<ヤサシイエンゲイより、転載>
<キンモクセイの栽培スケジュール>季節・日常の手入れ剪定には2種類ある
剪定や整枝(枝を切り戻して樹形を整えること)は毎年行う方法と、3〜4年に1度行う方法があります。
●毎年行う場合
作業の適期は新芽が出る前の2〜3月、もしくは開花後の10月です。花の咲き終わった枝を枝分かれしている部分から5〜10cmの長さのところで切り詰めます。コンパクトに仕立てたい場合は円筒状に刈り込むのが一般的です。作業適期なら多少短く切り詰めても開花に影響しませんが、刈り込む場合は一度にばっさりと切らないで、毎年少しずつ切り詰めて枝を整える方がよいでしょう。木が坊主になるほど(葉がほとんどなくなるほど)ばっさりと刈り込んでしまうと枝枯れを起こすことが多いので注意しましょう。毎年切り詰めると樹形があまり大きくならず、枝もあまり長く伸びないので放任したものに比べて花数は少なくなりますが、毎年開花します。
●3〜4年に1度行う場合
新芽が出る前の2〜3月に行います。長く伸びた枝を3〜4年前の枝の位置まで切り詰めます。この方法だとその年花数が少なくなることがありますが、翌年から普通に花を咲かせます。
また、それとは別に間延びして樹形から突き出てしまっている枝や重なり合って風通しが悪くなっている部分の枝があれば花後に間引きしましょう。
花芽形成から開花が短い
キンモクセイは春に伸びた新芽に8月上旬頃に花芽が作られ、その年の秋に開花します。花木の中では花芽形成→開花の期間が最も短いものの一つです。
日当たり・置き場所キンモクセイは「陽樹(日当たりを好む樹木)」です。陽樹の中でもさらに日光を好む部類に入るので、日当たりのよい場所で育てるのが第一条件です。日照不足になると枝がひょろひょろに育ったり、常緑樹なのに葉を落とすこともあります。
通常は日当たりのよい場所でも、梅雨時期など日の当たらない時期が長く続くと今年伸びた新しい枝の葉をぽろぽろと落とすことがあります。新しい枝の葉が落ちるときは病害虫より前にちゃんと日照が確保できているかを確認しましょう。やや寒さに弱く、植裁(地植え)可能な地域は一般的に東北より南になります。
水やり・肥料地植えにしたものは一度根づいてしまえば特に水ををやる必要はありません。 鉢植えのものは生育期に土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
肥料は地植えの場合、2月頃に骨粉や鶏糞、草木灰などリン酸やカリの多く含まれたものを与えます。油かすなどチッソ分の多いものを与えすぎると 枝葉は茂りますが、花付きが悪くなるので気を付けましょう。
鉢植えは地植えに比べて肥料を多く必要とします。2月の肥料は地植えに準じ、それにプラス5月と開花前にリン酸分の多い化成肥料を施します。 肥料が足りないと花付きに影響します。
大気汚染に敏感
キンモクセイは排気ガスなどの大気汚染に敏感で空気が悪い場所だと花芽が付かなくなったり、花が咲いても香りが弱くなることがあります。葉の表面が汚れることで、このようなことが起こるようです。そのような場合、生育期にときどき葉の表面を洗い流すように水をたっぷりとかけてあげると花付きがよくなります。また、同じ効果で梅雨時期によく雨の降った年にキンモクセイがよく咲く、などといわれるそうです。葉の表面が雨によって洗われるからでしょう。
用土水はけが良く、肥えた土が適しています。やせ地に植える場合はあらかじめ堆肥や鶏糞を混ぜ込んでおく必要があります。鉢植えの場合は赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土を使います。
植え替え・植え付け植え付けは新芽の出る4〜5月が適期です。鉢植えは場合、8号(直径24cm)以上の鉢を用います。
地植えの場合、一度植え付けてしまえば植え替える必要はありません。鉢植えの場合、鉢に根がまわってきたら一回り大きな鉢に植え替えます。
ふやし方さし木でふやすことができます。作業の適期は6月から7月の梅雨時期です。今年伸びた新しい枝の先端を10〜15cmの長さに切り取り、切り口を斜めにカットして水に2〜3時間挿して充分に水揚げをした後、赤玉土など水はけの良い土に挿して乾かさないように管理します。切り口を乾かさないようにするのがコツです。
ギンモクセイは木が大きくなると実がなることがあります。秋に熟した実からタネを採取してすぐまきます。開花する大きさになるまで、7〜8年かかります。
かかりやすい病害虫
強健な花木で病害虫は少ないですが風通しが悪いとカイガラムシやハダニが発生することがあります。見つけ次第、適応薬剤を散布して駆除します。
まとめ
葉が汚れると花付きが悪くなる
肥料(チッソ分)の与えすぎには注意
日当たりのよい場所を好む<転載、以上>