<Wikipediaより、転載>

ウド(独活、学名:Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属の多年草。香りが強く、山菜や野菜として好まれる。季語、晩春。

特徴

日本では北海道から本州、四国、九州までのほか、国外では朝鮮半島、中国、千島、サハリンに分布する。林下や林縁、山野に自生するほか、畑に植えられて栽培もされている。大型で丈が高く、高さ約1 - 1.5mに生長する草本である。

茎は円柱形で太く、緑色をしており毛が生える。
葉は互生し、2回羽状複葉で三角形をしており、長めの葉柄がつく。小葉は卵型をしており細かい毛があり、葉縁にぎざぎざがある。

夏から秋ごろ、8 - 9月にかけて茎の上部に球状の大きな散形花序を多数つけ、柄がある径3mmほどの白もしくは薄緑色の小さな花をたくさんつける。花弁は5枚つき、上部は両性花、下部は雄花となる。雄しべが5本、下位子房に5本の花柱がある。

果実は、秋に直径3mmほどの球状の液果が実り、熟すと黒紫色になる。一果中に3 - 5個のゴマ状の種子をもつ。

春・初夏(ゴールデンウィーク頃)に芽吹いた小さな苗は山菜として利用できる。

利用

食用

東京うど

若葉、つぼみ、芽および茎の部分を食用になり、香りもよい。つぼみや茎は採取期間が短いが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができる。林の際など日当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生するが、スーパーや八百屋などで見られる白いものは、日の当たらない地下の室(むろ)で株に土を盛り暗闇の中で栽培した軟白栽培によるもので、モヤシのように茎を白く伸ばして出荷する。

料理の分野では前者を山ウド、後者を白ウドと呼び区別することが多い。後者には立川市を中心とした東京都多摩地域の特産品(東京うど)や大阪府茨木市太田および千堤寺地区特産の「三島うど」などがある。

ウドは山菜として有名で、山ウドはややアクが強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬた、茹でたものを酢味噌和え、味噌汁の実とする。白ウドは前記の他、酢水でアク抜きをして煮浸しやサラダとしても食べられる。また、皮も柔らかく、短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白ウドは捨てるところがほとんどない。
一ヶ所から数本のウドの大木が生えている場合は、1本は切り倒してよい。茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味である。ここまで大きくなると生のままでもほとんどアクがなく、雑味もない。また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできる。
ただし、食物アレルギーがあるので、食べる際注意が必要。山中に生える物は太く立派だが、平地の林等に生える物は生長しても細い事が多い。

薬用

根は土当帰(どとうき)、和独活(わどっかつ)と呼ばれ、薬用になる。
秋に根を掘り取って輪切りにし天日干ししたものを用いて、煎じて服用すると、体を温めるとともに頭痛や顔のむくみに効用があるとされる。また、アイヌ民族はウドを「チマ・キナ」(かさぶたの草)と呼び、根をすり潰したものを打ち身の湿布薬に用いていた。アイヌにとってウドはあくまでも薬草であり、茎や葉が食用になることは知られていなかった。

漢方で使う独活(どっかつ)は、セリ科のシシウドの根で、昔は独活の代用品としてウドの根である和独活も使われた。

ウドの名前をもつ他の植物

ハマウド(オニウドとも呼ばれる)、シシウド、ハナウド、オオハナウド - これらはセリ科に属する
ウドノキ - オシロイバナ科ウドノキ属

慣用句

ウドの大木

諺(ことわざ)。前述の通り、ウドは1.5メートル前後の大きさに育つが、茎が太く育った頃には食用にもならず、また茎が柔らかすぎて木材にも適さないということから、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、役に立たないもの」のたとえ。ただし、前述したようにウドは樹木ではなく、草本の一種である。

<転載、以上>
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