<やさしいエンゲイより、転載>
■栽培カレンダー
季節・日常の手入れ
実を付けると株が栄養をとられて消耗し、新芽が伸びにくくなる上に翌年の花付きが悪くなります。 花後はすぐに花穂を付け根から切り取りましょう。
基本の剪定
放任していても樹形がよくまとまり、成長スピードもさほど早くないのであまり剪定の必要はありません。若い木は枝の伸びがよいので樹形が乱れたり、枝同士が重なって混み合うような場合があるので、そのような枝を切り落とす程度でかまいません。
春の花後に枝葉が生長して、初夏〜晩夏に花芽が枝の内部で作られて(以下、花芽分化)、秋には枝の先端から翌年開花する花穂が発生して準備万端の体制で冬を越します。ですから、基本的に枝を切る作業は花後から花芽分化までの期間、春〜初夏の間となります。それ以降の作業は枝ごと花芽を切り落とすことになりますので花後なるべく早い時期に(6月までには)作業を済ませましょう。
太い枝を切り落とした場合、切り口に癒合剤を塗り雑菌が侵入しないようにします。
*癒合剤(ゆごうざい)… 樹木の枝や幹を切った際、切り口からの雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぐために使用する薬剤で、切り口に塗りつけて使用するいわば「きずぐすり」です。チューブに入ったペースト状のものが多く、園芸店などで入手できます。
コンパクトに仕立てる場合
鉢植えなどで大きくしたくない場合は枝分かれしている部分や、小枝の出ている箇所で切り詰めます。 特に細くて弱い枝は中途半端な位置で切ると枯れ込みやすいので気を付けます。
早く出た花穂
翌年咲く花穂は秋にでてきますが、乾燥や肥料不足で夏前に発生することがあります。 このような早く出てきた花穂は根元に近いあたりのつぼみが落ちやすいので、 8月下旬頃に2、3枚葉を付けて花穂を切り取ります。作業の時期が遅れると次出てくる花穂が短かかったり、 最悪の場合花穂が出てこないこともあるので気を付けましょう。 必ず行わなければいけない作業ではなく、鉢植えなどで見栄えを気にする場合に行います。
根回し
年を経ると水分や栄養を吸収する細根が株から離れてしまいます。
株が老化して根が張りすぎると花数が多くなります。逆に言うと、例年になく花数が急に増えたときは株の老化の可能性が高いということです。そのような場合は株のまわりに垂直にスコップを突き入れて根を切る、根回しの作業を行い株の若返りをはかります。
日当たり・置き場所
環境に対する適応能力の高い樹木で耐陰性もあるので、ある程度の日陰でも成長はしますが日当たりのよい場所で育てた方が花付きはよいです。ただ、暑さや乾燥が苦手ですので西日の当たる場所は避けます。
まとめると、一日中日の当たる場所よりも、午前中は日が当たり午後からは日陰になるような場所が生育場所として理想的で一番適しています。
水やり・肥料
水切れや乾燥は生育や花付きに大きな影響を与えます。生長期に水切れさせると生育が早く止まってしまい、出てくる花穂のつぼみが少なくなることがあります。また、花穂が伸びる頃に乾燥させるとつぼみが落ちたり枯れることがあります。地植えは一度根づくと乾燥にも耐えますが、鉢植えは水切れに注意しましょう。
肥料は春と秋の年2回与えます。ゆっくりと効く化成肥料を株元に施すのが基本です。秋に花穂ができるのでそれまでに充分栄養を与えると立派な花穂が育ち、花付きもよくなります。ですから春の生育期は多く与え、秋は控えめにするのがコツです。一年で与える肥料の量を10とするなら春は7.5、秋は2.5といった感じです(例えば一年で与える総量を100gとするなら春に75g、秋に25g)。
用土
水はけの良い適湿な土壌を好みます。植え付ける前にあらかじめ堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおきます。また、水はけの悪い場所や粘土質の土壌では根が充分張れないので成長が良くありません。
鉢植えにする場合は赤玉土、鹿沼土、腐葉土を同じ量混ぜた土を用います。
植え替え・植え付け
植え付けは春の芽出し前、梅雨時期、秋の10月頃が適しています。鉢植えの物は、2〜3年に1回3月〜4月に植え替えを行います。
ふやし方
さし木でふやすことができます。6〜7月頃に今年伸びた枝を10cmほどの長さに切って用土に挿します。
かかりやすい病害虫
病気:とくになし
害虫:グンバイムシ ハマキムシ
グンバイムシは体長3mmほどの羽の生えた虫で、葉に群がって栄養を吸収します。被害にあった葉は色が抜けて白いカスリ状になります。特に被害が多いのは春先で過度に乾燥させると発生しやすいので気を付けましょう。発生初期に薬剤を散布して駆除します。
ハマキムシは2〜4cmの幼虫が糸をはいて葉を袋状に丸めたり、数枚の葉をくっつけてその中で生活し葉を食害します。被害にあった葉ごと幼虫を取り除いて駆除します。
まとめ
花後に花穂を切る
日当たりのよい場所を好む
水切れに注意
