<Wikipediaより、転載>

サンショウ(山椒、学名:Zanthoxylum piperitum)はミカン科サンショウ属の落葉低木。別名はハジカミ。日本の北海道から屋久島までと、朝鮮半島の南部に分布する。若葉は食材として木の芽の名称がある。雄株と雌株があり、サンショウの実が成るのは雌株のみである。

【英語名】Japanese pepper、Japanese prickly ash

【名称】

学名のZanthoxylum は黄色の意味で材が黄色いことから。また、piperitum はコショウのようなという意で実が辛いことからきている。
「椒」の字には芳しいの意があり、山の薫り高い実であることから「山椒」の名が付けられたと考えられる。
別名であるハジカミ(椒)はショウガなどの他の香辛料の別名でもあり、その区別のため古名では「ふさはじかみ」(房椒)、「なるはじかみ」(なりはじかみ、成椒)と呼ばれた。「はじ」は実がはじけることから。「かみ」はニラ(韮)の古名「かみら」の意で辛いことを示す。「ふさ」は房状に実がなることであり、「なる」は実が成るハジカミであることを示す。
英名は、Japanese pepper、Japanese prickly ash。

【特徴】

<形態>

雌雄異株、樹高は3m程、大きなものは5mになる。枝には鋭い棘が2本ずつ付く。突然変異で棘のない株(実生苗)が稀に発生することがある。棘のない実山椒(雌木)として但馬国の朝倉谷(兵庫県養父市八鹿町朝倉地区)原産の「朝倉山椒」が有名だが、日本各地に棘のない山椒の栽培が見られる。葉は互生、奇数羽状複葉。長さ10〜15cmほど。5〜9対の小葉は1〜2cmの楕円形で縁は鋸歯状。裏は表に比べ白っぽい。花は、4月〜5月頃開花し、直径5mmほどで黄緑色。雄花は「花山椒」として食用にされ、雌花は若い果実、または完熟したものを利用する。果実の直径は5mm程度。はじめ緑色であるが9月〜10月ごろに赤く熟し、裂開して中の黒い種子が出てくる。
なお、実山椒の収穫量は和歌山県が国内生産量の約80%を占めている。和歌山県の有田川町の特産品として栽培されている「ぶどう山椒」は果実・果穂が大型で葡萄の房のような形でたくさん実るためこのように呼ばれている。

【系統品種】

アサクラザンショウ(朝倉山椒、Z. piperitum (L.)DC forma inerme (Makino) Makino)- 棘のない栽培品種。

ヤマアサクラザンショウ(山朝倉山椒、Z. piperitum (L.)DC forma brevispinosum Makino)- 棘が短い。普通の山椒と朝倉山椒の中間に位置する。山野に自生する品種。

リュウジンザンショウ(竜神山椒、Z. piperitum (L.)DC forma ovalifoliolatum (Nakai) Makino)- 小葉が卵形で3-5枚と少ない。食用とされ、薬用とはされない。和歌山県竜神地方産。

ブドウザンショウ(葡萄山椒)- アサクラザンショウから派生した系統とされる。小さいが枝に棘がある。樹高が低く、果実が大粒で葡萄の房のように豊産性であるため栽培に適している。

タカハラサンショウ(高原山椒)- 飛騨地方の高原川流域で栽培されている品種でアサクラサンショウやブドウサンショウと比較すると小粒だが香りの良い品種である。

【同属異種】

サンショウの仲間のサンショウ属は世界の熱帯・亜熱帯および温帯地方に広く分布しており、250種あまりが知られている。代表的な同属異種を以下に列挙する。
イヌザンショウ(犬山椒、Zanthoxylum schinifolium)- サンショウが芳香を持ち、棘が対生するのに対して、イヌザンショウは芳香がなく、棘が互生する。イヌザンショウの果実は「青椒」と呼ばれて精油を持ち、煎じて咳止めの民間薬に用いられる。

イワザンショウ(岩山椒、Zanthoxylum beecheyanum)- 丸葉で光沢がある。葉軸は翼を有し、鰭のように見えることからヒレザンショウとも呼ばれる。南西諸島や小笠原の岩場に自生し、サンショウ同様に香辛料や薬用として用いられる。沖縄方言名 センスルギー。

カホクザンショウ(華北山椒、Zanthoxylum bungeanum) - 英名 Sichuan pepper。中国で「花椒」と称して果皮を香辛料として利用している[1]。
テリハサンショウ(照葉山椒、Zanthoxylum nitidum)- しばしば葉の中心線に沿って棘がある。中国で薬用にされる。

