<Wikipediaより、転載>
ミカン属(みかんぞく)は、ムクロジ目 ミカン科の属である。学名 Citrus(シトラス、キトルス)。
ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズなどがこの属に属する。属名は、ラテン語でシトロンを意味する citrus(キトルス)に由来。
【分類】
イヨカン Citrus iyo
ウンシュウミカン Citrus unshiu
オレンジ Citrus sinensis
カボス Citrus sphaerocarpa
キシュウミカン Citrus kinokuni
キノット Citrus chinotto
グレープフルーツ Citrus X paradisi
コウジ Citrus leiocarpa
サンボウカン Citrus sulcata
ジャバラ Citrus jabara
スダチ Citrus sudachi
ダイダイ Citrus aurantium
タチバナ Citrus tachibana
タンゴール Citrus reticulata
ナツミカン Citrus natsudaidai
ハッサク Citrus hassaku
ハナユズ Citrus hanayu
ヒュウガナツ Citrus tamurana
ヒラミレモン(シークヮーサー) Citrus depressa
ブンタン Citrus maxima
ポンカン(マンダリンオレンジ) Citrus reticulata
ライム Citrus aurantifolia
レモン Citrus limon
ユズ Citrus junos
クレメンタイン(マンダリンオレンジの一種。) Clementine(Citrus × clementina)
【履歴】
米国のウォルター・テニソン・スウィングル(英語版)は、ミカン属に16の種しか見出さなかった。しかしスウィングルに師事した日本の柑橘類の権威は、自然界からの標本採取ではなく、がんらい栽培種として育てられてきた種類に着眼し、それらを分類学者が種として発表することを可能とする"Hort." (Hortulanorum)の制度を提唱した(1928年国際園芸学会議ウィーン )[1]。その結果、田中長三郎は長年の研究により、ミカン属を細かく160前後の種に分類した。
ところが現在の研究では、一般的に真正の種と認められておらず、ほぼ交配雑種・品種だとみなされている。例えば、田中による種 Citrus clementina Hort. ex Tanakaは、じつは交配種Citrus × clementinaとされている。近年の遺伝子型、表現型を比較した研究では、ミカン属の原種はわずか4種程度とされており、つまりそれ以外はほとんど雑種であるというのが一般結論である。
田中長三郎のように、細かく種を分ける学者は、「スプリッター」("splitter")、スウィングルのように種の定義を広くとる学者を「ランパー」("lumper")と評する。長三郎の仕分けシステムは、分類学上の有効性がなくとも、特に日本の多くの品種を分類化するのに、便宜性があり、香味成分、栽培論などではいまだに用いだされる例もあるようだが、遺伝子的な近似を比較した研究では、長三郎の分類したと同じグループ化(クラスタリング)をしていないという結果も出ている。
<転載、以上>