<やさしいエンゲイより、転載>

【栽培カレンダー】


季節・日常の手入れ

次々とつぼみが出てくるのでそれらのつぼみに充分日光を当てることが大切です。花がらや枯れた葉は付けたままにしておかずにこまめに取り除きましょう。そのままにしておくと灰色カビ病が発生することがあります。

日当たり・置き場所

日当たりを好みます。特に開花期間中、充分日光に当てないと花茎がひょろひょろになったり、花色が悪くなります。寒さには強いので、冬でも屋外で大丈夫ですが、寒風の当たる場所は空気が極端に乾くので避けましょう。室内の暖かい場所においていると花が早く散ることがあります。やや寒い場所で、株をしっかり締めて育てたほうがよいです。
低温に強い反面、夏の暑さには非常に弱く梅雨頃にはほとんどの株を枯らしてしまいます。夏越しをして来年も楽しむためには、夏場は半日陰の風通しの良い場所で、できるだけ涼しい環境の元で育てます。夏は水やりを控えめにして乾燥気味にするのがコツです。

水やり・肥料

水やりはメリハリが大切です。開花中は水切れをおこしやすく、すぐに葉がしおれてしまいますが、水を与えると元に戻ります。土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。まだ十分湿っている状態のときに水を与えると過湿になり根ぐされをおこしてしまうので注意しましょう。開花中の株に水を与えるときは花や葉に水がかからないように葉をそっと持ち上げて静かに株元に与えます。水がかかるとその部分が傷んで、灰色カビ病にかかることがあります。
がんばって夏越しに挑戦する場合は、5月以降の水やりは回数を控えめに、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるようにします。夏場は植物が弱ってそれほど生長しないからです。
肥料は植え付ける際にゆっくりと効くタイプのものを土に混ぜ込んでおきます。追肥は開花中に液体肥料を10日に1回与えます。夏越しに成功した株は秋に涼しくなってきたら同様に液体肥料を与えます。夏場は生育が弱るので与えません。

用土

水もちの良い土が適します。赤玉土(小粒)5:ピートモス3:バーミキュライト2の割合で混ぜた土を使用します。

植え替え・植え付け

毎年花を咲かせる多年草ですが、夏の暑さで枯れてしまうことが多いです。もし、夏を無事越せたなら、暑さが落ち着いた秋頃に植え替えを行います。鉢から抜いた株はそのまま一回り大きな鉢に植え替えます。
タネから育てたり、秋に苗を購入した場合は寒さが来るまでに植え付けて充分に根を張らしておけば、耐寒性の強い株になります。植え付ける場合もまわりの土をくずさずに植え付けましょう。

ふやし方

タネまき、株分けでふやすことができます。

タネまきは5月〜6月に行います。発芽した苗は一度ビニールポットに植えて夏場はできるだけ涼しい場所で管理します。9月下旬頃に大きくなった苗を鉢やプランター、庭に植え付けます。

夏越しに成功した株は、株分けでふやすことができます。鉢から抜いてまわりの土を落として株元をしっかりと持って手で引き分けます。さらに半分に分けることもできますが、あまり細かく分けすぎるとその後の生育が良くないので株の大きさを見て芽がちゃんと付いているか確認して行いましょう。適期は9月〜10月です 。

かかりやすい病害虫

灰色カビ病 アブラムシ ハダニ
灰色カビ病は傷んだ葉っぱや花をそのままにしておくと出やすい病気です。春先からアブラムシがよく出るので、見つけ次第早めに駆除しましょう。

まとめ
 
水を与えすぎて過湿にすると根ぐされしやすい
寒さに強いが暑さに弱い
開花中は日光に充分当てます



<転載、以上>

【灰色カビ病について】

詳しくは、住友化学園芸のサイトにあるこちらをご覧ください。

同サイトにある「発生の特徴」と「防除方法」を以下に転載しておきます。

<転載、部分>

発生の特徴

灰色かび病は寄生範囲が広く、ほとんどすべての植物で発生します。 低温多湿を好むので春先〜梅雨、秋口〜冬の初め頃の気温がやや低く、湿度の高い、雨が多くて日照が不足しがちな時期に発生が多くなります。逆に真夏の高温期は発生が少なくなります。花壇などでは春先〜梅雨の雨が続くときに発病しやすく、花弁が腐ってしまいます。また、冬の温室内などは低温多湿になりやすくシクラメン、プリムラなど冬に咲く植物の花で多く発生します。

防除方法

湿度を好むので水のやり過ぎに注意し、なるべく風通しを良くして栽培します。枯れた部分にも病原菌が残っているので、なるべく取り除きます。病原菌は害虫の食害跡やしおれた花弁、チッ素過多により軟弱に育った植物組織などから侵入するので害虫を防除したり、咲き終わった花をこまめに摘み取ったり、肥培管理を適切にすることでも予防できます。

<転載、以上>