<やさしいエンゲイより、転載>

■栽培カレンダー


季節・日常の手入れ

<目土を行う>

同じ場所で長い間育てる場合、株の上から土をかけてすり込むようにならす「目土(めつち)」を行います。量としては茎の下半分が土に埋まるくらいが適当です。シバザクラは這うように伸びる茎の節から新しい根を出す性質があり、目土を行って地面と茎とのすき間をなくすことよって新根の発生を促し、同時に乾燥から植物を守る役割も果たします。

<老化した株の更新>

3〜4年育てていると株元近くの茎が木のようにごつごつになって花付きが悪くなります。広い面積植えている場合は、そこだけはげたようになり見栄えが悪くなります。これは老化現象でどうにもならないので、長く同じ場所で育てたい場合は株分けやさし芽であらかじめ苗を作っておき、老化した株を抜き取って腐葉土や堆肥を足して新たな苗を植え直すといった作業が必要になります。
株が密生していると風通しが悪くなり、蒸れて下の葉っぱが枯れあがってしまうことがありますので、混みあっている部分は適当に間引いて風通しを良くしましょう。

<グランドカバー>

横に広がる性質を活かして地面を覆う「グラウンドカバー」に利用できますが、踏みつけには強くないのでシバ(芝生)のような使い方は適しません。

日当たり・置き場所

日当たりの悪い場所では茎がひょろひょろに間延びする上に、花付きも悪くなります。 乾燥には非常に強いので、水切れで枯らしてしまうことは少ないと思います。寒さにはめっぽう強く冬は特に防寒を行う必要ありません。
石垣や傾斜のある土手などで特に手間もかからず元気に育っているのは「水はけ」「日当たり」「風通し」というシバザクラにとって適した条件がそろっているからでしょう。

水やり・肥料

土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与えます。元々乾燥に強い植物で過湿を嫌うのでやり過ぎに気をつけます。
肥料は植え付ける際、土にあらかじめ混ぜ込んでおけば後は春に芽が活発に動き出す前(早春)と花の咲き終わった後(初夏)に化成肥料を少量ばらまいておくか、液体肥料を1週間おきに2〜3回与える程度で充分です。このとき、窒素分の少ない肥料を与えるようにします。なぜなら、窒素分が多いと茎葉はよく茂りますが、花付きは悪くなるからです。まったくの無肥料では都合が悪いですが、あまりたくさんやらなくても育つので、与えるときは控えめにします。

用土

水はけのよいやや乾燥気味の土壌を好みます。ただし、高温で乾燥する環境ではハダニの発生が見られますので気をつけましょう。地植えにする場合は水はけと日当たりの良い傾斜地などがあれば言うことないですが、過湿に気をつければ特に場所を選ばず育ちます。逆に「じめじめした地面では育たない」と理解しておいてもよいと思います。

植え替え・植え付け

苗の植え付けは3月〜5月、9月〜10月が適期です。よく広がるので株と株の間隔は15cm〜20cmとります。植え付けた株は茎を横に広げて目土を行います(「季節・日常の手入れ」の項を参照)に。

ふやし方

株分け、さし芽でふやすことができます。
株分けの適期は花後の6月か9月〜10月です。茎の節から根が出ているので親株から適宜切り離して植え付けます。性質は強健で乱暴にぶちぶちっとちぎって半分埋めるような感じで土の上に置いておくだけでも根付きますが、秋遅くに株分けを行うと寒さが来るまでに充分根が張れずに枯れてしまうことがありますので作業時期には気をつけましょう。
さし芽は先端から5cmほどの長さに茎を切り取って下1/3の葉っぱを取り除いて土に挿しておくと3週間くらいで根が出てきます。作業適期は株分けに準じます。

かかりやすい病害虫

病気・害虫 ハダニ
夏に乾燥する場所ではハダニが発生するので注意しましょう。ときどき、ざーっと株の上から水をかけてあげることである程度発生を抑えることができます。

まとめ
 
水はけが良く、やや乾燥気味の土壌が適しています
肥料はさほど必要としない。控えめに
植え付け時とその後は年1回、目土を行う



<転載、以上>