<Wikipediaより、転載>
キツネノカミソリ(狐の剃刀、学名:Lycoris sanguinea)はヒガンバナ科の多年生草本球根植物である。クロンキスト体系ではユリ科。
【解説】
明るい林床や林縁などに自生する。早春のまだ他の草が生えていないうちに、狭長の葉を球根から直接出して球根を太らせ、多くの草が生い茂る夏頃には一旦葉を落とす。
盆(8月なかば)前後になると花茎を 30〜50cm ほど伸ばし、先端で枝分かれした先にいくつかの花を咲かせる。雌雄同花で花弁は橙色が 6枚。
本種には、結実するものと、しないもの(三倍体、2n=32)がある。
葉の形、花と葉を別々に出すところ、および有毒植物である点などではヒガンバナと共通するが、花の形、および葉と花を出す時季は異なる。
【分布】
東アジアの一部(日本、朝鮮半島)に分布する。
日本では本州・四国・九州に分布する。
変種
キツネノカミソリ Lycoris sanguinea var. sanguinea
オオキツネノカミソリ Lycoris sanguinea var. kiushiana (Makino) T. Koyama
キツネノカミソリより花が大きく花弁が 9cm 程になり、長く突き出るおしべが特徴。本州の関東以南と九州に分布する。
ムジナノカミソリ Lycoris sanguinea var. koreana (Nakai) T. Koyama
野生絶滅(環境省レッドリスト)
花がやや小型で紅紫色。日本国内では九州に分布していたが、宮崎県日南市の自生地が消失、他でも確認されておらず、栽培個体以外が絶滅した状態である野生絶滅 (EW) とされている。
<転載、以上>
<やさしいエンゲイより転載>
タネがよくできて、球根も増えるので群集していることが多いです。球根は径3cm〜4cmで、一概には言えませんが、先端の首部分が長く伸びたイチジク浣腸のような形をしたものが多いです。
上ノ入遺跡(神奈川県平塚市)からは、キツネノカミソリと思われる炭化した球根が出土しており、縄文時代には食用にされていたのではないかとも言われています。球根は良質のデンプンを含有しますが、毒性のある物質も含まれており、普通そのままでは食用にできません。
なぜ?キツネ・ノ・カミソリなのか:名前の由来
おもしろい名前ですが、これは細長い葉っぱをカミソリに見立てて付けられたと言われています。なぜキツネと付くのか、キツネが生息するような場所に自生するのか、キツネが使いそうなイメージからなのか、それは憶測の域を出ません。花の色をキツネの色に見立てた、葉がない状態でいきなり花がにょっきり伸びてくる姿が、キツネに化かされたようだからという説もあります。どれもユニークでおもしろいと思います。
他の仲間
<オオキツネノカミソリ>
オオキツネノカミソリ変種に西日本に多く見られるオオキツネノカミソリ〔var. kiushiana(九州のという表現です)〕や対馬・長崎・宮崎のごく限られた地域や朝鮮半島に分布するムジナノカミソリ〔var. koreana〕があります。雄しべの長さ納屋花の大きさなどで区別するそうですが、見た目は似通っていてぱっと見での判別はむずかしいように感じます。
キツネがあれば、タヌキもあると言うことで、同じヒガンバナ類の別種にタヌキノカミソリ〔Lycoris incarnata〕があります。こちらはピンク色の花を咲かせます。
<転載、以上>
また、八重咲き品種のヤエキツネノカミソリ(八重狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea f. plena T.Yamaz. は、高尾山で発見されました。