<ヤサシイエンゲイから、転載>

<栽培スケジュール>


季節・日常の手入れ

落葉期に間延びした枝や、混み合って重なった部分の枝を切ります。落葉前の成長期に伸びた枝の中で短いものには花が付きますので切り落とさないように気をつけましょう。ある程度の刈り込みにも耐えますが、枝を切る作業は必ず落葉期に行います。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、半日陰の場所でも問題なく育ちます。適湿の土壌を好み、極端に地面が乾燥する強い西日の当たるような場所を嫌います。寒さには強いので、特に防寒する必要はありません。北海道中部より南の地域で植栽可能です。

水やり・肥料

極端な乾燥と過湿を避けます。サンショウは根の張りが浅く乾燥しやすいので、特に夏の水切れには気をつけましょう。鉢植えの場合、土の表面が乾いていたらたっぷりと与えます。地植えの場合、ワラなどを株元に敷いてできるだけ乾燥させないようにします。梅雨時期などは逆に過湿になりやすいので水がたまらないよう、水はけに気をつけます。
肥料は冬の落葉期に与えます。また、葉や実を収穫すると株が弱る場合があるので、生育に応じて収穫後の夏〜秋にも肥料を与えましょう。

用土

水はけが良く、腐葉土など腐植質のたっぷり入った肥沃な土が適しています。

植え替え・植え付け

植え付けは落葉期の12月〜3月が適期ですが、厳寒期は避けた方が無難でしょう。
また、地植えにしているものを他の場所に植え替える場合は9月頃、株元にスコップを数カ所差し入れて太い根を切ります。根が切られたことによりそこから細かい根が出てきます(あらかじめ細かい根を出させることで、植え替え後の根づきが良くなります)。落葉期になったら大きめに掘りあげて他の場所に植え付けます。掘り上げた際はできるだけ周りの土を落とさないように気をつけます。この根を切る作業のことを「根回し」といいます。

ふやし方

タネをまいて増やします。10月頃にタネを採取してすぐまくか、乾かさないように保存しておいて、春にまきます。タネから育てると、雄株と雌株が混ざり、花が咲くまで雌雄の判別ができません。確実にどちらかの株を増やしたい場合は、接ぎ木が確実でしょう。

かかりやすい病害虫

病気 白絹病 ・害虫 アゲハチョウの幼虫
じめじめした極端に湿度の高い環境では株元に白いカビが生え、木が腐って枯れてしまう白絹病が発生することがあります。この病気にかかってしまうと治療は難しいので、株を処分します。
またアゲハチョウの幼虫が葉を食害しますので見つけ次第、捕ってしまいましょう。アゲハチョウの幼虫は体も大きく食欲も旺盛ですので、葉っぱを全部食べられて木が丸坊主になることもあります。

利用・収穫

春に新芽を摘み取り利用します。青い果実は7月頃、熟した果実は9月頃に収穫します。粉山椒をつくりたい場合は、はぜた果実の中にある黒い種子を取り除いて果皮の部分だけにし、十分乾燥させてから粉にします。また、雄株には果実が付かないので実の収穫が目的の場合は気をつけましょう。

まとめ 
雄株と雌株があります(実ができるのは雌株のみ)
根の張りが浅く、乾燥に弱いので水切れに気をつけましょう
アゲハチョウの幼虫に注意