【利用】

古くから香辛料として使われており、薬用にも使われる。縄文時代の遺跡から出土した土器からサンショウの果実が発見された例もある。

【日本における利用】

<食用>

●若芽・若葉(木の芽)
木の芽は緑が鮮やかで香りが良いため、焼き物、煮物など料理の彩りとして添えられ、また吸い口として用いられる。使う直前に手のひらに載せ、軽く数度叩いて葉の細胞を潰すと香りが増す。特に筍との相性が良い。
また、木の芽を味噌と和えた「木の芽味噌」は、木の芽田楽、木の芽和えや木の芽煮の材料となる。

●花(花山椒)
花を漬けた花山椒は、料理の彩り、佃煮、当座煮などに用いられる。

●果実
未熟な果実(青山椒、実山椒)は茹でて佃煮にするほか、ちりめんじゃこと混ぜてちりめん山椒とする。

●果皮
熟した実の皮の乾燥粉末(粉山椒)は、香味料として鰻の蒲焼の臭味消し、七味唐辛子の材料として用いられる。この果皮が一般的に調味料として知られている部位である。
乾燥粉末の状態だと品質の劣化が激しく、一日ほど空気に触れるだけで、色合いも風味も大幅に損なわれる。密封して冷凍保存すると長期間、鮮度が保たれる。

菓子への利用では、五平餅に塗る甘辛のたれや、山椒あられ、スナック菓子のほか、甘い餅菓子の山椒餅(切り山椒)がある。

【その他】

木材はすりこ木にする。
果皮に含まれるサンショオールという成分には毒性があり、日本の東北地方など各地でこれを煮たものを川に流し魚をとる毒もみと呼ばれる漁法があった。

【中国での「花椒」の利用】

中国では花椒(かしょう、ホアジャオ)と呼ばれる同属別種カホクザンショウ(Zanthoxylum bungeanum、英名 Sichuan pepper)の果実の果皮のみ用いる。日本のサンショウとは香りがかなりちがう。
四川料理で多用される。煮込み料理、炒め物、麻婆豆腐などに果皮を加えて風味をつける。乾燥粉末を料理の仕上げに加えると、四川料理の特徴といわれる舌の痺れるような独特の風味が得られる。また、五香粉の材料としても用いられる。
炒った塩と同量の花椒の粉末を混ぜたものを花椒塩(かしょうえん、ホアジャオエン)と呼び、揚げ物につけて食べる。

【薬用】

果皮は薬としても用いられる。漢方で「花椒」は蜀椒とも呼ばれ健胃、鎮痛、駆虫作用があるとされ、大建中湯、烏梅丸などに使われる。
日本薬局方では、本種および同属植物の成熟した果皮で種子をできるだけ除いたものを生薬・山椒(サンショウ)としている。日本薬局方に収載されている苦味チンキや、正月に飲む縁起物の薬用酒の屠蘇の材料でもある。果実の主な辛味成分はサンショオールとサンショアミド。他にゲラニオールなどの芳香精油、ジペンテン、シトラールなどを含んでいる。

【栽培】

観葉や香りを楽しむものとして店舗販売では苗木はポピュラーであるが、家庭では比較的栽培が難しい類の植物である。落葉樹林に自生する落葉低木であり、傾斜地など水はけの良い腐葉土の肥えた地勢を好む。根付きは浅いので水枯れによる枯死が発生しやすい。また移植に弱く植え替えによって枯れてしまうことがある。湿潤な地勢では根腐れや害病(白絹病)などを起こしやすい。降雨に季節ごとのムラが少なく水はけの良い、栽培に適した地勢であれば露地栽培は比較的容易であり、日照や寒暖には強いが、真夏の暑さには弱く、限界を越した暑さには水を欠かさず与えても、葉を落とし、一見枯れたように見えることがある。また秋の落葉後、翌年春に芽が出ず枯れ死してしまうことがあり栽培農家では収穫量が増えない悩みの種となっている。自生させれば数メートルに成長し収穫に手間であるため商業栽培では適宜剪定する。
アゲハチョウ科の食害など害虫が非常に付きやすいため注意が必要である。虫害を避けるためと、上記のように栽培に手間がかかり、比較的低木であるため、むしろ鉢植えとして日当たりの良い室内で芳香を楽しむものとするのも良い。
雄株と雌株があり、サンショウの実が成るのは雌株のみである。
兵庫県養父市の朝倉山椒組合では朝倉山椒発祥の地として数年前に(枯れ死しにくい)優良苗の生産に成功し、現在は地元の農家に苗の配布を行って収穫量の増加を目指している。

【害虫】

アゲハチョウ科のチョウの幼虫の食草でもある。小さな株なら一匹で葉を食べつくし、丸裸にされてしまうこともあるので注意が必要である。

◆画像◆


<転載、以上>