<Wikipediaより転載>

ヘクソカズラ(屁糞葛、学名: Paederia scandens)は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草で、至る所に多い雑草。葉や茎に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。古名はクソカズラ(糞葛・屎葛)。別名ヤイトバナ、サオトメバナ。

【形態・生態】

葉は蔓性の茎に対生し、形は披針形から広卵形で、縁は全縁。
花期は7月から9月頃で、花弁は白色、中心は紅紫色であり、その色合いが灸を据えた跡のようなのでヤイトバナ(灸花)の別名がある。果実は黄褐色。ホシホウジャク(スズメガ科)の幼虫が食する。

【分布】

日本各地、東アジアに分布する。

【人間との関わり】
干して水分を飛ばした果実、または生の実を薬用とする。ただ、生の果実はかなりの臭気を放つのに対して、乾燥したものは不思議と臭いが消えるため、乾燥したものを使うことのほうが多い。劇的ではないが効用は認められており、しもやけ、あかぎれなどの外用民間薬のほか、生薬の鶏屎藤果としても知られている。

【文化】

万葉集(巻十六)
かわらふじに 延ひおほとれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ(高宮王)


「屁糞葛も花盛り」

いやなにおいがあってあまり好かれない屁糞葛でも、愛らしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるということ。類語に「鬼も十八番茶も出花」がある。

<Wikipediaの画像(大阪府、2006年9月20日)>



<転載、以上>

このヘクソカズラの悪臭成分は、メチルカプタン(メチルメルカプタン)という成分で、正式にはメタンチオールと呼ばれる。以下にその成分についての情報を紹介します。

<Wikipediaより転載>

メタンチオール (methanethiol) は化学式 CH3SH で表されるチオールの一種である。メチルメルカプタン (methyl mercaptan) とも呼ばれる。腐ったたまねぎのにおいがする無色の気体である。
天然にはある種の種実類やチーズなどにも含まれ、ヒトや動物の血液、脳、およびその他の組織中にも存在する。動物の糞から放出される。また、口臭や屁の悪臭の成分のひとつである。

【発生源】
メタンチオールは沼などで有機化合物が腐敗することによって生じ、コールタールや原油、および一部地域の天然ガス中にも含まれる。
海の表層水でジメチルスルホニオプロピオナート (DMSP) が藻類によって代謝される際の一次生成物である。メタンチオールの海水中の存在量 (0.3nM) は硫酸イオン (28mM) よりもはるかに低いが、海洋バクテリア類が蛋白質の製造に使う硫黄は、主にDMSPを分解してメタンチオールとして取り込んでいるものとされている。好気条件および嫌気条件において、バクテリアはメタンチオールのジメチルスルフィド (DMS) への変換も行う。しかしながら海洋表層水に存在するDMSは、大部分が他の経路によって生成したものである。DMSとメタンチオールは、共に嫌気条件の沈降物中での微生物によるメタン生成経路で利用される。
メチオニンから乳酸菌やGeotrichum candidumなどの一部の酵母、キノコなどにより生成される。嗅覚閾値は0.02ppbと強く、チーズではごく微量のメタンチオールが香りを特徴づけるのに重要な役割を果たす。ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、S-メチルチオ酢酸などに容易に代謝されるが、これらの代謝生成物もチーズの香りとして重要である。

【用途】

プラスチック工業や殺虫剤の原料、ジェット燃料への添加剤として製造される。パルプの製造過程では木材の腐敗生成物として発生する。チオール類はごく少量でも非常に強い悪臭を示すため、無臭のガスに添加してそれらが漏れたことを感知しやすくする付臭剤に使われる。

【サンクトペテルブルクでの事件】

2005年12月26日、ロシアはサンクトペテルブルクの小売商店マキシドム (Maksidom) において、メタンチオールとおぼしきガスがまかれるという事件が起こった。商店には「クリスマスの間営業を妨害する」という内容の脅迫状が届けられた。同じチェーンの店でも、タイマーでガスを放出するよう設定されたガラス製の容器が発見された。

<転載、以上>

まさに「屁糞」の成分といったところでしょうか。このヘクソカズラ以外の種や実に含まれる成分ということなので、どうようの臭いのする植物があるということのようです。チーズの臭さもあるのですね。
環境関連の情報としては、メチルメルカプタンは、悪臭防止法による規制物質の1つであり、また、大気汚染防止法の特定物質にも指定されています。