根がよく張るので、鉢植えは毎年一回り大きな鉢に植え替えます。それ以上株が大きくできない場合は株分けを行います。
鉢から抜いた株は古い土を十分落とします。黒ずんだ根は傷んでいるので付け根から切り落とし、一回り大きな鉢に、新しい用土で植えます。

ふやし方

株分けで増やすことができます。あまり細かく分けすぎると再び開花するまで時間がかかることがあるので、1株が3芽以上になるように分けます。
また、タネを自家採取し、まいて増やすこともできます。

かかりやすい病害虫

害虫 灰色カビ病 ブラックデス
灰色カビ病は春と秋の湿度が高いときに発生しやすい病気です。葉の縁や先が茶色くじゅくじゅくした感じになり、病状が広がると株が腐って枯れます。定期的に殺菌剤を散布して予防します。
ブラックデスは株の至る所にかすれたような黒い病斑が出て最終的には縮れ上がって株が枯れます。感染力が強いので罹ってしまった株は直ちに処分します。ウイルス性の病気で、はさみなどから感染することがあるので、作業祖する際は清潔な道具を使うようにします。

まとめ
 
生育期と半休眠期がある
高温多湿がやや苦手
生育期は定期的に肥料を与える


<転載、以上>

■お薦め参考図書■

1)はじめてのクリスマスローズ(ガーデン&ガーデン特別編集、監修:有島薫、Musashi Mook、株式会社エフジー武蔵発行)
プリンタ用画面
友達に伝える
投票数:23 平均点:4.78
前
クリスマスローズ属、総称としてのヘレボルスとは
カテゴリートップ
クリスマスローズ属(Helleboru)、総称としてのヘレボルス
次
クリスマスローズの育成を年間で考える