<転載、以上>
■栽培カレンダー
季節・日常の手入れ
実を付けると株が栄養をとられて消耗し、新芽が伸びにくくなる上に翌年の花付きが悪くなります。 花後はすぐに花穂を付け根から切り取りましょう。
基本の剪定
放任していても樹形がよくまとまり、成長スピードもさほど早くないのであまり剪定の必要はありません。若い木は枝の伸びがよいので樹形が乱れたり、枝同士が重なって混み合うような場合があるので、そのような枝を切り落とす程度でかまいません。
春の花後に枝葉が生長して、初夏〜晩夏に花芽が枝の内部で作られて(以下、花芽分化)、秋には枝の先端から翌年開花する花穂が発生して準備万端の体制で冬を越します。ですから、基本的に枝を切る作業は花後から花芽分化までの期間、春〜初夏の間となります。それ以降の作業は枝ごと花芽を切り落とすことになりますので花後なるべく早い時期に(6月までには)作業を済ませましょう。
太い枝を切り落とした場合、切り口に癒合剤を塗り雑菌が侵入しないようにします。
*癒合剤(ゆごうざい)… 樹木の枝や幹を切った際、切り口からの雑菌の侵入や水分の蒸発を防ぐために使用する薬剤で、切り口に塗りつけて使用するいわば「きずぐすり」です。チューブに入ったペースト状のものが多く、園芸店などで入手できます。
コンパクトに仕立てる場合
鉢植えなどで大きくしたくない場合は枝分かれしている部分や、小枝の出ている箇所で切り詰めます。 特に細くて弱い枝は中途半端な位置で切ると枯れ込みやすいので気を付けます。
早く出た花穂
翌年咲く花穂は秋にでてきますが、乾燥や肥料不足で夏前に発生することがあります。 このような早く出てきた花穂は根元に近いあたりのつぼみが落ちやすいので、 8月下旬頃に2、3枚葉を付けて花穂を切り取ります。作業の時期が遅れると次出てくる花穂が短かかったり、 最悪の場合花穂が出てこないこともあるので気を付けましょう。 必ず行わなければいけない作業ではなく、鉢植えなどで見栄えを気にする場合に行います。
根回し
年を経ると水分や栄養を吸収する細根が株から離れてしまいます。
株が老化して根が張りすぎると花数が多くなります。逆に言うと、例年になく花数が急に増えたときは株の老化の可能性が高いということです。そのような場合は株のまわりに垂直にスコップを突き入れて根を切る、根回しの作業を行い株の若返りをはかります。
日当たり・置き場所
環境に対する適応能力の高い樹木で耐陰性もあるので、ある程度の日陰でも成長はしますが日当たりのよい場所で育てた方が花付きはよいです。ただ、暑さや乾燥が苦手ですので西日の当たる場所は避けます。
まとめると、一日中日の当たる場所よりも、午前中は日が当たり午後からは日陰になるような場所が生育場所として理想的で一番適しています。
水やり・肥料
水切れや乾燥は生育や花付きに大きな影響を与えます。生長期に水切れさせると生育が早く止まってしまい、出てくる花穂のつぼみが少なくなることがあります。また、花穂が伸びる頃に乾燥させるとつぼみが落ちたり枯れることがあります。地植えは一度根づくと乾燥にも耐えますが、鉢植えは水切れに注意しましょう。
肥料は春と秋の年2回与えます。ゆっくりと効く化成肥料を株元に施すのが基本です。秋に花穂ができるのでそれまでに充分栄養を与えると立派な花穂が育ち、花付きもよくなります。ですから春の生育期は多く与え、秋は控えめにするのがコツです。一年で与える肥料の量を10とするなら春は7.5、秋は2.5といった感じです(例えば一年で与える総量を100gとするなら春に75g、秋に25g)。
用土
水はけの良い適湿な土壌を好みます。植え付ける前にあらかじめ堆肥や腐葉土を混ぜ込んでおきます。また、水はけの悪い場所や粘土質の土壌では根が充分張れないので成長が良くありません。
鉢植えにする場合は赤玉土、鹿沼土、腐葉土を同じ量混ぜた土を用います。
植え替え・植え付け
植え付けは春の芽出し前、梅雨時期、秋の10月頃が適しています。鉢植えの物は、2〜3年に1回3月〜4月に植え替えを行います。
ふやし方
さし木でふやすことができます。6〜7月頃に今年伸びた枝を10cmほどの長さに切って用土に挿します。
かかりやすい病害虫
病気:とくになし
害虫:グンバイムシ ハマキムシ
グンバイムシは体長3mmほどの羽の生えた虫で、葉に群がって栄養を吸収します。被害にあった葉は色が抜けて白いカスリ状になります。特に被害が多いのは春先で過度に乾燥させると発生しやすいので気を付けましょう。発生初期に薬剤を散布して駆除します。
ハマキムシは2〜4cmの幼虫が糸をはいて葉を袋状に丸めたり、数枚の葉をくっつけてその中で生活し葉を食害します。被害にあった葉ごと幼虫を取り除いて駆除します。
まとめ
花後に花穂を切る
日当たりのよい場所を好む
水切れに注意
<転載、以上>
投票数:58
平均点:2.07
アセビ、あしび(馬酔木)とは |
アセビ、あしび、馬酔木(Pieris japonica subsp. japonica) |