<Wikipediaより転載>

アオイ科(Malvaceae)は双子葉植物の科のひとつで、従来の分類では約75属、1500種からなる。
美しい花をつけるものが多く、観賞用のハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、タチアオイなどのほか、食用のオクラ、またワタやケナフなど繊維として利用されるものもある。

【特徴】

草本または木本。花は両性花で、5枚の花弁と雄蕊が基部で合生し、雄蕊どうし合着して筒状になる。
熱帯地方に多く、日本の本土に本来自生するものは数種(三浦半島以南の海岸に生えるハマボウのほか、南西諸島にさらに数種)で、そのほか帰化植物が数種ある。
アオイ(葵)という名は、元はフユアオイなどを指し、「仰(あおぐ)日(ひ)」の意味で、葉に向日性があるためという。

<徳川葵>

家紋に使われる葵(徳川家の「三つ葉葵」、下鴨神社の「双葉葵」など)は別科であるウマノスズクサ科のフタバアオイの葉をデザインしたものである。

【分類】

クロンキスト体系など従来の分類では、約75属を含む科である。

おもな属

トロロアオイ属 Abelmoschus
リュウキュウトロロアオイ(沖縄に自生)、オクラなど

イチビ属 Abutilon
イチビ Alcea

タチアオイ属 Althaea
タチアオイ
ウスベニタチアオイ
Callirhoe Gaya

ワタ属 Gossypium
ワタ

フヨウ属 Hibiscus (ハイビスカス属)
フヨウ、ハイビスカス、ムクゲ、ケナフ、ハマボウ、オオハマボウ、モミジアオイなど
Hoheria Kosteletzkya

ハナアオイ属 Lavatera

ゼニアオイ属 Malva
ゼニアオイ
ウサギアオイ(ハイアオイ)
フユアオイ
コモンマロウ

エノキアオイ属 Malvastrum

ヒメフヨウ属 Malvaviscus

キンゴジカ属 Sida
ハイキンゴジカ(路傍の雑草)Sphaeralcea

サキシマハマボウ属 Thespesia
サキシマハマボウ(沖縄及び太平洋諸島に分布)

ボンテンカ属 Urena
ボンテンカ、オオバボンテンカ(赤い花をつける低木、沖縄以南に分布)

【APG植物分類体系】

APG植物分類体系では以上に加え、従来のパンヤ科(カポック(パンヤ)、ドリアン、バオバブ、バルサなど)、アオギリ科(アオギリ、カカオ、コーラノキなど)、シナノキ科(シナノキ、セイヨウボダイジュ、コウマ、シマツナソ(モロヘイヤ)など)もアオイ科に含め、240-250属からなる大きな科としている。

この広義アオイ科は次の各亜科に分けられ、旧アオイ科以外の旧科はいずれも多系統とされる。

Bombacoideae(旧パンヤ科:カポック、バルサ、バオバブ、パキラ属等)
Brownlowioideae(旧アオギリ科)
Byttnerioideae(旧アオギリ科:カカオ、ノジアオイ等)
Dombeyoideae(旧アオギリ科、旧シナノキ科:Nesogordonia papaverifera(コティべ(Kotibe)、ダンタ (Danta))、カラスノゴマ等)
Grewioideae(旧シナノキ科:ラセンソウ、コウマ等)
Helicteroideae(旧パンヤ科:ドリアン等)
Malvoideae(旧アオイ科)
Sterculioideae(旧アオギリ科:アオギリ、コーラノキ、ゴジカ)
Tilioideae(旧シナノキ科:シナノキ属等)

アオイ科以外の「葵」

ゴジアオイ ハンニチバナ科の小低木
カンアオイ ウマノスズクサ科
テンジクアオイ: フウロソウ科に属すゼラニウムの和名
ホテイアオイ ミズアオイ科の水草。

<転載、以上>
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